kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

広島県立美術館特別展「トーベ・ヤンソン生誕100年記念 MOOMIN!ムーミン展」

2014年08月16日 | 展覧会
「トーベ・ヤンソン生誕100年記念 MOOMIN!ムーミン展」
会場:広島県立美術館
会期:2014年8月8日~9月6日

今や、公設美術館は年1回は絵本原画展やサブカル関係展を開催しないと経営がなりたたないのではないかと邪推したりするのだが、分かりやすくて面白い絵本原画展はワタシも好きです。

作品そのものもさることながら、絵本という製品・商品の成立過程やその中で原画がどのような役割を果たしたのか、プロダクトデザインとしても興味深い。

確か数年前にも県立美術館でムーミン展があり、ジオラマやフィギュアが中心だったような気がする。その時に気になったのが、それらの作品が結局、誰の作品なのか説明不足だった点。作家本人が作ったフィギュアと関係者が業務用で作成したものと後世のファンが作ったものでは、全然、作品の意味合いが違うと思うのだが、そのあたりの解説に不満があった。

さて、そういった一抹の不安を引きずりながら今回の展覧会、老眼鏡持参で観覧した。ここ最近、美術館で作品の細部を見るのがだんだん厳しくなってきたのだ。トホホ

最初にムーミントロールのスタチューが飾られているが、あとは原画は中心。細かいインク・ペンのタッチを見ることが出来る。挿絵原画が中心なので、1つの作品の大きさは20センチ四方。とにかく小さくて、細かい。下絵跡まで見えるのだから、老眼鏡持参で大正解。(笑)

穏やかなタッチがほのぼのとさせてくれるし、1940年代から70年代の印刷技術の進歩を受けて作品が微妙に変化する点も興味深い。ちなみにワタシは展覧会の作品の前で、作品のポーズを再現していることがある。手を上げたり、走る格好をしたりしている不審者はワタシです。

これらの作品がいかにして印刷物へと活かされていくのか、そのプロセスを楽しみに進むが、挿絵原画か続く、続く、続く・・・。これだけのボリュームがあると、さすがに疲れてしまうね。結局、残念ながらワタシの期待した製品・商品としての成立過程はあまり見ることができなかった。

そんな中で一番面白かったのは、フィンランドを搾取するヒトラーを描いた風刺政治雑誌の表紙と鳥羽ホテルのランチョンマットに描かれたスケッチ。特に後者は島やタツノオトシゴといった元々のイラストに様々な生き物が加筆され、ユーモアたっぷりで実に面白い。こういうセンスって大好き。

今回、展覧会は早々と終了。その後は、普段のミュージアムショップの10倍ぐらいの規模でグッズ販売が展開されている。いやはや。

ところで、ウチの奥さんはリトルミー似なので、ミーグッズをお土産にしようかと思ったが、以前、やはり似ている奈良美智ガールのTシャツを購入したところ、お気に召さなかったらしく一度も袖を通されていないので、今回は二の轍を踏まないようにしたのでした。

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