カウンターの中から客をのぞくといろんなことが見えてくる

日本人が日本食を知らないでいる。利口に見せない賢い人、利口に見せたい馬鹿な人。日本人が日本人らしく生きるための提言です。

病気は暴力。高校のクラブでの暴力は、主張のできない子供を作り上げた教育に問題がある。

2013-01-14 | 人間観察
高校のバスケットボールのクラブの顧問の暴力が原因で、高校生は自殺したというニュースが、やたら正義寒ぶったマスコミの手で大げさに取り上げられ、事実が捻じ曲げられている。

体を自由に動かすことのない僕の生活の大半は、テレビだ。

暴力が原因で自殺をしたのか?

もちろんそれもある。

しかし、哲学を教えていた僕の目から見る限り、それだけじゃないと思う。

自殺というのは、大きく分けて2種類ある。

冷静に考え抜いた結果、死を選んだ場合だ。

k子ちゃんの例がそれだ。

体が動かなくなり、筋肉が委縮し、呼吸困難で死んでいく。

しかも、それは1~2年後に迫ってきていた。

病状は確実に悪化し、太り暮らしの彼女は悩みに悩んだ挙句、
死を選んだ。

そしてもうひとつは、ノイローゼになり、突発的に自殺する場合だ。

この高校生はそれに当たると思う。

先生に殴られ、後輩も助け船を出さず、退部すれば退学だと言われ、
勉強も思うように成績が上がらない。

友達の問題や家族の問題、いろんな問題が鬱積し、
思い余って自殺をしたのではないだろうか?

僕の弟が、家族を残して自殺したのも、このケースだ。

会社を変わったのが原因で、歯車が狂い、勤めた会社が倒産していく。

収入が止まり、子供の学費にも手を焼き、女房に毎日愚痴を言われ夫婦げんかが絶えなくなり、家のローンも大きくのしかかる。

そして発作的に電車に飛び込んだ。

でもこんな環境を作って来たのは、今の教育体制なのだ。

教師だけを悪者にしたトカゲのしっぽ切りはもう嫌になった。

顧問の先生一人に、全国で有数のクラブにする責任を押し付けていたのは間違いない。

顧問のプレッシャーは大変なものだ。

必死に戦っていたはずだ。

学校は問題をひた隠しにしようとしてきた。

教育委員会にクレームをつけられるということが、
公立の高校にとってどれだけマイナスかを知っているからだ。

校長も教頭も、脳なしのレッテルを貼られ、出世もままならなくなるのだ。

生徒にも、逆らうことは教えていない。

誰一人として殴られている彼を助けようとしなかったのだ。

スキルという聞こえのいい言葉で、人と争うことなく、無難に生きていくことを善としている。

日本では、死んだ人が全て【いい人】として謳われ、
直接かかわった人だけを【悪人】としてしまう。


『立ち歩き』というのをご存じだろうか?

小学校の低学年によく見られることのひとつで、
授業中にふらふら歩きまわり、他の子供の勉強を妨げるのだ。

教育委員会は、こういう子供を叱ってはいけないと指導しているのだ。

別の子供が起こったり注意すると、その子供が先生に注意されることになる。

そんな教育がおこなわれているのだ。

自殺の原因が何であれ、自殺が起こったという事実と、
その裏にある真実をきちんと見分けないとこういうことはいつまでたっても直らないし、
責任をうやむやにしてしまう。

病気は暴力と同じだ。

しかし、自分の考え方ひとつで、生きてる限り戦い続けられる。

顧問の暴力を良いこととは言えないが、もっと闘う力を生徒は身につけなければならなかった。

国際力が落ちている。

一般人も企業人も、そして官僚も政治家も。

それは日本の教育の在り方にこそ原因があると思うのだが・・・・。