介護サービスほっと通信

「暖か介護でほっと一息」をモットーにしています。日々の仕事の中から感じたことなどを発信していきたいと思います。

訪問介護と医療行為

2009年12月02日 19時34分36秒 | 介護サービス
老振発第0728001号平成17年7月28日によって「医療行為とはみなさないもの」が示されたことによってかなり前進してきてはいるものの、この通知だけですべての状況の判断は不可能で、この通知に示されているものはあくまで一例に過ぎない。従ってこの通知に記載されているからという理由だけで詳細の状況を鑑みることなく行為を行うことははなはだ危険なことである。

さて、この通知、ご存知だろうか?

ケアマネジャーの中で知らない人も少なくない。訪問介護事業所においても然り。

この通知に関係する事象が発生した。詳細は差しさわりがあるので省くが、

原因1:利用者の主治医は当該行為をヘルパーも実施できると考えた。
原因2:カンファレンスに出席していた介護支援専門員は主治医のミスの指摘と修正をせずに、その誤った指示を鵜呑みにした。
原因3:介護支援専門員はこの通知を知らずに(あるいはたいしたことではないと蒸しをして)主治医の指示内容は医療行為ではないと解釈をした。
原因4:それをそのまま計画に位置づけ、事業所にサービス提供依頼を出した。
原因5:事業所はその行為が医療行為であって訪問介護では提供してはならないことを知らなかった(または知っていて無視をした)。

この状態の中で万が一の事態が発生すると
1:万が一の事態を発生させた訪問介護員は業務上過失傷害(または業務上過失致死)の罪に問われる。また医師法違反や保健師助産師看護師法違反などにも問われる。
2:そのような個別援助計画を作成したサービス提供責任者は業務上過失傷害(または業務上過失致死)保助看法違反の「共犯」に該当してくる可能性がある。
3:そのような居宅サービス計画を作成した介護支援専門員も同様。
4:少なくてもサービス提供責任者、事業所の管理者、事業者のトップ、計画作成介護支援専門員、居宅介護支援事業所管理者、居宅介護支援事業者のトップは、協働して損害賠償の責務を受ける。
5:各事業所はこれだけで即指定取り消しとなることはないだろうが、指定の一時凍結や更新時の一時保留の可能性は否定できない。
6:最も大きなペナルティーは「評価」である。今後仕事を継続していく上でかなりの大きなダメージを受ける。

知らない。知っていても「たいしたことではない」と思う。知っていても金のために無視をする。

「実施してしまう(しまった)」背景には何があるかによっても異なってくるが、少なくてもプロとして仕事をしている以上、この通知の「知らなかった」ということは通用しないし、知っていてなお無視をしたというのであればその罪は重くなっても軽くなることはない。

こんなことまで考えないし、考えられないから軽率な行動へと結びついていくのだろうが、その代償はきわめて大きい。


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2 コメント

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通知は大事ですよね、、、 (ベンチ待ち)
2009-12-07 10:25:24
自分は訪問介護の事業所に勤務になった段階では、通知文も何もしりませんでした。特養と老健の違いもわからなかったですもの。

会社として訪問介護に関しての法令文・通知文の保管がないのも今思うとおかしな話です。でもそんな事業所多いんでしょうね~

インターネットのおかげで知識も増えました。ありがたいことだと思います。
兼任CMさんや、ブルーマーチさんや、たくさんの方ともお知り合いになれて心強い限りです。
今後もよろしくお願いします。
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法令通知 (兼任CM)
2009-12-08 08:42:48
事業所が案外法令通知を理解していないってことありますね。

本来自分の飯の種なので理解していて当たり前ってスタンスで動かれてしまうんだけど、その前提が崩れるととんでもないことになるんですがね。

またインターネットって案外使われていないんだということを実感します。
検索したりBBS を観ればすぐにわかることを「知らない」と平気でいうことも多々。

与えられる修正が実にしみこんでいるからでしょうかね。
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