kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

アトミック・カフェ

2008年08月09日 | 洋画(良かった、面白かった、気に入った)
日時:8月6日
場所:広島市現代美術館

ワタシの好きな映画ジャンルの1つが核戦争を扱ったもの。もちろん、舞台背景が核戦争というSFアクションじゃなく(とはいえ、「マッド・マックス2」や「カー・バイオレンス」は好きよ。)、核の狂気を真正面から捉えたもの。
人生のフェイバリットは、何といっても「博士の異常な愛情」。TVの深夜枠で見て以来、人生観が大きく変わってしまった。

そういった意味で「アトミック・カフェ」も大好きな作品の1つ。
インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」にもチラッとダイナー「Atomic Cafe」の看板が出ていたけど、この作品は冷戦当時のニュース・フィルムや軍の教育用映画、音楽などを自在につなぎあわせて、冷戦下の核の狂気を浮かび上がらせる。

こういったコラージュ的な手法は大好きだし、上質のパロディとしても楽しめる。セリフの全てを当時のセリフか音楽(核戦争や広島・長崎を“軽く”歌った、すごい歌詞のポップスやカントリー)だけにし、現代のナレーションなどは一切入れないセンスがいい。
(この映画を参考にしたマイケル・ムーアの「華氏911」は、激しい主張をするために、素材に手を入れすぎて却って逆効果だった。)

それにしても、この作品が訴える、当時のアメリカの核に対する認識の甘さや軽さが、未だにアメリカ映画に散見されるのは、本当に恐ろしいことだ。(例えば、作品のほとんどに核爆弾を出して爆発させるジェームズ・キャメロンとか、「トータル・フィアーズ」とか・・・)


 題名:アトミック・カフェ
原題:Atomic Cafe
監督:ケビン・ラファティ、ジェーン・ローダー、ピアース・ラファティ

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