すっかり、更新ペースが中年夫婦の「夜の生活」の頻度並みととなっている拙ブログ。もはや、僕とマラソンとの関係が「倦怠期」を迎えているのかもしれない。それでも、まだ年末恒例の「マラソン大賞」はこうして発表できる。これさえ出来なくなった時は、僕とマラソンとの間に「熟年離婚」が成立した時である。僕らは決して「仮面夫婦」ではないはず。
◎功労賞 野口みずき
引退した日本代表選手に授与する賞。今年は、やはり、アテネ五輪金メダルのこの人。選考がもめにもめたアテネ五輪女子マラソン代表は今思えば、「史上最強」だったのだとしみじみ思う。世界陸上のメダリストが2人、あと1人は四位入賞、そして補欠も世界陸上メダリスト、前回の金メダリストを外さざるを得ないほどの層の厚さだった。正直、彼女がこんなに長く現役を続けられるとは思わなかった。五輪で金メダルを獲得した後も、積極的にレースに出場するところは「戦うマラソン女王」というニックネームがふさわしかった。
「走った距離は裏切らない。」
という名言を残したが、北京五輪の前にはその「走った距離」に逆らわれたようだった。
引退後、突然結婚を発表し、現在は上海に在住というのもこれまでのランナーにない、変わり身の早さだった。
◎特別功労賞 水久保美千男
1982年ニューデリーアジア大会のマラソン代表だった方だが61歳の若さで亡くなられた。早すぎる死である。父親もランナーで九州一周駅伝に出場、息子も出場して「親子三代出場」も話題になった。ご冥福をお祈りします。
◎話題賞 永山忠幸 原晋
五輪イヤーであり、今年もまた、代表選考が物議を醸したのだが、その中心にいたのがこの2人。福士加代子の大阪国際女子マラソン優勝に対して、「内定が出ない。」と陸連に噛みついたのが彼女を指導する永山監督。しかし、「内定を出さない。」というのは、陸連が明文化していた基準である。それをきっかけにいつものように、マスメディアは陸連批判の大合唱。僕には「思考停止」としか見えなかった。とにかく、陸連を叩いておけばそれで良しという報道にはうんざりした。福士の大阪での快走から得た感動を見事にぶち壊された。
青山学院大学を箱根駅伝の強豪校に成長させた原監督。名指導者というだけでなく、マスコミを味方にするのも巧い。日本勢が不振に終わった東京マラソン、日本人2位に自分が指導する青学大の学生が入ったことで、「育成枠としての出場」を主張。どう考えても受け入れるはずのないこの主張を一部のマスコミが面白がって取り上げ、
「箱根ランナーが五輪を走るのを見たい。」
などと、盛り上げた。
テレ朝の「モーニングショー」のコメンテイターの玉川徹氏も、
「レースの前に決めた選考基準を、レースの後、自分の身内が好成績を挙げたから変えろなんてことが通じるんですか?」
と語っていたが、まさにその通りで、こんなものが「大胆な提言」なのか?正直、この一件でこの監督には失望させられた。「営業マン出身」ということで持ち上げられていたけど、「営業マン」というのは、基本的に「自分たちの利益しか眼中にない人」のことですよ。
ところで、この両監督には共通点がある。ワコールも青山学院大も、同じメーカーからシューズやウェアを提供されている。この問題の背景にはやはり、大手広告代理店が絡んでいるのではないかと邪推した。
◎審査員特別賞 猫ひろし
カンボジアに国籍を変更してロンドン五輪に出場しようとしたタレントの猫ひろし。彼の五輪チャレンジについては、拙ブログでも週刊誌報道を引用しながら、批判的に取り上げた。それから四年間。一部では日本国籍に戻るかという噂もあったが、東南アジアの大会にカンボジア代表として出場を続け、2年前にはアジア大会にも出場。そして、今回、リオ五輪にカンボジア代表として出場を果たし、2時間45分55秒、139位で完走した。男子マラソンの高視聴率は彼のおかげという説まで出た。
もはや彼に望むのは、カンボジアで若いランナーの育成を目指して欲しい。彼によって、「自分もマラソンを走ってみたい。」と思った若者は少なからずいるはずだ。彼らの夢を叶える仕事をして欲しい。自分が指導を受けたコーチの指導を受けさせたり、日本の大会に出場させたりといろいろ出来るはずだ。国際千葉駅伝が今も存続していれば、彼が監督を務めるカンボジア代表チームのエントリーもあったはずである。
以下は第2部へ。
ここで、お詫び。近年、マラソンに対する目配りが足りなくなっていて、昨年のマラソン大賞の「功労賞」にアジア大会銀メダリストの北岡幸浩を選出するのを忘れていました。1年ぶりに追加させていただきます。
◎功労賞 野口みずき
引退した日本代表選手に授与する賞。今年は、やはり、アテネ五輪金メダルのこの人。選考がもめにもめたアテネ五輪女子マラソン代表は今思えば、「史上最強」だったのだとしみじみ思う。世界陸上のメダリストが2人、あと1人は四位入賞、そして補欠も世界陸上メダリスト、前回の金メダリストを外さざるを得ないほどの層の厚さだった。正直、彼女がこんなに長く現役を続けられるとは思わなかった。五輪で金メダルを獲得した後も、積極的にレースに出場するところは「戦うマラソン女王」というニックネームがふさわしかった。
「走った距離は裏切らない。」
という名言を残したが、北京五輪の前にはその「走った距離」に逆らわれたようだった。
引退後、突然結婚を発表し、現在は上海に在住というのもこれまでのランナーにない、変わり身の早さだった。
◎特別功労賞 水久保美千男
1982年ニューデリーアジア大会のマラソン代表だった方だが61歳の若さで亡くなられた。早すぎる死である。父親もランナーで九州一周駅伝に出場、息子も出場して「親子三代出場」も話題になった。ご冥福をお祈りします。
◎話題賞 永山忠幸 原晋
五輪イヤーであり、今年もまた、代表選考が物議を醸したのだが、その中心にいたのがこの2人。福士加代子の大阪国際女子マラソン優勝に対して、「内定が出ない。」と陸連に噛みついたのが彼女を指導する永山監督。しかし、「内定を出さない。」というのは、陸連が明文化していた基準である。それをきっかけにいつものように、マスメディアは陸連批判の大合唱。僕には「思考停止」としか見えなかった。とにかく、陸連を叩いておけばそれで良しという報道にはうんざりした。福士の大阪での快走から得た感動を見事にぶち壊された。
青山学院大学を箱根駅伝の強豪校に成長させた原監督。名指導者というだけでなく、マスコミを味方にするのも巧い。日本勢が不振に終わった東京マラソン、日本人2位に自分が指導する青学大の学生が入ったことで、「育成枠としての出場」を主張。どう考えても受け入れるはずのないこの主張を一部のマスコミが面白がって取り上げ、
「箱根ランナーが五輪を走るのを見たい。」
などと、盛り上げた。
テレ朝の「モーニングショー」のコメンテイターの玉川徹氏も、
「レースの前に決めた選考基準を、レースの後、自分の身内が好成績を挙げたから変えろなんてことが通じるんですか?」
と語っていたが、まさにその通りで、こんなものが「大胆な提言」なのか?正直、この一件でこの監督には失望させられた。「営業マン出身」ということで持ち上げられていたけど、「営業マン」というのは、基本的に「自分たちの利益しか眼中にない人」のことですよ。
ところで、この両監督には共通点がある。ワコールも青山学院大も、同じメーカーからシューズやウェアを提供されている。この問題の背景にはやはり、大手広告代理店が絡んでいるのではないかと邪推した。
◎審査員特別賞 猫ひろし
カンボジアに国籍を変更してロンドン五輪に出場しようとしたタレントの猫ひろし。彼の五輪チャレンジについては、拙ブログでも週刊誌報道を引用しながら、批判的に取り上げた。それから四年間。一部では日本国籍に戻るかという噂もあったが、東南アジアの大会にカンボジア代表として出場を続け、2年前にはアジア大会にも出場。そして、今回、リオ五輪にカンボジア代表として出場を果たし、2時間45分55秒、139位で完走した。男子マラソンの高視聴率は彼のおかげという説まで出た。
もはや彼に望むのは、カンボジアで若いランナーの育成を目指して欲しい。彼によって、「自分もマラソンを走ってみたい。」と思った若者は少なからずいるはずだ。彼らの夢を叶える仕事をして欲しい。自分が指導を受けたコーチの指導を受けさせたり、日本の大会に出場させたりといろいろ出来るはずだ。国際千葉駅伝が今も存続していれば、彼が監督を務めるカンボジア代表チームのエントリーもあったはずである。
以下は第2部へ。
ここで、お詫び。近年、マラソンに対する目配りが足りなくなっていて、昨年のマラソン大賞の「功労賞」にアジア大会銀メダリストの北岡幸浩を選出するのを忘れていました。1年ぶりに追加させていただきます。
野口みずきさんへの「功労賞」は当然ですね‼️'04年アテネ五輪金メダルは勿論の事,'03年世界選手権パリ大会銀メダル(このレースをテレビで生中継したTBSの視聴率はビデオ・リサーチ社調べに拠ると関東地区で30・1%を記録し,過去全ての世界選手権全体の最高視聴率として残っています‼️)や,'03年大阪国際女子の大会記録・2時間21分18秒は実に14年目に入り,
アテネ五輪後初マラソンとなった'05年ベルリンでマークした日本記録・2時間19分12秒も12年目に入り,'07年東京国際でマークした大会記録・2時間21分37秒は「不滅の大会記録」となりましたね‼️アテネ五輪で金メダル獲得後に語った「走った距離は裏切らない(アテネ五輪前のスイス・サンモリッツ合宿では実に『35日間で1350kmを走破』するという驚異的な猛練習でしたね‼️)」と言う名言は今でも強烈な印象に残っていますよ‼️野口みずきさん,長い間お疲れ様でした‼️