kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

キングスマン

2015年09月19日 | ★★★★☆
日時:9月13日
映画館:バルト11

同じマシュー・ヴォーン監督の「X-MEN ファースト・ジェネレーション」を観た時に、「ほんと、X-MENであるがゆえに、スパイ映画として続かないのがとても残念。」と描いたのだが、まさかそのまんまのスパイ映画が登場するとは思わなかった。

これが面白くない訳がない。ところが、中身は掟破りのスパイ映画。

どこの国にも属さない独立系スパイ組織「キングスマン」の60年代風エージェント、コリン・ファースが世界的な陰謀を追う過程でメンバーを失い、後継者としてその息子を指名する。

この新人育成が話の大きな筋になるあたりが普通のスパイ映画と一線を画すところで、「氏より育ち」を地で行く展開。この辺の人物関係と構図、上流社会や持てる者に対する反骨精神みたいなものは「キック・アス」から続いているような気がする。ただ、サミュエル・L・ジャクソンの企む陰謀と新人育成の話が行ったり来たりして、少々まどろっこしい。

この映画、キャスティングがいいです。スパイ映画常連さんが大集合、コリン・ファース(裏切りのサーカス)は言うに及ばず、今一番諜報機関が似合う男マーク・ストロング(ワールド・オブ・ライズ裏切りのサーカスイミテーション・ゲーム)、そして聖杯によって今や永遠の命を授かったかのようなマイケル・ケイン!おじいちゃん、いつまでも元気でいてね。

映画全体のトーンはギャグとも本気ともどっちつかず。こんなスパイが存在すること自体がいまやギャグとしか思えないし、次々登場するひみつ兵器の数々も21世紀には大仰すぎるのだが、やっていることが結構、マジ。中盤の「笑える大殺戮」とか最後の大仕掛けなんて、ちょっと驚かされてしまう。
実は思わぬ裏切者が出るのだが、後で考えると国益主体で仕事する007やイーサン・ハントに対し、独立系組織のキングスマンが本当に世界平和を考えたら、あのような帰結になるのも分からぬでもない。(ワタシ自身はヴァレンタインの思想は好きです。)

本音のいうと、もっと楽しめるのかと思ったが、ストレートに面白過ぎたので、もっと変化球が欲しかったところ。(←ヒネクレ者)パート2?相当、ハードルが高いぞ。

ところで、ワタシのおじいさんは奈良で仕立て屋をやっていたが、「奈良井洋服店」というスパイ組織もなかったし、姿見とかフックとか色々触っても地下基地には繋がっていなかったと思う。







題名:キングスマン
原題:KINGSMAN The Secret Service
監督:マシュー・ヴォーン
出演:コリン・ファース、タロン・エガートン、サミュエル・L・ジャクソン、マーク・ストロング、マイケル・ケイン

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