kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

愛媛県美術館特別展 「ミュシャ財団秘蔵 ミュシャ展 パリの夢モラヴィアの祈り」

2014年01月18日 | 展覧会
「ミュシャ財団秘蔵 ミュシャ展 パリの夢モラヴィアの祈り」
会場:愛媛県美術館
会期:2013年10月26日~2014年1月5日

東京で開催された「ミュシャ展」。メディアでも取り上げられ、大ヒットを飛ばした展覧会だが、さすがにそのために東京に行くのはムリ。と思っていたら、瀬戸内海の向こう側で巡回展が開催されるというじゃないか。それぐらいの距離なら行きますよ。もちろん。

って、同じ文面をつい先日書いたよなあ。1年に2回も愛媛県美術館に行くなんて。

今年は「知られざるミュシャ展」も開催され、ファンとしては嬉しい年だったが、ミュシャの作品数が膨大で、色んなところで収蔵されていることとも無縁ではないだろう。展覧会ごとに取り上げる切り口が違っていて面白いのだが、それにしても作品数(特に1890年代)は、ポスターにパッケージアートにイラストレーションに挿画に資料集に舞台美術にとなんと多いんだ!!

今回の展覧会の特色は、制作の舞台裏について触れている点とプラハ時代について詳しく述べられている点だろう。
前者については、アトリエやモデルの写真、習作やスケッチが多数展示されており、創作のプロセスを垣間見ることができる。習作と作品が展示されている「四芸術」も「絵画」だけはずいぶんポーズが変化しており、確かに完成した作品の方が雰囲気が良い。

展覧会後半のプラハ時代の作品になると、作品のタッチが一層変化していることが見て取れる。展覧会の最初に家族や親族の肖像画が展示されているのだが、最初の2作は1880年代のもの、もう2作は1920年代前後のもの。ミュシャの作品を数多く見たので、作風で何となく年代が分かるようになりました。(笑)
これまでプラハ時代の作品にはあまり関心がなかったが、今回のように多数展示され、その創作過程が分かるようになると俄然、面白みが増してくる。
特にステンドグラスの下絵とか大作を目の当たりにすると、やはり迫力に圧倒される。何としてもプラハでステンドグラスの実物が見たいもんだ。

他の記事でも書いたが、晩年ミュシャはプラハを統治していたナチのゲシュタポに連行され、尋問を受けたという。占領下の街中に設置されている民族色豊かな作品。その著名な作家が「ドイツ化」を進めるナチに危険視されたのだろう。

ミュシャは自分の才能を社会や祖国のために尽くしたいと考えていた。これまではミュシャの作品が好きだったが、作家としての彼、そしてそういった生き方にも憧れを抱くようになったな。



さて、写真はいつものお買い物。図録と未入手だった絵葉書ナリ。

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