中国スマホ大手、小米は今年1億台を販売する目標だという(2015年5月20日)

2015年05月20日 | 随筆

桑原名誉顧問からの投稿

中国スマホ大手、小米は今年1億台を販売する目標だという (2015年5月20日)

 
 中国では巨大な人口を背景としてとんでもないことが起こる。中国スマホベンダーの新人、「小米(シャオミ)」がその好例だ。4月8日、創業5周年を記念した販促イベントで211万台を販売し、「1つのネット通販サイトで24時間に売ったスマホの台数」の世界記録としてギネスブックの認定を受けた。従来は昨年11月11日の「独身の日割引セール」で中国電子商取引最大手アリババが販売した189万台が最多であったという。

 
 小米の創業以降の拡大はまさに宇宙誕生時のビッグバーンを見る如くである。創業した11年の出荷台数は50万であったが翌年には700万、13年には2000万、14年は6000万を超え、今年は1億台を目標にしている。14年の世界シェアトップは韓国のサムスン電子、2位は米アップルで、2社で5億台を販売したが、15年には小米が3位の座を占めることになりそうだ。

 
 小米のスマホはクアルコムのプロセッサー、シャープの液晶パネル、村田製作所のフィルター、京セラ製の水晶デバイス、ソニー製のバッテリーなど世界一流の部品を採用し、製造は外部委託して自社は開発・販売・サービスに集中している。このような流儀のベンダーは今後も彗星のごとく次々と現れ、熾烈な価格競争に敗れると太陽系の外へ消え去る姿が見られるのかもしれない。

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ナスダック総合株価指数が過去最高値を記録したが、アップルの寄与が大きい(2015年5月20日)

2015年05月20日 | 随筆

桑原名誉顧問からの投稿

ナスダック総合株価指数が過去最高値を記録したが、アップルの寄与が大きい (2015年5月20日)

 
 文芸春秋5月号で、シャープが経営危機に陥っている理由を「リンゴからコメに乗り換えようとしたから」と書かれた記事を見かけた。リンゴは飛ぶ鳥を落とす勢いの米アップル、コメは今年スマホを1億台出荷するという中国の新興メーカー「小米」を指す。シャープがアイフォーンパネル専用に稼働している亀山工場で小米向けの試作品を流したことが噂の種らしい。

 
 アップルは4月24日から腕時計型ウエアラブル端末「アップルウオッチ」の販売を開始した。原則としてオンライン店舗に絞ったことで新製品発売に恒例の店頭行列は見られなかったが、人気は上々で世界的に品薄状態だという。アップルの株価も一段と高くなったようだ、3月末の株価で計算した時価総額は約90兆円に達する。これはグーグルの45兆円とマイクロソフトの40兆円を合算した額より大きい。

 
 アイフォーンのiOSとグーグルが無償で端末機メーカーに提供しているアンドロイドがスマホやタブレットに使われている基本ソフトの主流である。パソコンの出荷が減少傾向でマイクロソフトのウィンドウズには昔の勢いが失われ、モバイル用ウィンドウズを搭載したタブレット「サーフェス」の販売も伸びていない。13年に72億ドルを投じてノキアの携帯電話事業を買収したことも株主の評判が芳しくないようだ。

 
 ところで、世界の株式時価総額の合計が4月末に9000兆円を超えた。これは世界の国内総生産(GDP)合計に並ぶ額である。過去にはITバブル期の1999年と金融危機前の06~07年の2回、GDPを上回ったことがある。両者のバランスは株価の過熱の度合いをみる物差しになるという。

 
 前述のごとくアップルの株式時価総額が90兆円に達した。これは世界の時価総額合計の1%である。アイフォーンだけでこれだけ稼ぎ出すのだから大変なものだ。世界の時価総額ランキングではアップル、マイクロソフト、グーグルがトップ3である。7位に中国工商銀行、8位にチャイナモバイルが入るほかは10位まで米国企業だ。トヨタがようやく20位で、NTTドコモは100位までに入らない。

 
 2000年4月、NTT移動通信網から商号変更したドコモは99年2月に発表した「iモード」が爆発的な人気を呼んで株価が急上昇、99年末には時価総額が40兆円を超え、世界的にもマイクロソフト、GEに次いで世界第3位となった。ドコモの株で世界の小さな国を一つ買えると新聞で囃された。当時の世界株式時価総額は40兆円だったので、ドコモの時価総額はこれの約1%となる。その後の15年間に中国、インドを始め東南アジアで大企業が育ったから、アップルの1%は同じ率でも一段と格が上であろう。

 toukou-2015052002

チャイナモバイル11位2兆円
トヨタ20位26兆円
NTT、9兆円で50位以下

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高機能携帯電話がアンドロイドOSで生き残りを図る(2015年5月20日)

2015年05月20日 | 随筆

桑原名誉顧問からの投稿

高機能携帯電話がアンドロイドOSで生き残りを図る (2015年5月20日)

 
 ガラケー(ガラパゴス・ケータイの略)すなわち日本独自の進歩を遂げた高機能携帯電話の開発が打ち切られるという。こう書くと、シニア層に親しまれてきた携帯電話がなくなると早合点されそうだが、開発終了は独自の基本ソフト(OS)で動作する携帯電話についての話であり、アンドロイドOSを使って同じような形態と機能を持つ携帯電話の開発が続けられるとのことなので安心してよい。

 
 最初の携帯電話ムーバがお目見えしたのは91年、原型となるセルラー式自動車電話が世界で最初に日本でサービスを開始した79年から12年後のことであった。99年にiモード(インターネット接続サービス)が導入され、携帯でメールや情報検索ができるようになったのには世界が驚いた。カメラ、スイカ、ワンセグテレビなどの機能が100㏄程度の小さな筐体に収納されるとは誰も想像していなかった。しかし08年以降、高機能電話はスマートフォンに王座を奪われてしまった。

 
 初代ムーバの開発に携わった4社のうち、三菱電機が真っ先に携帯電話事業から撤退した。08年のことである。最古参のNECも今年度で新規開発をやめ、17年には生産も終える。パナソニックは13年にスマホ事業から撤退、高機能携帯に集中している。富士通のラクラクホン、ラクラクスマホだけが元気でいるのが頼もしい。

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IoT(モノのインターネット)が新時代の標語である(2015年5月20日)

2015年05月20日 | 随筆

桑原名誉顧問からの投稿

IoT(モノのインターネット)が新時代の標語である (2015年5月20日)

 
 IT(情報技術)ではクラウド、ソーシャル、ビッグデータなど耳慣れない言葉が出てきて面食らうが、最近流行りのIoT(Internet of Things)も分かり難い略語である。パソコンやスマホが人間の意志でインターネットに接続されるのに対し、IoTのモノは自分自身でインターネットにつながり仕事をする。自動販売機が自分の在庫をチェックして不足分をコンピューターに補充を要求するM2M(マシーンツーマシン)機能からさらに発展した概念である。

 
 IoTのモノには通常ICタグ(ネットにつなげる無線機や情報を読み書きするICが付いたタグ)が組み込まれることが多い。バーコードを読み取るように、専用の機械で数mの範囲にあるICタグを瞬時に読み取ることができる。

 
 米IBM、マイクロソフトや富士通などIT企業はIoTをこれからの事業の柱に据えている。新たに登場してくるデバイスやセンサーがネットを通してクラウドコンピューターにつながる。ファーストリテイリングは今夏にも来店客がICタグの付いた商品を自分で清算する無人レジを導入するという。レジ対応に追われていた店員が接客にむけられ、また数万点もの膨大な商品管理が可能になるなどメリットが多いが、IoTは個人情報流出など新たな脆弱性を生むと懸念する声もある。

toukou-2015052001

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任天堂がスマホゲームへ参入、株式時価総額が1兆円も増えた(2015年4月24日)

2015年05月20日 | 随筆

桑原名誉顧問からの投稿

任天堂がスマホゲームへ参入、株式時価総額が1兆円も増えた (2015年4月24日)

 
 歴史と伝統のある企業とインターネットやモバイルとともに生まれてきた新興企業との統合は、昨今の世界、特に米国と日本では日常茶飯事である。任天堂とDeNAの業務・資本提携もその好例である。
toukou-2015042401

 
 任天堂は1889年に花札の製造から始まった。娯楽品を商売とする会社では最古参である。一方のDeNAは津田塾大学を卒業しハーバードのMBAも取得した才女が1999年に創設した。両社には100年の差がある。
toukou-2015042402

 
 任天堂は80年代の家庭用ゲーム機およびゲームソフトの発売により爆発的に売上高、利益を伸ばした。株価も急上昇し、08年には株式時価総額が10兆円を突破して日本ではトヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループに次ぐ第3位となった。しかしその後ゲームの主役がスマホに移るとともに業績が悪化し、12年にはついに赤字に転落した。3期連続の営業赤字に直面して、さすがの任天堂も今まで否定的であったスマホゲームへの参入に踏み切ったのである。

 
 DeNAはネット・モバイルのポータルサイトを運営する会社である。12年に横浜ベイスターを買収するまでは、その名前も知らぬ年配者が多かった。DeNAの売上高は年間2000億円に過ぎず任天堂とは雲泥の差がある。しかしDeNAとの提携により任天堂の株価が急伸、時価総額が1兆円も増えたから、その効果は大変なものだ。急速な技術革新の時代を象徴する事件であった。

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