kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

シナイ半島監視団

2012年03月02日 | 洋画(普通、まあまあ、及第点)
日時:2月29日
映画館:広島市映像文化ライブラリー

先日の「法と秩序」と同じくフレデリック・ワイズマンのドキュメンタリー映画。

1970年代の第四次中東戦争後、シナイ半島に設けられた非武装地帯で活動するSFM(Sinai Field Mission)を取り上げる。

監視団とはいえ、構成メンバーはアメリカの公務員と監視電子機器を運用するテキサスの受託会社の社員。イスラエル軍とエジプト軍が対峙する戦略拠点で緊張した日々が続・・・かないんだな。これが。

どちらの軍も威嚇行為をすることもなく、砂漠のど真ん中のプレハブで、通過する車の台数チェックが主要な仕事となる。「法と秩序」の緊迫感とうってかわって、全体にけだるさが漂う。

歓楽街もないプレハブのキャンプでは、ささやかなゲームとテキサス流のパーティー(カウボーイブーツになみなみと注いだビールを回し飲みする。)が数少ない娯楽となっている。ちなみにキャンプでは絶えず「アテンション、アテンション ○○○さんは○○○に電話してください。」と放送が流れるが、これが「MASH」を彷彿とさせる。

トラブルも発生するが、ドンパチなどではなく、護衛任務に2分間のロスがあっただの、監視所内の規則が守られていないだの、役所的な事務仕事ばかり。

キャンプ内でカントリーバンドが編成されるが、「こんな最果てのつまらん仕事は何とかしてくれ。」と管理職が歌うぼやきソングがおかしくも悲しい。

ただ、つまらない退屈な映画かというとそうでもなく、演出効果を出すために「やらせ」とは言わないまでも、かなり「仕込み」が入っているし、編集も細かい。映像技術的なことは脇に置いておいても、モノクロ映像の砂漠をランドローバーとか大型トラックといった年季の入ったヘヴィー感あふれる車両がのっしのっしと走る映像だけで、充分楽しい。(←特殊な楽しみ方)

ところで、フレデリック・ワイズマンのドキュメンタリー映画には米軍の教練がテーマのものもあるらしいが、広島では上映ナシ。なんでやねん・・・。







題名:シナイ半島監視団
原題:Sinai Field Mission
監督:フレデリック・ワイズマン


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