介護サービスほっと通信

「暖か介護でほっと一息」をモットーにしています。日々の仕事の中から感じたことなどを発信していきたいと思います。

事業所の数

2010年03月01日 11時32分30秒 | 介護サービス
当地の場合、人口約10万人、高齢化率25%
この規模でデイサービスが31事業所ある。

この事業所の数が適正なのか。

この判断は難しい。

実感としてデイサービスの利用が、利用者の必要性を満たすことができているのかというと必ずしもそうではない。
これは「この事業所で週X回」というものであったり、「●●さんと同じ利用日がいい」というものも含まれての「実態」だから。
単に事業所数と定員との関係性では成り立たないからだ。

主語を「事業者」に置き換えてみる。

31事業所という数。
この状況にありながら「倒産・撤退」ということは聞かない。
かといって「一極集中」ということもまた聞かない。

その意味では「過当競争」という状況に陥ってはいないと考えられる。

であればこの数は「適切な数」といえるのかもしれない。

しかしこの裏では「積極的な経営努力」「他事業所の差別化」「機能分化による特色作り」という経営戦略を持たなくてもそれを実践しなくても「やっていかれる」ということでもある。他事業所と競争をするのではなく、「右へ倣え」として「同じようなこと」をしていても食いっ逸れることはないということだ。

また「適正数」ということは「競争に負けることはない」ということであり「淘汰されない」ということにも結びつく。

競争社会であれば「他との差別化」と「売り物」を持つこと、その中身を高めていくことが必須要件になる。そのためには労使一丸となってサービス品質の向上と付加価値をつけていくことに目を向けて、取り組みをしていくことがなければいけないが、それがないということは「現状維持」のままでも最低限食っていかれるってことで、「質の向上」への取り組みはないがしろにされていく。

また、適正数という状況は新たな事業所進出にとってはマイナスに作用する。
マーケティングをし、参入しても採算が取れる可能性が低いとなれば新規参入は滞る。
結果として本来あるべき淘汰が行われないのは利用者だけでなく住民全体にとってマイナスに作用する。

このように事業所の数は多すぎてもよくないことがおこるし、かといって不足していてもまた困る。そして「数が適正」であったとしても底に「差別化」や「質の向上」のない状況も良くない。

本来であればこの「安定期」に胡坐をかいているのではなく、この時期から競争になったらどう対応をするか、生き残りのために何をするかを考えて、戦略的な取り組みが必要になっていく。

それによって質の向上を図ることが住民にとって大きな利益をもたらしていく。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
自由競争の原理が・・・。 (kaigoken)
2010-03-03 08:49:49
デイサービスに限らず、質で選ばれる事業所が残る背景が出来上がれば良いですね。
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質の勝負 (兼任CM)
2010-03-07 18:01:40
kaigokennさん、本当にそのとおりです。

何でも生き残れるような状態は不適切です。
それなりにがんばっているところが報われない仕組みはおかしい。

もう介護保険も10年です。そろそろ淘汰されていく必要があると思っています。
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