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かねうりきちじの横浜・喫茶店めぐり

珈琲歴四十年の中の人が、珈琲豆荷揚げ量日本一を誇る横浜港のある町の喫茶店でタンザニア産コーヒーを飲み歩きます

仲良く並んで・・・~久しぶりの法隆寺⑧

2012年11月10日 | 旧ブログ記事(文化財関係)
昨日の食堂の写真では写っていませんが、実はすぐ前にもうひとつ、建物が建っています。

細殿(ほそどの)と呼ばれる建物です。

 左が食堂、右が細殿。

反対側から

ご覧のように、2つの建物は軒を接しています。

奥行きは違いますが間口は同じ。


南から見るとこんな感じ。柱と柱の間の寸法も同じです。

それは食堂と細殿、ふたつでひと組となるからです。

こうした建物を双堂(そうどう、ならびどう)といいます。

食堂はお坊さんが食事をする場所ですが、仏像も安置されていて、儀式も行われます。

仏像が安置されているので、そんなに多くの人が食堂には入れません。

慧日寺の復原金堂の時に説明したましたが、そうした場合、その建物の前面の空間も使われます。

これを庭儀(ていぎ)といいますが、雨などが降ればやっかいです。

そこで、間口が同じ建物をもうひとつその建物の前面に作ることもありました。

ですので、前面に作られる建物は至ってシンプル。



両側面に壁はありますが、それ以外に壁はありません。

あれば、細殿に控えている人は、食堂の本尊を目に出来ませんから。

細殿は鎌倉時代に再建されたもので(食堂は奈良時代のもの)、その前はもっと軒が接していたようで、雨樋でつながっていたようです。

簡単にいえば、双堂の2つの屋根の上に別な屋根を架けたのが野小屋(のごや)で、その一番古いのが大講堂。

これによって、長者ヶ原廃寺跡・本堂跡のような中世仏堂という奥行きの深い建物ができるようになったのです。