kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

愛媛県美術館「館長庵野秀明 特撮博物館」

2013年05月09日 | 展覧会
「館長庵野秀明 特撮博物館」
会場:愛媛県美術館
会期:2013年4月3日(水)~6月23日(日)

東京で開催された「館長庵野秀明 特撮博物館」。メディアでも取り上げられ、大ヒットを飛ばした展覧会だが、さすがにそのために東京に行くのはムリ。と思っていたら、瀬戸内海の向こう側で巡回展が開催されるというじゃないか。それぐらいの距離なら、ウチの小僧と一緒に行きますよ。もちろん。

展覧会は大きく分けて3部構成で、まずは東宝特撮映画から円谷プロ、ウルトラマン、TVヒーローにいたる日本特撮技術の総覧。

ひとつひとつに添えられた庵野館長のコメントが生々しくて、可笑しい。展示品は現物に加え、補修されたものやレプリカも多く、美術展というより博物館的な側面も強く感じた。特にウルトラ関係の展示は先々週に実物を「ウルトラマン創世紀展」を見たばかり。ウチの小僧と一緒に「これ、ついこないだどこかで見たよねえ。」を連呼するバカ親子。周囲を見ても展示品相手に熱く語っているのは、おこちゃまか、いいトシこいた永遠の男子ども。(笑)

ワタシも昔は「宇宙船」読者だったので、完全再現されたレプリカにも心躍るのだが、製作会社がミニチュアなどをどんどん処分してしまい、現物が残っていない事情もよく分かる。二度と使わない、場所を取る備品を倉庫に保管しておくだけで、金がかかるからねえ。将来の文化財的価値も大事だが、企業として目の前の現金はもっと大事だ。ワタシなら間違いなく「情無用の即廃棄」の連呼だろう。その勢いたるや巨神兵。

第2部は「巨神兵東京に現る」の上映とメイキングの展示。
10分足らずの映像で東京は壊滅!(小学生の頃から疑問なのだが、なぜ、怪獣が襲うビルは燃料満載がごとく炎を上げて爆発するのだ?)
おこちゃまどもはビビリまくっているようだったが、「人類滅亡もの」が大好きなワタシはワクワクしっぱなし。(太陽と月が消滅したら、地球はどっかに飛んでいくんじゃないかというのは無粋なツッコミ。)

引き続いて、メイキングの紹介だが、居酒屋のランチョンマットに描かれたラフスケッチなどは現場の勢いを感じさせてくれる。ホテルの備品メモやチラシの裏側など「思いついたから書かずにはいられなかった。」スケッチの類を見るのは大好き。今回の作品ではCGを使わず、特撮オンリーで撮影しているのだが、その道の専門家がもてる技術で課題を解決していく様は映画の「七人」ものみたいでカッコイイ。

とはいえ、これから特殊撮影の技術がCG主流となっても、基本的なことは同じなのだと思う。ミニチュアや着ぐるみにせよ、CGにせよ、映像として表現していくためには製作者が見せたい絵を説明し、スタッフにコンセプトが共有され、ふさわしい技術が開発されていくというのは、いつも変わらないからだ。CGのコードで内装され、「このアルゴリズムの開発がキモでした。」と解説され、サーバーの筐体が展示される展覧会にワクワクするかどうかは別問題だが・・・。

第3部はメディアで何度も取り上げられた崩壊した巨大東京のジオラマ。監督がごとく、良いアングルで撮影するため、ウチの小僧の名前を大声で連呼していたら「恥ずかしいからやめて・・・」


【巨蝶モルファ蝶の影響で、普段よりさらに巨大化。】

単に特撮という展示内容に男子心を刺激されるだけでなく、美術としての保存のあり方とか美術館・博物館の展示の仕方、イベントとしてのプログラムの作り方など、刺激になることが多い展覧会だった。

ところで道中、松山城前ロープウェー街にある昔ながらの古本屋をのぞいたら、アントニー・ビーヴァーの名作戦記「スターリングラード」を1000円で発見!もちろん即購入で充実の休日。(笑)

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