エクストリーム四十代のかもめ日記

野球を中心に、体力気力に任せて無茶をしがちな日常を綴る暑苦しい活動記。

DA PUMP・私の青い鳥~前編~

2020-11-18 00:32:14 | 音楽
年取って音楽をあまり聴かなくなったな~、と思う。
それでも欠かせない音楽は初期のw-inds.で、他には
T.M.RevolutionやSOUL’d OUTのベスト盤、
FAIRCHILDの「UKULELE」、それからB′zと
さだまさし、小椋佳、斉藤由貴、薬師丸ひろ子、時々村下孝蔵などを
聴いて過ごす。
最近村下孝蔵が加わったくらいで(なぜか最近、笑)、これらはもう
20年も漫然と続いている聴き飽きない選曲だ。

私にとって初期のw-inds.が永遠のマイソングなわけだが、
もう彼らの「現在」は15年以上聴いていない。
思えば私、「ハマった」アーティストはすべて「プロデュースの変更」
をきっかけにファンをやめている。
中学時代に好きだったチェッカーズは事務所プロデュース晩年の
「俺たちのロカビリー・ナイト」や「神様ヘルプ!」で萎え、セルフ
プロデュースで「普通のバンドになったな」と思って離れた。
次に出会ったチャゲ&飛鳥は、説明すると長くなるので割愛するが、
チャゲ&飛鳥改めCHAGE&ASKAの(特に飛鳥の)軽佻浮薄な
様子と曲の大衆路線に萎えていった。ワーナー・パイオニア時代の
曲でファンになったので、移籍したポニーキャニオンの路線に
とうとうついていけなくなった、とも表現できる。

そして長い迷走期を経て出会えたw-inds.もプロデュースの
変更に伴って離れてしまい、私の魂を預ける音楽がなくなった。
へなちょこに萎れた私を元気づけようと、ダンナが教えてくれたのが
「Folder」。三浦大地(現三浦大知)をメインボーカルとする
キッズグループだ。これは衝撃だった。
実は私、「子供の歌声」が嫌い。素人の子が素人として楽しく歌って
いるのはまったくかまわないのだが、「黒猫のタンゴ」や「マル・
マル・モリ・モリ!」みたいな、「子供が歌ってるから可愛いでしょ」
的な商業音楽が気持ち悪い。「考えすぎ」とかじゃなくて、生理的に
「アピールしてくる子供の歌声」が苦手。さだまさしの「関白宣言」
とか徳永英明の「Melody」とか、終盤に入る子供のコーラスが
とにかく気持ち悪い。
そんな私が、Folderは「この子供すげーーー!」と思った。
三浦大地は普通にプロの魅力的なシンガーだった。
だが、Folderもすでに声変わりで解散したグループだった…。
でもFolderの2枚のアルバムはかなりのお気に入りになった。

三浦大知として17歳で戻ってきた「Folderのボーカルの子」
は子供時代と違ってわりと普通の人の声の響きになっていたが、
ダンスと歌唱力のクオリティが高すぎたので、夫婦でCDを買って
ライブに行くという「お布施」を続けた。
その甲斐あって、大知くんは人気一流アーティストとして羽ばたいた。
でも、Folderは私好みだったが、三浦大知への想いはあくまで
「応援」なんだな。ダンスは圧倒的にみとれていられるけどね。

そんな私に、さらにダンナが教えてくれたのがDA PUMPだった。
ダンナは昔からDA PUMPを高く評価していて「彼らのダンスは
宙に浮いている」とよく言っていた。重力を感じないクオリティだと。
でも私としては「沖縄のヤンキーはちょっと…」。
もちろんデビュー当時からDA PUMPは認識していたし、好きな
曲もあるのだが(「If…」と「Purple The Orion」
「CORAZON」など)、キャラクターがどうも肌に合わなくて…。
だが確かにISSAの声質は私好み。
熱心に薦められて、仕方なく見てあげたネット動画…
そこに、私の青い鳥がいた。

「神ナントカ」という表現はアホかと思うんだけど、あえて何かを
「神ライブ」と呼ぶなら、私にとっては2009年のDA PUMP
ライブ、「THUNDER PARTY」がそれだ。
このライブの楽曲はネットに多々上がっているので、てきとうに数曲
拾って視聴してみてほしい。(ダイジェスト版なども上がってる模様)
私の中に、超絶巨大な青い鳥が降臨した。
2009年のDA PUMPは9人で、その頃はまだKENがいた。
今のDA PUMPには申し訳ないが、KENがいると、ここまでの
ライブクオリティが出せるのか…という圧巻の出来だ。

ライブDVDで通しで観ていて、ISSAのパフォーマンスが
長時間にわたってあまりにハイクオリティなので、「絶対どこかは
口パクに違いない」と口周りをガン見する始末。だが全部生歌だ…
ISSAの超人すぎる体力と歌唱力をDVDでぜひ実体験してほしい。
そして、KENがいることでISSAが安心しきってパフォーマンス
をしているのも大きい。
今のDA PUMPではISSAが保護者の役回りになっていて
窮屈な部分がある。KENがいる環境で余裕にあふれたISSAの
表情と歌声は自由で自信たっぷりで幸せに満ちている。
とにかく「THUNDER PARTY」のライブ画像は果てしなく
飽きない。DVDを、もう100回以上観ていると思う。

さらに、DA PUMPの過去作品を厳選して買った。
ベスト盤の1「DaBestOfDaPump」(CD+DVD)は
ジャリっ子からあっという間にアーティストになっていく彼らが
楽しめた。
そして、ダンナがDA PUMPを何気に好きすぎることを知った。
私の好きなアーティストで唯一w-inds.に興味を示したのは、
ライジングプロダクションのにおいを嗅ぎ取ったからのようで…
あの事務所の実力派たちにずっと注目していたらしい。

また、この「DaBestOfDaPump」にオマケで入っている
DA PUMP4人のトークを見て衝撃を受けたのは…
沖縄の同年代の仲良し4人のフリートーク、好きなように自由に、
ただ楽しくしゃべってくれてそれでいい。内輪受けになってもいいと
思う。でも、ISSAだけは、誰かに届けることを意識している。
他の3人は本当に開放されて楽しく好きなようにやっているけれど、
ISSAはプロとして商品を作っている意識が伴っている…。

4人構成の最初のDA PUMPでも、リーダーはISSAだった。
今の「ISSAだけ年上」というメンバー構成ならともかく、同年代
のグループで、圧倒的に目立っちゃうボーカルをリーダーにしたら
ダメでしょ、と思ってた。
SMAPのリーダーはキムタクじゃダメ、TOKIOのリーダーは
長瀬くんじゃダメ、V6のリーダーは岡准じゃダメ…まあこの3人は
顔で目立つだけだからDA PUMPとは状況が違うけど、とにかく
一番注目を集める立場の人がリーダーになるのはバランスが悪いもの。
でもISSAがなぜリーダーなのか…
YUKINARIとKENがワイワイ盛り上がり、ISSAと
SHINOBUはわりとおとなしめで、ISSAはこのトークが
ファンに届けられることを意識して整えようと気を配っている…
「ああ、この人は違うんだ」と思った。フラウ=ボゥがハヤト相手に
アムロを評した「あの人は私たちとは違うのよ」と同じ感覚。
ISSAは根本からプロの性根で生きているんだなと。だからこの
目立つ立場でありながらなおリーダーなんだなと。
バカでやんちゃなヤンキーだと思ってた。でも、ネットに上がってる
動画でトークとかを見たら全然真面目な人だった。
それだけでなく、誰よりもプロな人だった。
私は何を見ていたのか…。ずっと、青い鳥はここにいた。
いや…できれば慶太君が葉山さんの曲でw-inds.をやっていて
ほしかったけど、彼と僅差の2位につけられるほどの人がここにいた。
やっと、慶太君をあきらめた後の私の心の穴が埋まった2017年…

次は何を買おうかな~と物色していたら、ISSAのソロアルバム
「EXTENSION」というのを見つけた。しかし…
なんだ、この値段。楽曲提供者が豪華絢爛なのに、数百円にまで
値下がりしている。即買いじゃん!
…聴いてみて、数百円の値段なのがよくわかった…
曲が悪いわけじゃないと思う。でもISSAの声がきれいに響く音域を
意識せずに提供された曲ばかりで、「…これだったら、DA PUMP
のほうが全然いい…」という結論に達した。

でも、この「EXTENSION」、ほんとに買ってよかった。
2つのことを明白に理解するに至った。
まず、ISSAは一人じゃダメなんだなということ。
w-inds.も一部の人に「ボーカルの慶太一人でよくない?」と
言われたりしていたけど、実際に慶太君がソロアルバムを出して
みたら、「なんかやっぱ、w-inds.っていう、帰るところが
あってこそのソロだね」という物足りなさ…(あくまでも最初のソロ
アルバムに個人的に感じたことだけど)
それと同じものを、その倍、「EXTENSION」に感じた…。
今、研究を重ねて「射手座論」を確立した私は、ISSAと慶太君の
「彼一人で十分かと思ったら、グループのほうが良かった」という
あの感じは、射手座の特性の一つだと思っている。
(Folder三浦大地乙女座のソロ「Everlasting 
Love」が単独で完璧に成立し得ているのと対照的!)
そしてもう1つ理解したのは…
「m.c.A・TあってのDA PUMP!!!」ということ。
私のDA PUMPの師であるダンナは、デビュー当時からのDA 
PUMPの音楽プロデューサーであるm.c.A・Tに対して
わりと否定的で、「DA PUMPにはもっとカッコいい曲を与える
べき」と常々言っていたし、私もDA PUMPをスルーしてきた
理由の一つに「ここにラップ入れないでほしい」「時々、歌詞が
ありえないへなちょこ感…」というのがあった。
でも、他の楽曲提供者による、もっとカッコいい出来のはずの曲を
歌うISSAが全然イケてない…。衝撃の値崩れのはずが、納得の
値崩れだった…。
ISSAがいくら実力あるシンガーでも、アイデンティティを発揮
して魅力的に輝くためには、やっぱりプロデュースとのマッチングが
必要だったんだ。そして、DA PUMPはm.c.A・Tだから
良かったんだ。

m.c.A・Tについて開眼した私は、師たるダンナに逆啓蒙を
行った。「ほんとは、DA PUMPは、m.c.A・Tだから
素晴らしいんだよ! m.c.A・T天才だと思う!」
するとダンナはm.c.A・Tの動画を探して観はじめた。
…マジで天才だった。m.c.A・T…あんた、日本の音楽界に
登場するのが20年早かったよ!
ISSAより高音のキーでアングラ世界を描き出すアートな音楽が
圧巻だった。すごい世界観。ダサい部分もここまで昇華すればアート。
ダンナと顔を見合わせて「なんだこりゃー!」と絶賛の叫びをあげた。
ダンナのm.c.A・Tへの評価が圧倒的に変わった。
師匠にDA PUMPの真実を一つ知らしめてあげることができて、
師孝行ができてよかった!

そんなことをしていたら、突如、「U.S.A」が大ヒット!
DA PUMPは「消えたアイドル」から「大人気のグループ」に
返り咲いた。
取り戻した栄光、ISSAの笑顔、新たに集まり続ける称賛の嵐…
でも、間違えちゃいけない。「U.S.A」だけの力でこうなった
わけではなくて、「そういえば…」と昔の楽曲を思い出せば名曲の
数々が並び、売れなかった時期のエピソードがストーリーを作り上げ、
さまざまな要素が「U.S.A」にのってムーブメントになったと
いうこと。かつてm.c.A・Tが築いてくれた音楽性の高さが
あってファンが他の曲を漁って「これもあれもすごい、カッコいい!」
と喜んでいられるということ。

日本中から温かい応援の声をもらえるようになったDA PUMP。
この幸せは、今度こそ永遠に続くと思ってた――

アーティストのファンになるって難しい。
でもとにかく、しばらくは幸せな日々が続くのでした…(つづく)