あれもこれも

灰原中心二次創作サイトの創作人によるあれこれ日記。何かありましたら「拍手」からどうぞ。お礼は名探偵コナンの小ネタ三種類。

鈴木財閥に乾杯 映画「ゼロの~」の感想

2018-04-17 22:18:53 | 感想(アニメ等)
去年は劇場版の感想をスルーしておりましたが、今年はシレッと復活したいと思っています。

というわけで映画「ゼロの~」の感想です。いつも通りネタバレ満載、ツッコミ多めの内容となっております。読まれる方はご注意を。


まず最初に何はなくとも今年は画期的なこの事は書いておきたいと思います。
祝!!!鈴木財閥無傷!!!!!
最初に東京湾の埋め立て地の説明が始まった時から「ああ、ここもすぐに廃墟になるんだなあと思いつつ、いつ『ベルツリー』ってでるんだろう」ってドキドキしながら待っていたら、まさかの今回は鈴木財閥ノー資本!!いや~良かった。いかに巨大資本鈴木財閥とはいえ、大丈夫なのかと心配していましたからね。

さて、今回の映画ですが、とにかく巷で話題な通りまさらに安室による安室のための安室映画でしたね。本家ガンダムでの人気の奪われぶりから一転しての安室さん大勝利!!な映画でした。

映画全体的な総評としては、相変わらず中途半端なターゲットの絞り方でもったいないなという印象でした。ここ数年、映画全体のターゲット年齢を上方シフトして話を深めたり重い展開に出来るようになったとはいえ、一方で「名探偵コナン」という作品の縛りがあるとどうしても、一番大事なところが矛盾したりチープになったりするんですよね。今回は良いも悪いもその辺りが如実に出た作品かな、という気がしました。
そこが気にならない人は楽しめるだろうし、その辺がどうしても気になる私のようなタイプではきつい言い方をすると茶番に見える、というところでしょうか。
例えば安室透=降谷零という人物は捜査官として黒の組織に潜入捜査しているわけですよ。そんな人物に別の現場に指揮官として参加させてあまつさえTVに映るなんて絶対にやっちゃいけない事です。それをやるっていう時点でもうすでにツッコミどころしかない訳ですよ。まあ黒の組織はなかなかお茶目なところがありますから、少々片手間に潜入してても良いんでしょうが(笑)しかし正直なところ、そういう話をしたいなら組織を壊滅させた後にしろとは思います。

ま、しかしそんな今さらあの公式に期待しても何の意味もないツッコミは良いとして、今年の哀ちゃんについて述べねばなりませんよ。ええ!!当blog的には、むしろそっちが本命ですとも

今回の哀ちゃんは完全に探偵団のお母さん兼サポートで脇に回っていたとはいえ、それ以上にその有り余る凄まじい才能を見せてくれました。
・残った遺留物の写真から現物を再現
・乏しい現物をネット上の資料から爆発物を特定
・動くドローンからの映像を不自然で無いように加工(探偵団の子供達に指示を出しながら)
・レーダーで確認できない突入する衛星の進路を計算だけで完璧に把握。(それも数分で
いやいやいや、なんですか、これ超人ですか!?
 冷静に考えたら哀ちゃんは薬の研究者であって、数学者でもないし衛生管理システムの開発者でもないし、映像解析のプロでもないんですよ!!!!どれも組織時代には全く関係のなかった知識と技術なはずです。つまり博士を手伝いながらわずか数か月で身に付けたってことじゃないですか!
 組織が「ヤツの頭脳は組織に必要だ」って言ってましたけど、いやこれもう凄まじいですよ。組織どころか人類の至宝ですよ。安室はやたらと江戸川を評価してましたが、真面目に哀ちゃんの頭脳は江戸川など軽く凌駕しますよね。
それから後でも述べますが、博士のスーパードローンで衛星の軌道を変えに行くときに探偵団には真実を告げなかったのは博士と哀ちゃんの配慮だったのかな、と思います。その配慮の是非はともかくとして哀ちゃんにとって大事な人たちに囲まれて、その才能をいかんなく発揮できる彼女にとってある意味では最高の環境にいるんだなと改めて感じました。いや、だからとってこの程度の出番で良いか悪いかは別として。

それではいつも通り順を追いながら哀ちゃん視点に偏りつつ、ツッコミを並べていきたいと思います。
まずは冒頭、お馴染みの博士の発明品披露。ものの価値のわからない江戸川は冷たい目で見ていますが、相変わらずすごいものを作っています、博士。エベレストの頂上を30キロ手前から撮影できる性能って、札束握りしめて買いに来る人がどれだけいると思ってるんですか!!というか「いろいろ法律に触れそうだけどな」ってそれほんとお前だからな!!!江戸川!!!!!!
今回、テーマが「正義」だったということはあるんでしょうが、本当にコナンの「お前が言うな」発言が多かった気がします。もはやツッコミネタになりつつありますが、スケボー乗りながらスマホとかね。

でまあ、いろいろあっておっちゃんが容疑者にというところでお約束で蘭が新一に泣きつきますが、まて、お前のオカンは弁護士やろが!!!!すぐに連絡するのが、妃弁護士じゃなくて新一っていうところが、彼女の弱点の全てだと思うんですよね。つまり新一しか見えてないって言うとこなんですが。今回はそれがとても如実でというか、もうこの子ほぼ「新一」しか言ってなくて、普段の八割増しで頭が弱い子に見えました。いや、蘭というキャラが決して嫌いじゃないだけに、この扱いはとても可哀想だし新蘭推奨じゃない私としても公式を推す人たちはこれでいいの?といつもながら心配になりました。蘭をもうちょっとちゃんと一人前のキャラクターとして扱ってあげてくれとはいつも思ってます。
おっちゃんが逮捕されて、女に泣きつかれたので俄然張り切るバカもとい主人公。わかってましたけど、知ってましたけど、お前おっちゃんには散々っぱら世話になってるんじゃねーか!というツッコミの虚しく思うくらい、相変わらず自分と蘭だけで世界が回っている主人公ですが、今回はわりと中二的な残念思い込みも多かったですね。私が思わず吹きそうになったのはとても悲痛な顔で今回は安室さんは敵なのか!?って、いやいや一回も見方だって言ったことないですやんwと言うところでしょうかwなんかとても自分に都合よく解釈してて幸せな子だなって生暖かく見ちゃいました。

そして色々あって今回のゲストキャラ橘鏡子さんの登場です。見るからに訳アリの弁護士ですが、バカ娘もとい蘭は訝りますが、妃先生はあっさり採用。これ、たぶん妃先生はある程度は裏読めてたんじゃないかと思います。通常で考えたら、有名弁護士で業界で力のある妃さんが頼んでもなかなか弁護士の引き受け手がないということはあり得ませんし、現れたタイミングを見た上で、捨石として有罪にされないように「私が口を挟めるように」ということで橘さんを受け入れたんじゃないかなと。

途中の江戸川はもう完全に空気なので、うっかり可愛い風間君を愛でているうちにいよいよクライマックス。

あ、その前にこれだけは言っておかなければ梓ちゃんは可愛かったです!!こんなかわいい子、ポワロのマスターと私の目が黒いうちは絶対に嫁になんて出さないよ!(違)

なんか衛星がコントロール不可能になって真犯人を追いつめてそこから江戸川の大説教大会が始まるわけですが、それがまあどれも見事な「おまいう」というヤツですよ。私が一番吹きそうになったのは「それでも被害は出るかもしれない」です。それ、さっきまでトラックにスケボーでアタックしてたやつのいうことじゃないよね?何かこの辺、お酒でも飲みながらツッコみながら見たくなりました。

そしてここからはもう完全に哀ちゃん&博士のターン!はっきり言ってドヤ顔してるけど江戸川くんは何の役にも立ってないからね☆という完全にいらない子扱いというか寝てるおっちゃんの方がまた重要くらいな主人公。そう、これでも彼は主人公なんですよ。
真面目な話、哀ちゃんと博士の阿笠ファミリーを手に入れたやつは世界を手に入れたも同然ですよ。

というわけで無事に軌道を修正できたと思いきや、いちおう最後の見せ場っぽいサイドの修羅場はいつもどおりの蘭のピンチ。ここで目の色が変わる、さすが本能に忠実な男工藤新一。ちょっと見せ場があって、でもよく考えたらドヤ顔して使ってるそれ、お前がいつもバカにしてる博士の発明品だからな。

というクライマックスの真のMVPは安室の愛車RX-7ですよ。本当に良い車なんですよ。今や希少価値なその名車が、いつもながら可哀想すぎる(泣)。あれ、廃車なのかなあ。なんてもったいない。

さて、最後に犯人の早乙女だったか小早川っだったかの協力者の二三一くんと橘鏡子弁護士の関係と正体が明らかになります。で、頭にすぐ血が上る残念正義信者の二三一くんの身勝手行動の意味も分かるわけですが、ここからの流れは圧巻でしたしとても良かったです。
『協力者』から解放され、「さあ、愛する二三一くんのところに行けばいいんだよ」という勝手なある意味、剛昌的な流れ。うっかり風間は抜けているので仕方がないとしても、しかもどう考えても自分中心で自分に酔って自分の事しか考えてない二三一は鏡子さんが来てくれると勝手に信じ切ってて、見ながら「バカか、コイツら」とめちゃくちゃ冷めた目で見てたら、そこでその事実に「バカにするな!!」と切れる鏡子さんは本当に清々しかったですよ。全くその通り。
名前じゃなくて番号で、ある意味ではコードネームで呼ばれていた哀ちゃんも含めて、こんな勝手でバカでどうしようもない自分しか見えてないやつらに振り回せれる必要はないんですよ。というかこの二三一とか、なんで自分がまだ愛されて選んでもらえるって思ってたんだろう?

で、ここのシーンって一種の名探偵コナンっていう作品の全否定なんですよね。私は鏡子さんの怒りはもっともだと思いますし、ここはこうあって欲しかったと思います。でも考えてみたら今回の真犯人もそして二三一も、工藤新一の一つの側面に見えました。だからあえてこの映画のテーマとしてこれを持ってくるのは面白いとも思うんですが、しかし如何せん「名探偵コナン」という映画の大枠は越えられなかったんですよ。それが残念でなりません。

だから相変わらず新一は蘭が当たり前に待ってると思ってるし、蘭は今でもチョロく新一に騙されてるのを見るとなんともチグハグな気分になるんですよ。そしてああ、工藤って心底バカだなって思うんですよね。

そして最後のコナンと安室の会話。「どうして小五郎を巻き込んだのか?」という質問の安室の「そうしたら君の本気の協力が得られるから」という答えには感動しました。

いや、さすが安室さんですよ。そう!そうなんですよ!!コイツの頭はオレ、蘭、それ以外ですから!!

いや、さすが公安のゼロ。恐るべき観察眼ですね。

というわけで来年はキッドです。鈴木財閥には一年間、しっかり貯蓄しておいていただかなくてはいけないんですかね~。



そうそう、今回の毛利のおっちゃんには 惚れそうになりましたこともあわせてご報告申し上げます。


追記:公安の癒し系のうっかり君は風間じゃなくて風見だとご指摘をいただきました。ちゃんと覚えておきたいと思います。風見………風見………










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4 コメント

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初めまして (スムージーみかん)
2018-04-27 20:10:59
初めまして、偶然検索でこちらがヒットしまして、記事を拝読しました。
的確かつ痛快な批評で、非常にスッキリしました!

振り返ってみると今回のコナンと蘭は頭がお花畑のバカップルすぎてちょっと目に余る感じだったので、鑑賞後のモヤモヤ感はそれが原因だったのか、と思わず納得しました笑

その点対照的な、哀ちゃんの人間的な奥深さと理知的な振る舞いがより魅力的に感じました。
今後も哀ちゃんの活躍に期待したいです!
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Re:初めまして (kakurenzyou)
2018-04-28 17:49:46
>スムージーみかん さん
はじめまして。読んでいただいてありがとうございます。

ほとんど停滞してるblogなのですが、よろしければまた遊びに来てくださいませ。

今年は蘭の扱いがかつてなくかわいそうでしたね。哀ちゃんは活躍もさることながら逆ギレしたコナンへの対応なども、本当に大人でステキな女性です。出番は少なかったけど良いシーンが多くて私としては満足でした。
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Unknown (関西人)
2018-05-07 05:37:27
蘭の扱いが酷い、まさにその通りだと思います
蘭は本来ならもっと面白いキャラだと思うんですが、新一の相手・待っているヒロインというのが最優先されてしまうんでしょうね

蘭を単体のキャラとして扱わず、新一の相手としか扱わないから残念な描写をされてしまうんだろうなと思います
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Re:Unknown (kakurenzyou)
2018-05-26 20:05:14
>関西人さん

コメントありがとうございます。返事が遅くなり申し訳ありません。

蘭は強くて優しくて良い子だと思います。でも新一が出ると引き立て役みたいなるのが残念なんです。古い原作の話になってしまいますが、海で哀ちゃんと初めて握手を交わした事件の時などは素晴らしいキャラだったと思ったんですけどね。

前のように一人でも輝く活躍を期待したいです。
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