kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

悪の教典

2012年11月21日 | 邦画
月日:11月20日
映画館:ワーナーマイカルシネマ

伊藤英明扮するサイコパスの高校教師蓮実ことハスミンが人を殺しまくる映画。

登場人物は2種類、「ハスミン」と「ハスミン以外」。
キャラクターは2種類、「殺す人」と「殺される人」。
評価は2種類、「嫌い」か「嫌いでない」かだ。

ハスミンの性格はこれまでの殺人鬼ものの映画と違い、快楽殺人者でもなければ、超人思想めいたエリートでもなく、女子供の泣き声に興奮するサディストでもなく、自己嫌悪とコンプレックスの塊でもない。殺人という行為が分からない訳でもない。

非常に純粋に前向きな性格で、きちんとTo Doリストをこなせる人間なのだ。ただ、そのTo Doが殺人というだけなのである。

クライマックスの犯罪も実は計画したものではなく、To Doリストをこなしているうちに、次の問題が発生してしまい、「こりゃいかん、次の一手」とばかりに大殺戮になってしまう。

ヒッチコックは「犯罪者が主役の映画において観客は勧善懲悪に期待しながらも、犯罪者がちゃんと犯罪を成功させていくのを楽しみにしている。」と言っているが、ハスミンについても同様で、「ここまでやるならどこまで行き着くのか。」とついつい楽しみにしてしまう。

映画的には数々の凶器による「殺しのテクニック」を披露してほしいところなのだが、そこは舞台が日本。オーソドックスな手口で終始してしまうところはやむ得ない。(何が)

伊藤英明がハマリ役で「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」の主役のくせに役立たずぶりとはうって変わって、大活躍。(だから、何が)特に感情のない大きな大きな黒目が印象的。

観終わって、日々、いろんなことを頭を悩ましていると、かように善悪の境目と人間として必要な感情がなければ、結構、楽なんじゃないかと思わせてしまうことろが怖い。

ところで以前は観た映画の話をすると「どれぐらい人が死にました?」と聞かれたものだが、こないだの「ゴッド・ブレス・アメリカ」とやはり人がたくさん殺される映画ばかり。






題名:悪の教典
監督:三池崇史
出演:伊藤英明


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