エクストリーム四十代のかもめ日記

野球を中心に、体力気力に任せて無茶をしがちな日常を綴る暑苦しい活動記。

最後の「としまえん」

2020-08-30 15:53:37 | 日記
梅雨時にガラガラにすいてる「としまえん」に行って、それなりに
お別れをしてきたつもりでいたのですが(当ブログ別記事「としまえん
フォーエバー」参照)、閉園が近づくにつれてさびしそうな私の様子を
見て、ダンナがチケットを取ってくれました。
(この夏の「としまえん」は事前予約制)
8月27日木曜日、会社の「夏休み」を取って、本当に最後の
「としまえん」に足を運んできました。

開園は9時、乗り物等が動きだすのは10時から。
「開園と同時に来る人がそこそこ掃けていて、乗り物目当ての人が
まだ来てないくらい」を狙って9:40頃に「豊島園駅」着。
今、会社がコロナで始業遅らせてるから、始業時刻より早いよ。
入園に当たっては、予約画面を見せてチケット発券を受けなければ
ならず、まずはチケット売り場に並びます。電車到着からしばらくは
混み混みになるチケット売り場…、これ、ちょっと時間をつぶして
電車の到着時刻の合間になるタイミングに来れば楽ちんなのよね。
それがわかっているのに、せっかちなのでそのまま並びます。
「ネット予約の方は発券が必要なので、チケットカウンターにお並び
ください」と係員が叫んでるけど…
個別の小屋になってる「チケット売り場」に並ぶのであって、この
小屋がぽつぽつ独立して並んでいる状態を「チケットカウンター」と
言われたら客にはわかりづらくて困るよね。「ネット予約カウンター」
が別途あるのかと思うじゃん。
元従業員、しかも広報マンだったり宣伝マンだったりしたことのある
私としては、「スタッフだけがわかって顧客目線でない」語句の
使い方にめっちゃイライラして並んでいました。
しかも列の流れがやたら遅い。窓口が近づいてきたら、どうやら
「乗り物に乗るには云々、〇円追加で一日券が…」などの案内を
している模様。昔は園内で入園後に乗り物一日券が買えたはずだが、
今、そのシステムはないのか? あればそんな案内はひと言で済むの
だが…。普段ならそこまでイライラしないところ、微妙に密な環境で
子供たちがマスクなしで叫んで走り回る中にいるのでギスギスしつつ
時間を過ごしました。
こんなコロナの環境でなく、もっと心穏やかに見送りたかったよ…

入園後、入り口付近で何枚か写真を撮り、まずはおみやげ屋さんに
ダッシュ。帰り際に行くと混むだろうから、荷物は増えたとしても、
すいているうちに買っておきたい!
遊園地の中が動きだすのは10時からなので、おみやげ店もまだ
開いていません。フライングパイレーツ2階(これは従業員向けの
表現かな)で「としまえんの歴史展」みたいなのがやっているという
表示を見て様子を見に行くと、それは11時からでした。
そうしてうろうろしているとおみやげ店の前に行列ができはじめた
ので列につきます。ダンナは今日、基本的にはただの付き添いなので、
ベンチで休憩中。開店と同時に、一人財布を握りしめて店内へ!
ええ~、「としまえんみやげ菓子」ないのかよ。
もともとあんまり大したみやげ菓子はなかったし、もう閉園するから
順次在庫がはけたら終わりにして、改めて作らなかったのかもだけど、
「としまえん行ってきたのよ、これおみやげ…」って周囲に配って
しみじみしたかった人たちはたくさんいたと思うんだけどなああ!!
1つだけあったけど、外装だけ「としまえん」の包み紙で、中身は
何の焼き印もなく、切り分けてむきだしで配るしかないような
チーズケーキだったので、当然買いませんでした…
他のグッズもなんともびみょー。「としまえん」らしいんだけど、
最後の最後、みんなの思い出になる、もっといいグッズを企画する
ことはできなかったのかなあ…。退職するんじゃなかった!

それでも7千円くらいは使って、おみやげはもうこれでやむなし。
(「満足」じゃなくて「やむなし」なのがほんとにもう!!)
そして次は、前回「あじさい園のみ」の時に来たのでいっさい
乗れなかった乗り物にGO! とはいっても、落下する乗り物と、
小さいゴンドラで上空を飛ぶ乗り物が全部ダメだけど(笑)
超大好きで、この時刻なら絶対すいてるのが「ブラワーエンジン」。
真っ先にそこに向かいます。8の字型のレールの上をちょっとだけの
アップダウンでぐるぐる回るだけのローラーコースター。スリルは
あるけど全然怖くなくて超楽しい!
次は「昆虫館」。あじさい園の奥にあるから、前回もものすごく中に
入りたかったんだ。私にとって、「としまえん」は「アフリカ」と
「昆虫館」が本体だな~。
ダンナをベンチで休ませ、昆虫館に一人で突入。
この大量のナナフシ(群生色になっちゃってる)とか、どうするんだ
ろう。野に放つわけにもいくまいに。珍しい昆虫なんかは行き先が
見つかるかもしれないが、地味な昆虫たちの未来が心配…
ゴキブリの展示は近づく前に遠くよけて、カブトムシやクワガタを
触って遊ぶ子供たちの邪魔をしないよう遠巻きに眺めて退出、最後の
おみやげエリアで「としまえんのもり昆虫館」という文字の入った
ヘラクレスオオカブトとギラファノコギリクワガタの写真缶バッジを
買いました…が!!
レジのすぐ横に、ゴキブリのシール置かないでよ!!!
昆虫大好きな私、これだけはダメ!! そりゃあ、昆虫が好きで
昆虫館に来てるくせにゴキブリ苦手とかおかしいけど!
いろんなゴキブリがプリントされたシールが怖くて怖くて、レジから
できるだけ離れて腕を伸ばしてお金を払いました。

11時を過ぎて、混む前に…とレストラン「カリーノ」に行ったら、
すでに大行列。とりあえず席は取れたので、悩んだけど並ぶことに
しました。しかし…マスクをしてない子供たちがわあわあ大声で
叫び散らしながら周囲を駆け回る環境で30分以上待つことになり、
ものすごいストレスが…。「ストレス」で留まっていればいいけど、
これで感染とかしたら目も当てられない…。
建物の外まで列がはみ出ていて、やっと建物の中に入ったら足元に
ソーシャルディスタンスの赤テープで間隔を取るようガイドが貼って
あるんだけど、その隙間にメニューのボードが置いてあるものだから、
せっかく間隔を空けて並んでいる人と人の間に、子供連れの母親が
メニューを見にやってくる。もちろん子供はマスクなし。どれにする、
これにする、なににするーと、人と人の隙間に詰まってしゃべり合う
親子。中にはぱっとスマホで写真を撮っていって、それを遠くで見て
くれる気の利いた親子もいるんだけど…。
昔なら多少は自分の免疫に自信があったけど、今は私、免疫弱者に
あたるので恐怖しかない。ダンナを席に座らせておいてよかった。
さらに、大行列なのに「席を取ってから並んでください」という
システムなのでたいがいの席が「誰も座っていない荷物置き場」と
化している。レストランのテーブルとして機能していない。
これ無駄すぎでしょー。食べてる席の周りにはほとんど人がいなくて、
超ソーシャルディスタンスがとれてるけど…
トレーと食器を戻しに来てもらえれば外のベンチで食べていいよと
アナウンスして、「大行列なのにテーブル超ガラガラ」の状態は
なんとかすればいいのに…。
精神的にピリピリして40分以上並んだのですっごい疲弊したー!

ダンナが「アンガス牛のステーキ」私が「夏野菜カレー」を食べて、
デザートのプリンとドリンクと合わせて計4千円くらい使いました。
でもなんか…すぐ近くの通路に私たちのほうを向いて知らない女子が
立ち尽くしてずっとスマホをいじってる…。10分も20分も…。
気味が悪いな~と思ってたら、つまりは私たちの席が空くのをじっと
待っていたらしい。食事中からずっとすぐそばで立って待たれるの、
すごい圧迫感だし、無言で様子窺われるのは気味が悪い…。
見回すと、私たちのところだけでなく、各所、食べているテーブルの
近くには、トウゾクカモメが他の鳥の卵やひなをその巣のそばで狙う
ように虎視眈々と、空くのを待つ人たちが立ち尽くしていました。
とりあえず荷物を残して食器を下げて戻ってきたら、もう場所取りが
されてるし。まだ私らの荷物があるのに…一声かければいいじゃんよ。
とにかく、全般的にストレスの溜まるレストランでした…。

なんかつくづく、梅雨時、しかも雨の日、すいている時に来ておいて
よかった…。全然感傷にひたれない。
ガラガラの「カリーノ」でしみじみ名残を惜しんでおいてよかった。

「カリーノ」を出て、同じ建物の2階でやっていた「としまえんの
卒業アルバム」と称した歴史展に行きました。入るなり、奥の方に
元上司がいるのを見つけました。退職してからも来園する3回に1回
くらい遭遇してた人だからそこまで懐かしくないけど。
実は展示の数々は仕事でよく見ていた過去の代表的な写真ばかりで、
そんなにじっくり時間をかけないでさらりと見ていきました。
でもこれも、コロナじゃなければもっとだらだらしたんだろうな~。
ぐるっと回って元上司のところに来たので、隙を見て声をかけました。
マスクしてるし、髪型が全然違うから私だとわからなかったかも
しれないな。でも「また、あいつか」と声とノリでわかったかな。
出口近くに「ねりま区報」の「ありがとうとしまえん特集号」が
積んであったので3部もらいました。

「じゃあ、帰ろうか!」とダンナに言ったら「いいの? 西武線に
乗りたいんじゃなかったの?」…ううむ、確かに。
わりと最近できた「チャレンジトレイン」っていうのがあって、
これが「自分で運転できる、西武鉄道の車両を模したミニ電車」
なんですよ。なんかかわいいちっさい西武鉄道に乗れて楽しそう!
それを知って「いつか乗りたい、楽しそう」と言っていたのですが
なんかもう落ち着かなくて帰りたかった…。
ほんと、コロナの年じゃない時に閉園してほしかった…。
で、やっぱ最後だし、「チャレンジトレイン」にも乗りに行きました。
でもやっぱ、列のすぐ後ろの親子連れの父親がマスク外して大声で
しゃべってる。つばがかからないように列を少しずれたら、待機列の
ソーシャルディスタンステープの1つ分、前に詰めてくるし…そこ、
今私たちが並んでいる位置なんだけど…
「マスク外したまましゃべってらっしゃるのをよけるためにずれた
だけで、今、ここ、私たちの位置なんで、詰めないでもらえますか」
文句を言って戻ってもらう。てゆうかしゃべるならマスクしろよ!
子供連れだらけの人混みとかもうほんと無理だ。怖すぎる。
日々、池袋と新宿を通って通勤してるし、過度にコロナに怯えては
いないつもりだけど、「自分たちが楽しいことが全て」な人たちは
このコロナ禍の下では心底恐ろしい…。

そんな環境で15分ほど待ち、もうすぐ私たちの番が来ます。
車両は5つくらいあるんだけど、メーテルのラッピング電車は嫌!
ふつうの西武線がいい! でもこのままいくと我々はメーテル…。
前の親子連れが二手に分かれるの分かれないのと言い合っている
ようです。男の子が一人で乗りたいと言い、どうするか迷っている
模様? 常識的で安心なご家族のようだったので、声をかけさせて
もらいました。
「あの、できれば私たち、メーテルの車両は避けたいので、もし
差し支えなかったら、ぜひ二手に分かれて乗ってください」
列の後ろの人に気を遣ってたら、気にしないで分かれておくれ!
お父さんは「ああ、分かれます、分かれます」と答えましたが、
一人で乗りたい男の子は小さいので、お父さんと一緒になる形で
二手に分かれて乗車していきました。よーしメーテル回避!
それで「各駅停車 豊島園行」に乗ることができました!
運転のスコアが出るらしいのですが「いや~、走るだけでいいよ、
そういうの面倒だよ」とか言って乗ったのに、いざとなったら
「停車ばっちりだ!」「警笛、警笛」「やった~、最後、到着時刻、
ピッタリ完璧だ~」と大マジに運転士をやってしまいました。
「各駅停車 豊島園行」に乗れた! 超うれしい!!!

これでもう未練はないかな。カルーセル・エルドラドは十重二十重の
行列だし、模型列車も戻るとけっこう歩くし…うん、帰ろう。
そして園内を歩いていくと、同期の生き残り従業員の彼を発見!
梅雨時にお別れを言いに押しかけたけど、また会えてよかった!
あと、園内の掲示で、もう1人技術系の同期の男子がまだ従業員で
残っていたことが判明してたんだけど、そっちは会えませんでした。
機械のメンテナンスの担当だから、日中の園内では仕方ない。

園内の橋を渡って、出口近くの広場に戻ってくると…
さすがにちょっと泣けました。
もう、「としまえん」はなくなっちゃうんだなあ…。
次に来たとき、ここに「としまえん」はないんだなあ…。
コロナのせいでいろいろストレスの溜まる訪問となってしまったの
ですが、やっぱり、あと数日のこの時期にも来てよかった…。

せっかくたくさんの人が名残を惜しんで来てくれているのに、混んで
いると「無頓着で周囲を気にしなすぎる人」と「感染を避けるため
努めて身を守ろうとする人」に分かれて、後者にはストレスが溜まる
ことになる…悲しいことです。
こんなお別れになるなんて。「3年後に閉園」みたいに、お別れの
期間を長くとってほしかった……。

豊島園駅を離れていく西武鉄道の揺れを感じながら、なんとなく
疲れた心身を休めるために目を閉じて、それが思い出のラストシーン。
最後の訪問が愚痴と文句ばかりなのもアレだよな…と思いつつ、
行きたくても行けなかった人には「それもまた正解」と言えるので、
そのまんま、愚痴っぽい「としまえん」訪問記をアップします。
しみじみ感傷にひたれた梅雨時の訪問の記憶と合わせて、心を整理
していきたいと思います。
私の人生の礎となってくれた「としまえん」、本当にありがとう。