kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

シド・アンド・ナンシー

2015年03月20日 | ★★★☆☆
日時:3月18日
映画館:広島市映像文化ライブラリー

1997年に「シド・アンド・ナンシー」がリバイバルされた時、「オレもとうとう、リアルタイムで観た映画がリバイバルされるようになったか・・・。」と思ったこと覚えているが、それが遂にフィルムアーカイブでの特集上映で観ることになるのだから、ワタシも年をとった。

大学生の頃、アレックス・コックスとザ・ポーグスが大好きで、そこから派生してセックス・ピストルズとザ・クラッシュもよく聴いていた。一種の流行だったのかも知れないが、とにかくアレックス・コックスの映画は劇場にかかる度に見に行った。思い出すなあ。

それから四半世紀、何を間違えたか広島市映像文化ライブラリーでアレックス・コックス特集。昔の興奮が甦るじゃないか。一週間前から予習としてサントラからセックス・ピストルズ、グレート・ロックンロール・スゥインドル、ザ・ポーグスまで聴き直して、気分はすっかり80年代末期。エッチラオッチラと海賊盤を探して輸入レコード店を覗いていたあの頃、ソ連とかってあったなあ・・・。

「配給 ケーブルホーグ」のフィルムは傷だらけ。やはり25年は長かった。それでもほとんどのシーン展開を覚えている。当時、何回も劇場で見たもん。

公開当時、アレックス・コックスの映画のビデオはひと通り買っていたのだが、これは未購入。今回、DVDを買おうかとも思ったが、改めて当時買わなかった理由が再認識できた。

やはり、暗い。
あの頃、いろんな恋愛スタイルに憧れ、この映画も純愛映画として評価されているが、この姿はなりたいものではなかった。

シドとナンシーが出会い、セックス・ピストルズが世の中をひっかき回し、アメリカで空中分解して、シドが「マイウェイ」を歌う中盤までは映画も賑やかでも面白いのだが、そこからふたりがどんどん堕ちてダメになっていくのが、いくら純愛とは言え、救いがなく見ていてツライ。ジョニー・ロットンは「ロマンチックに描きすぎ」と批判したそうだけど、ホンマにどれだけひどかったのか。

ちなみにシドの「マイウェイ」の後にクラプトンの「いとしのレイラ」が聞こえてくるのは「グッドフェローズ」の影響。(笑)

さて、キャスティングの中で一番の出世頭と言えば、言うまでもなくゲイリー・オールドマン。ベートーベンやレオンのイカレ刑事を経て、今やバットマンのゴードン警視にジョージ・スマイリーとはねえ。
しかし、コックス映画常連で、今、一番よく見るのはボワリー役のザンダー・バークレーじゃないか。多くの映画での憎まれ役や「ニキータ」「メンタリスト」といったTVシリーズでお目にかかると、やっぱり嬉しい。






題名:シド・アンド・ナンシー
原題:SID AND NANCY
監督:アレックス・コックス
出演:ゲイリー・オールドマン、クロエ・ウェブ


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