kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

広島市現代美術館特別展「東松照明 ‐長崎‐」展

2016年06月19日 | 展覧会
「東松照明‐長崎‐」展
会場:広島市現代美術館
会期:2016年5月28日(土)~7月18日(月・祝)

仕事や趣味で写真を扱うことが多いが、実は映画や絵画に比べると写真作品の良し悪しが分かっていない。
作品数を見ていないこともあるし、ちゃんと勉強していないこともある。仕事でよく扱うこともあって、「仕事向けの写真」と「芸術作品の写真」の基準が違うこともある。

そんなワタシが本展について書き残すのもどうかと思うのだが・・・。

長崎の原子野をテーマにした作品が多い今回の展覧会、一番に実感したのは「廃墟からの復興」だった。
これまでもよく仕事で広島を語るとき「廃墟からの復興」という言い回しを使ったが、ここまで実感したことはなかったと思う。

一つには広島の街が身近すぎたので、逆に客観的に見ることができなかったこと、もう一つには復興を足取りを辿ってきたが公の資料だったことがあるのだと思う。

本展の被写体は個人であり、その人となりや背景から、時代の変化を確実に感じることができる。しかし、公の資料では個人を対象にすることはできない。街の「進化」を読み取ることができても、「変化」を感じることは難しかったのだと思う。

また、作家自身が被写体に対してどのように向き合ってきたのかが、解説されていることでも、理解が深まったのだと思う。(そこを読まないと理解が深まらない、ワタシ自身の感性にも問題があるが。)

今はデジタルカメラで無尽蔵に写真を残すことができるが、この時代、銀塩カメラで写真を残すことへの気迫のようなものもあり、作品数が多いこともあって、気圧されたような展覧会だった。

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