エクストリーム四十代のかもめ日記

野球を中心に、体力気力に任せて無茶をしがちな日常を綴る暑苦しい活動記。

2015年、ヤクルト優勝を見るまでの長い物語

2020-01-17 15:33:07 | プロ野球
2015年9月27日日曜、ヤクルトのマイラブリーちっちゃいエース・
石川雅規(カツオくん)が獅子奮迅の活躍を見せて、ヤクルトにとうとう
マジック3が灯り、ヤクルトファンじゃない私にとっての、
ヤクルト優勝を目指す長い物語が始まりました。

巨人の「柱」(この程度で「巨人のエース」は名乗らせねえ)菅野から、
熱があったのに自分で技ありタイムリーを打ち、勝ち投手になった
カツオくんに感涙。なんてカッコいいんだ、この人。
どうしてもこの人の優勝を見なければいられない。

この時点で、9月29日火曜と、10月1日木曜(本拠地最終戦)の
神宮のチケットを持っていました。(30日は試合なし)
27日でマジック3ということは28日月曜(試合あり)の優勝は
ありません。で、続く2試合のチケットは確保してあります。
つまり優勝試合を観戦できる可能性100%じゃないですか!
しかも私って神宮球場・ヤクルト勝利の女神だし!
(2015年はこの時点で神宮観戦10戦中9勝1敗、勝率9割だった)
もうこれ絶対、優勝試合生観戦になるって!

28日月曜、ヤクルトは勝ち、巨人は負けた。マジック1!
私がチケットを持つ9月29日に、このマジックはきっと0になる。
石川雅規の優勝に立ち会える。神様ありがとう…

9月29日、火曜日。
カウントダウン――ラスト・1!(神宮球場のアナウンスふうに)
実は、私がこの日のチケットを持っているのは、9月16日の
セブンイレブンデッキシートを取れたのに手続きをし損なって、
キャンセル扱いになってしまってめっちゃ落ち込み、それでも
「野球に行ってみたい☆」と言っていたアシスタントの女の子を
なんとか連れて行ってあげるために今年の残りの日程からなんとか
チケットを取った結果だったのですよ。
あの日の「せっかくチケット取れたのに私のバカ」という落ち込みも、
野球の神様が用意してくれた巡り合わせだったのね…。
私が神宮球場に多くの「野球興味ないけど野球場でお酒を飲むとか
やってみたい♪」というお客さんをいざなったごほうびに違いない。
 
この日のメンツは、ダンナと、会社の後輩(山田哲人推しの
にわかヤクルトファン女子)と、アシスタントの女の子が一緒。
チケットを4枚取ってしまったから、ダンナはメンツの穴埋め。
女子3人で会社から定時ダッシュでタクシーで乗りつけ、内野の
だいぶ上のほうの席につきました。
3回裏に山田哲人のタイムリーで先制。が…
5回表、広島・丸のホームランで同点…。その後エルドレッドの
2ランで突き放される…。
7回裏、またも山田哲人のタイムリーで1点差に詰め寄るも、直後の
8回表には野間のタイムリーでまた2点差に… 
そして、試合はそのまま終わりました。優勝は見られませんでした…。

だが! 私は10月1日のヤクルト戦のチケットも持っているのです!
残念ながら2枚だけなので、連れて行けるのは一人だけ。
その場でにわかヤクルトファンの後輩に「明後日の試合のチケットもあるが、
行くか」と聞いたら「行きます行きます」と大喜びでした。
ダンナとアシスタントちゃんには悪いけど、ヤクルト愛の強い順でね。
ってなんで私がヤクルト愛になっとんねん。

9月30日、セ・リーグはお休み。
さあ――10月1日木曜日、神宮球場へ!…のはずが、天気予報は雨。
私の晴れ女伝説が…
あっ、この後輩女子と野球の予定を組んだ半分以上が雨だった!
雨女に勝つには晴れ女が3人必要らしい。くうう。
会社では「29日優勝見られなくて残念だったね」「いや~実は、
10月1日のチケットもあるんです」という会話をしていたため、
皆がこの日の雨天中止を心配してくれました。温かいね職場。
神宮で優勝するためには雨でも10月1日の試合を強行するはず…と、
思っていたのですが。
15時ごろ、「10月1日の試合は中止に決定しました」の報が…
うそ~。広島か東京ドームで優勝決められちゃうよ…。
(なお東京ドームのヤクルト戦のチケットは一週間以上前に完売だった)

「優勝が見られない…」と肩を落とす我々。
だがなんと! 代替試合は翌2日に強行するという報が!?
でも「10月1日15時、試合中止決定」なのに、翌日のチケットは
どうやって売るの?
そしたら会社の阪神ファンがスマートフォンを手に私のもとへやってきて、
振替試合の詳細を知らせてくれました。
朝9時からネット発売(クレジット決済のみ)、各種プレイガイドは午後。
当然普通に出勤したら買えない。そんな…。
29日と1日のチケット持ってたのに優勝見せてもらえない…
29日と1日のチケット、あったのに…

「明日チケット買うために遅れて来たりしてね」と冗談を飛ばしつつ帰宅。
帰る途中にプレイガイドに立ち寄り、状況を聞くと「ここでの発売は
午後からなので、公式サイトやチケットサイトの販売で売り切れる可能性が
高い」と説明されました。そうね…やっぱ、ネットで取るしかないよね…。

10月2日。会社に「私用で1時間遅れます」と連絡を入れて、ダンナと
2人でパソコンの前にスタンバイ。何の「私用」か絶対バレてるよ。
私はヤクルトの公式サイト「スワチケ」、ダンナは各種プレイガイドで
その日のナイターのチケットを漁りました。
スワチケは全然ダメ。私が七転八倒していると、ダンナから「とれた、
外野自由席だけど大丈夫?」との吉報が!
仕事後に行ったら立ち見の場所さえないかもだが…
とにかく「その場」にいたい。自由席だっていい。行くさ!

間違いが起こらないように即座にチケット2枚を引き換えて、1時間遅れて
会社に着いたら、同伴予定の後輩が「私は早退してもいいです」と訴えに
来ましたよ。
そうか、彼女を早退に付き合わせられないと思っていたが、思いは一緒か…。
私は彼女を立派なヤクルトファンに育てきったなあ…

16時半、私と彼女は「私用」と称して会社を早退しました。
周囲の人たちが「急ぎのものあったら頼んでね」など超協力的。
もはや班全体の大イベントのようになっていました。ありがたいことです。
でも、冷静に考えると、私一人どころか部署で二人も球場行きのために
とんずらとか、ダメすぎだと思う…

17時前に球場に到着。球場周辺がガラガラにすいていて驚愕。
日にちを間違えたかと超不安。こんな重要な試合、千葉マリンだったら
かなり早い時間から人の渦でごったがえしてるけど…
球場に入ると、外野席は半分くらいしか人が座っていなくて、代わりに
大量の場所取りがされていました。1人2人が席取りに来て、後の人は
仕事後に駆けつけるパターンか。優勝決まる試合だっていうのにまあ、
都心の球場だから、ぬるいわあ…
早く来たので、一応場所取りの隙間に席は取れました。2人で横並びは
無理だったけど、斜めの位置で。もちろん後輩を前にしてあげました。

普段の神宮球場は、ヤクルト×阪神なら客のかなり多くが阪神ファンに
なるのですが、チケットの取りづらい緊急振替試合のおかげで、
球場の客90%以上がヤクルトファンでした。
レフトスタンド(阪神応援席)はかなり空きだらけなのに、
ライトスタンド(ヤクルト応援席)は大混雑で立錐の余地もない状態。
普段なら1万数千人のヤクルトファンしか優勝を見られなかったのに、
雨天振替のおかげで3万人のヤクルトファンが優勝を見られるかも
しれないのか…と、しばし感慨にふけってスタンドを眺めました。

試合は、ヤクルトが1回裏の1点をずっと大事に守って進みましたが、
8回表に阪神に追いつかれ、まさかの延長戦に突入。
マジック対象チームの巨人は勝ったので、優勝するには勝つしかない。
でも「巨人が負けたから優勝」にならなくてよかった。
勝って優勝を決めたい!!
10回の表裏、11回の表が終わり、11回裏…
ここまでに何回の決定機を逃したか。もういい加減、決めてほしい…。
先頭の川端がヒットで出塁。沸きに沸く神宮。山田哲人はエンドランで
空振り三振するも川端は盗塁になり、生きる。さらに、阪神の捕手鶴岡が
悪送球して川端は三塁へ。1アウト三塁、決めてくれ!
代打田中浩康はライトフライ。2アウト。もう勝利の方程式の投手は
すべて使い果たした(浩康が10回、11回を投げたロマンの代打)。
ここで決めないと厳しい…
次の打者、雄平が打った打球はファーストの横をすり抜けて、
私たちの方向へまっすぐ転がってきた!!!
サヨナラ勝ち!!
優勝を決める打球が自分のほうへと向かってくる場面、感動だったなあ…。
狂喜乱舞するライトスタンド。私も「エア傘」(ロッテファンの誇りを
失わないため、ヤクルトの応援傘は持たず、素振りのみで済ます)で
東京音頭を歌い踊る。周囲の燕党とやみくもにハイタッチ。
おめでとう!! ヤクルト(というかカツオくん)の優勝に立ち会った!

そして、ヤクルト球団が球場内でビールかけをやってくれたので、
人生初、「優勝のビールかけを生で見る」という僥倖にあずかりました。
遠目とモニター越しながら、カツオくんも嬉しそう…。
よかったね、よかったね…。
なお女子は夜遅くなって電車が混むからと、ビールかけを少し見ただけで
帰っていきました。私は長い野球ファン人生でこんなハッピーな経験は
なかなかないから、最後まで見届けようと、神宮の熱狂に佇むのでした…。

だがしかし彼女が正解だった……………。後悔はしないけど。
新宿へ向かう総武線が、ただでさえ終電間近のぎゅうぎゅうタイムなのに、
15分だか25分だか遅れのせいで驚天動地の混みよう。
それでもなんとか隙間に詰まって新宿まで行くと、今度は山手線も遅延で
これまたありえない混みよう。終電間近だとこの戦争状態になるんだった…。
1本は乗れず、次の隙間になんとか詰まる。足場があるのかないのか、
アクロバットな状態で池袋へ。東上線の真の終電でやっと帰ってきた…。
家に着いたの深夜1時半。しんどかった~。

ロッテではないけど応援チームの優勝の瞬間を生で見られたうえに、
愛するカツオくんのビールかけまで生で見られて最高にハッピーでした。
カツオくん胴上げもされてたし。ほんとによかった。おめでとう!!

なお、一つだけ蛇足でオチをつけると、この時ヤクルトファンになったはず
だった後輩女子は、「でももう、この後、これ以上盛り上がることって
起こらないですよね」と言って、野球に満足して卒業してしまいました…。
うーん、確かに「1年だかファンやったら、生で優勝見ちゃった」となったら
その後はたいがい「それ以下」のことしか起こらないな…。
まあいっか、会社の後輩に楽しい思いをさせてあげられてよかった。

ロッテファンの私がヤクルトの優勝に感動するまでの、長い長い物語でした。