kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

広島県立美術館特別展「フレデリック・バック展」

2012年07月21日 | 展覧会
フレデリック・バック展
会期:7月14日(土)~9月17日(月・祝)
会場:広島県立美術館

広島県立美術館のツイッターを見てたら、今回の展覧会で「ウェッブ・サポーター」を実施するという。ブログやFBでバック転・・・もとい、バック展のことを書く人は無料で招待してくれるのだ。これはぜひとも行ってみて、様子を見なくては。

フレデリック・バックといえば、アカデミー賞も受賞した「木を植えた男」で有名。その一大展覧会で、県立美術館もリキが入っている。作品点数も多いのだが、山本理子さんのコラボ展経由で行ったので、最初から時間不足。

さて、会場に入ったら、すぐにオスカー像が展示されている。ワオウ!!!オスカー像の現物なんて、生まれて初めて見た!!(感動のしどころが違う。)

展覧会の前半は少年時代からアニメ作家になるまでの作品が展示される。スケッチとはいえ彩色された鮮やかなものも多く、またその数たるや、膨大なもの。作家なんて当然、そうしたものなんだろうが、描きたいという情熱と天才としての才能、双方を感じることができる。

文字通り、世界中を旅して描きつづったスケッチは土地土地の空気感だけでなく、人間と人間の営みに対する好奇心の強さとか愛情とかもにじみ出ていている。こういった感受性の高さって、ワタシにはあんまりないなあ・・・

個人的に気に入ったのは、言うまでもなくナチ占領時代前後のフランスを描いたスケッチ。スクラップになった2台のM4シャーマンなんて、ちょっとうれしい。(笑)

そういえば、本展はスタジオ・ジブリが関わっているが、「宮崎駿の雑想ノート」の作品の中に、これらスケッチと同じようなタッチ、構図のものがあったのは、なかなか興味深い。

展覧会中盤はイラストや舞台セット、TVの仕事などアニメ以外の仕事の紹介。展示の規模が小さいと、こういった中継ぎ的な過去の業績までは触れられないし、TVドキュメンタリーの背景画なんて、作品の種類としても珍しい。どんなアーチストであっても、様々な仕事に関わった、職業人としての経歴を見るのは、いつも楽しい。(時として、作品より作家個人に目が行ってしまうワタシにはピッタリ。)

後半は本題のアニメ作品になるが、残念ながら会場ではアニメ本編は一部しか見ることができない。アニメは完成までのプロセスが多いだけに、スケッチや絵コンテなど展示数も一気に増えるが、途中の成果物なだけに解説がないととよくわからなくなってしまう。そこはちゃんと解説が付いていて、アーティストがどう感じ、表現方法を考えたかという経過を見ることができて、非常に興味深い。ここら辺の展示方法に対する感覚はいかにも県立美術館らしい。(笑)

で、アニメ作品のはじめあたりで、時間切れ。後の主要な作品は機会を改めて見ることにしたので、「...to be continiued.」映像作品も多いので、ゆっくりと見ることができる平日にしよう。

1人の作家のほぼ全ワークを時系列で見ることができる展示会って広島では珍しいし、作品の形態が多岐に渡るだけ見応えもあり、そういった意味でも勉強になる展示会だった。(タダでみせてもらったから言っている訳じゃないよ。(笑))

最新の画像もっと見る

コメントを投稿