エクストリーム四十代のかもめ日記

野球を中心に、体力気力に任せて無茶をしがちな日常を綴る暑苦しい活動記。

DA PUMP・私の青い鳥~後編~

2020-11-19 02:13:34 | 音楽
(前回までのあらすじ)
w-inds.ファンをやめて長い迷路にいた私は、ダンナの導きで
DA PUMPという青い鳥に出会う。私の幸せはここにあった…
さらに、「U.S.A.」でDA PUMPが再ブレイク!
全てが輝く時間(とき)が訪れた――…?


さて、今回は、マニアックになりすぎて濃い~ぃファンにしか全然
わからない話になっていくことをお断りしておく。
でも書いておきたいので書く!

「U.S.A.」のヒットで、DA PUMPの実力が称賛され、ずっと
頑張り続けたISSAが称賛され、10年の下積みに耐えた新メンバー
も称賛され、DA PUMPをめぐる環境は幸せ一色になった。

もっともっとDA PUMPが聴きたい! 観たい!
ベスト盤の2、「DaBestOfDaPump2plus4」も
買った! 観た!(こちらもCD+DVD!)
…そこから、私は、DA PUMPの悲しい側面にも足を踏み入れる
ことになった…。

この2枚目のベスト盤の途中からDA PUMPはセルフプロデュース
になる。セルフプロデュース初期はまだ己の何たるかを把握できずに
迷走している感がある。
ただ…このセルフプロデュース初期のISSAがめぢゃぐぢゃ格好いい。
彼の見た目の一番素晴らしい時期が低迷期に当たってしまったのは、
日本の芸能界の取り返しのつかない損失だと思う。
そして…私はこのベスト盤のDVDで出会ってしまった。
DA PUMPのセルフプロデュースによる2つの最高傑作に。

まず流れてきたのは「GET ON THE DANCE FLOOR」。
(ちょっとイントロ長すぎだけど)こんなにも楽しく、メロディアスで
アーティスティックな映像&サウンドの融合があるのか。驚愕しすぎて
声も出なかった。驚天動地に素晴らしすぎた。
ネットになんぼでも上がっているのでぜひ観てほしい。
何を語っても万分の一も表現できない。百聞は一視聴に如かず。

この曲は大半がラップで構成されている。
「ラップ」という音楽は、初期w-inds.が慶太君の声変わりから
やむを得ず楽曲に取り入れるようになったために私も仕方なく耳にする
ようになったが、なかなか受け入れられなかった。だが、聴き慣れれば
「ああ、涼平君より龍一君のほうがラップが上手いんだな」など、
ちょっとくらいは良し悪しがわかるようになった。(涼平君スマン)
そんな私の転機になったのは2004年、SOUL’d OUTの新曲
「1000000 MONSTERS ATTACK」だった。
ラップサウンドのアーティスト・SOUL’d OUTなんて、まるで
興味なかったしラップは肌に合わなかったはずが、この曲はスペシャル
ハイパーにかっこよかった。
それでSOUL’d OUTのベスト盤が出た時にCD&DVD版を
買って今なお執拗に聴いている。SOUL’d OUTマジかっけー!
w-inds.が下地を作ってくれたおかげで新しい音楽に開眼できた。
そのお陰でDA PUMPの「GET ON THE DANCE 
FLOOR」の真の価値にも気づくことができた。本当にありがたい。

この「GET ON THE DANCE FLOOR」、リリース
された2004年当時、偶然耳にした記憶がある。
その時の私の感想は「DA PUMP、いい曲持ってたのに、なんだ
この『前の方』とか『後ろの方』とかいうテキトーな曲。落ちぶれた
ものだな」。
当時の私の耳はそもそも、根本的にラップを否定していた。
「1000000 MONSTERS ATTACK」のほんの1か月
後に発売された「GET ON THE DANCE FLOOR」…
出会ったタイミングが少しだけ早かった…

SOUL’d OUTのPVは、どれも凝っていてなかなかの出来。
でも…DA PUMPのこの「GET ON~」は、私が高評価して
いたSOUL’d OUTのPVの出来を、軽々と超えていた。
(そこはSOUL’d OUTがダンサーじゃないからアクションで
勝ちようがないのは当然。優劣の話じゃなくて、「DA PUMPは
そこにさらにダンスまでプラスされる」という意味)
「GET ON~」は、ダンサブルでコミカルで、「目から音楽が
心地よい」という稀有な体験をさせてくれる衝撃作だった。

すさまじいクオリティにあ然呆然の私を、さらなる衝撃が襲う。
1曲挟んで、その次の曲は「Like This」…
もうこれは異常。言葉で表現できない。
多分宇宙全体でこれを超えるかっこいいPV作れる人いないと思う。
わざわざブログで書いてるのに、言葉ではなんも伝えられない。
音楽性の高さ、ダンスのクオリティ、演出から何から全部カンペキ。
これが「セルフプロデュース」って、なんだこのグループ。

みんなの知らない存在になっていた時期のDA PUMPは…
人知れず、勝手に、驚愕の進化を遂げていた…

だが、究極進化を遂げたDA PUMPはここで潰えてしまった。
「なぜ、なんでこのものすごい音楽とダンスが日の目をみないどころか
これでDA PUMPが終わってしまうんだ!?!?」
作品の凄まじさを知るとともに、究極進化がこの2曲だけで終わって
しまったことに果てしない嘆きと悲しみと悔しさが湧き上がる。
そう多分、DA PUMPファンはこの2曲を知らない方が幸せだ。
この「Like This」リリース時にSHINOBUが事故を
起こして謹慎→休養→脱退となり、そこから4人のDA PUMPは
崩れていってしまう。
3人でやっていくはずだったが、やがてYUKINARIも脱退。
これについてはいろいろ情報が錯綜しているが、たった一つの真実は、
「親権はYUKINARIが取った」ということだ。もう語らないで
ほしいだろうから何も言わないが、すべてはここに集約されている。

SHINOBU…なぜ、なぜよりによって「Like This」の
時にやっちまったんだ…。そのことだけは、私は神を呪う。
そのために、このPVがほぼ「お蔵入り」になってしまった…。

ただ「GET ON THE DANCE FLOOR」をテレビで
実際に生で歌った(ラップって歌うって言うのかね?)時のVTRを
ネット動画で見た時に思ったことがある。
「ハイクオリティすぎて、ISSA以外が曲についていけてない」
セルフプロデュースなのに楽曲についていけてないって何!?
でもYUKINARIもSHINOBUも、KENさえも、「曲を
再現する」ことにいっぱいいっぱいだった。
あれは、自身の能力をも超えてしまった曲とPVだったのだろう。
であれば、「Like This」もそうなのかもしれない。
あの究極進化は、DA PUMPの実体を超えてしまって、PVの中
だけで実現できる幻の名作なのかもしれない。

だけどISSAは生で「GET ON~」余裕でできてるんだよな。
あの人やっぱ、おかしいわ。天才ってほんとに理解不能~

ただ…そんな超天才のISSAを、KENが一瞬だけ超えてみせた、
それが「Like This」という楽曲。
これは作詞・作曲:KEN、編曲:YUKINARI。
PVは、ISSAとのツートップにしてはあるが、メインになって
いるのは完全にKEN。それで何ら違和感はなく、かつ、ISSA
オンリーの私ですらKENがナンバーワンに仕上がっていることに
何の異論もない。あれはあれでこそカンペキだし完全に素晴らしい。

思い出す、羽生結弦が完全体の時に「彼を超えるのが目標」とガチで
言っていた宇野昌磨の姿…
ここに、羽生結弦を超えた宇野昌磨がいる。
誰が「顔良し歌良しダンス良し」のISSAを超えようと思う?
だが、KENは超えるつもりでやってきたんだね。
…超笑えるけど、KENも射手座。本気で天才を超えようと考える
だけでもバカなのに、ほんとに超えちゃうバカもいるんだね…

そして…その次の曲ではもうSHINOBUがいない。
そこで「DaBestOfDaPump2plus4」のDVDは
終わる。1の時のような4人のトークもない。
この後も3人体制のDA PUMPはしばらく続いたはずだが、私は
もうそこを追う気になれなかった。悲しみばかりが募りそうで。

ずっとあきらめることなくDA PUMPを追ってきたファンたちは、
どんな思いでこれらの時期を過ごしたんだろう。
こんなに実力をつけてすごいパフォーマンスをしても舞台はなく…
こんなすごいアーティストに育ったのにメンバーが失われていく…
決して戻ってこない4人のDA PUMP。
深追いしたせいで、DA PUMPとファンが味わった悲劇を追体験
することになろうとは…。

人には「出会うべきタイミング」があるという。
私は…悲劇がすべて終わった後になってからDA PUMPに出会って
よかった…。失われていくのを目の前で見ていたらどうなっていたか…。

気持ちを切り替えよう。ISSAがなんとか頑張ってDA PUMPを
続けてくれたおかげで、過去の名曲がお蔵入りしなくて済んだ。
KENも、今「Like This」が圧倒的な再評価をされている
この事実はうれしく思ってくれるだろう。(ネットの書き込みなどで、
U.S.A.世代のファンからも衝撃と絶賛の嵐だからね!)

「U.S.A.」のおかげでレコード大賞にも紅白歌合戦にも返り咲き。
レコ大は「カバー曲だから」とか言って大賞くれなかったけど、あんな
裏金ヤラセ大賞どうだっていいもんねぇ~だ。
我が敬愛するNHKの紅白歌合戦で日本中が笑顔で「U.S.A.」!
こんな幸せな時間が手に入って、やっぱDA PUMP最高や~ん!

「U.S.A.」に沸きに沸いた2018年が終わり、次の春…
DA PUMPの新曲が発表された。
不安は的中した。「桜」…ありえないダサさだった。
同人誌やネットで素人小説書いてる勘違いな「耽美系」のオタクさんが
恥も外聞もなく撒き散らす「苔の生えた耽美ワード」がゴテゴテに
盛り尽くされた、素人の後塵を拝するレベルの作詞にドン引き。
もう三十年も前から「繚乱」とか「刹那」とか「時雨」とか、やたら
和風のうすっぺらい熟語ばかり並べた愚作、死ぬほど見てきたなあ~。
しかもこれ「今のDA PUMP(っていうかISSA)の心境を歌に
したよ!」的な「内輪受けソング」。これからさらに売り出そうって
時に「内輪受け」か! 身内ばかり見て作るのはアマチュアの仕事。
そのダサい路線は、「U.S.A.」みたいな「ダサいを求められる」
時だけにしてくれよ。
DA PUMPはカッコいいんだよ。「なのに」ダサいのをやったから
ウケたのに…。自分の価値を見失うなよ。

「桜」すごいよね。あんだけの「U.S.A.」ブームを急速消火。
DA PUMPは「ファンだけのもの」に戻った。「歌詞の目的達成」
ってカンジ。ここで次のムーブメントを起こせなかったのは痛い。
だがもう取り返しはつかない。どうしようもない。

ダンナが私を勝手にDA PUMPのファンクラブに入れてしまった。
自分で入れよ! 昔からのファンのくせに!
でもそれでチケット取ってライブ何度も行ったよ!
ライブの「ISSA浴」はすごいよ~。
ISSA、続けてくれてありがとう。そしてあんたやっぱり超人だよ。

4人のDA PUMPは、とんでもないアーティストに、いっときだけ、
なった。7人のDA PUMPも頑張ってるし、ISSAはやっぱり
素晴らしい。4人時代を惜しむ気持ちは捨てられないけど…それでも、
最近のライブでは、4人の頃の曲を「ここまでのクオリティで再現して
きたか!」というレベルでやってくれたりもしている。曲の再現的には
今後もあの時代を目指して頑張ってほしいと思う。

けれど…
現在のDA PUMPは結局「バカっぽいパリピ路線」をダサさと共に
歩んでいる。リリースする曲は常にダサい。m.c.A・Tの曲も
ちょっとダサかったけど、あれは「泥臭さ、人間らしさ、茶目っ気」と
いうレベルだったな。サウンドは常にカッコよかったし。
…仕方ない。それで一定の売り上げが出ているのなら、大衆が今のDA 
PUMPに求めるものが「ダサいパリピ」なんだろう。
ほんとにそうなの? カッコいいDA PUMP観たくない???
私はダサDA PUMPじゃなくて、ダンスもサウンドも歌唱力も、
すべてが超絶カッコいいDA PUMPが見たいけどな。

ってことでまた私は「プロデュースの変化で萎える」モードに入って
やや冷ややかに今のDA PUMPを見ている。
でも、DA PUMPには、m.c.A・Tの過去曲も、「GET 
ON THE DANCE FLOOR」も「Like This」も
ある。「SUMMER RIDER」とかもイイ! ISSAが歌う
仮面ライダー系の曲もカッコいい! 聴きたいものだけ聴こう!

一つだけ確かなのは、ISSAが私の青い鳥なのは間違いないという
こと。あれっ、じゃあ、エッセイのタイトル間違えてるじゃん。
「ISSA・私の青い鳥」じゃないか! でもなんかキモいから、今の
タイトルのままでいいや。

「桜」以降、シングル1枚も買ってない。
それでいいのかDA PUMP!
2020年の紅白も出られないし(超ガッデム)、彼らはどこに行くの
かねえ…。まあ、ISSAがいるから、ついていきますとも…。