みなさんはレアメタル、と聞いた時に何を想像しますか?
私はこの本を読むまでは頭の上にでっかい?が浮かんでました。
第1章はレアメタルとは何か?、どこにあるのか?、なぜその心配をしなければならないのか?実例をもとに説明してくれます。
この本によればその用途はLCDに使われたり、2次電池の電極・電解質に使用されたり、LEDに使われたりするそうです。
そして、世界中で資源を買い漁る中国の話も出てきます。
アフリカやキューバ、南米にアプローチして資源を獲得していると。
また、2006年にはレアメタルの委託加工禁止令をだし、08年にはタングステンを10%、モリブデン、クロム、インジウムを15%、希土類は25%と輸出税を上げているのだそうです。
当然、連動して、市況は暴騰します。
リーマンショックまでに4倍から5倍に値上がりしたそうです。
また、北朝鮮にも莫大な資源が眠っていると。
第2章は市況の特殊性。つまり、市場の参加者の紹介です。
ロンドンで活躍するメタル・トレーダーと呼ばれる人たちの話は面白いです。
どうやら非常に小さいマーケットのようなのです。
そこで、おなじみの名前を発見!
松藤民輔氏のブログで頻繁に名前が登場するエリック・スプロット氏です。
07年当時、エリックはキング・オブ・モリブデンと呼ばれるほどモリブデンで財をなしていたそうです。
ところが08年1月に暴落に見舞われ、33ドルから8ドルまでさがり7割の損失を出したそうです!
著者はエリックのことをバッサリと切り捨てます。
「エリックは商品ファンドを通じてトレーダー的なパフォーマンスに挑戦した初めての金融資本家といえるだろう。
しかし、決してトレーダーにはなれなかった。儲かる話ならなんでもよかったのである。
レアメタルに対する「愛と哲学」がなかったのだ」
否定的ですね。
でも、愛と哲学があればだれでもトレーダーになれるの?
他にも、ジム・ロジャーズやソロスの話もでてきます。
外さないわけにはいかないから取り上げただけといった感じですね。
別に著者の知り合いではなさそうです。
大した内容じゃないです。ウィキにでものってそうなレベルです。
書評では割合好意的に描かれていますが、私はちょっと違います。
レアメタル採掘の現場を訪ねたときの話や交渉は面白いと思います。
しかし、この本の読者がなんらかの収穫を得ようとおもったら投資、という視点は外せません。
ですが、著者は自分もトレーダーでありながら、その点には言及していません。
プロの市場に素人が顔を突っ込むな!という視点です。
古くからいるメタルトレーダーについてはよく書かれていますが、エリックやジムロジャーズ、ソロスについてはとおり一遍の説明のみです。
おそらく、相手にされていないのでしょう。
そりゃそうです。彼ら(ソロスやジム・ロジャーズ)からしてみたら分散の一つです。
多くの人にとってはリターンがすべてです。
「愛と哲学」は家に帰ってから実践すればいいと。
トレーダーとしての著者中村氏はおそらく、急速に過去の人になっていくのだろうなあと感じました。
業界の第一人者であるからには旧来の玄人市場と金融市場との橋渡しをすればいいのに。。。
それにしても、思い出すのは松藤氏の講演で繰り返し話された、銅鉱山買って、会社を上場して、一時金持ちになる。
でも、自分の持ち株を売り切る前に同の市況が暴落して文無しになってしまう友人の話。
その類似話を、松藤氏の尊敬するであろうエリック・スプロットの失敗談から聞けるとは皮肉だなあと思いました。
ちなみにエリックの会社は上場してます。
トレーダーを目指す勘違い大学生が相も変わらず多いみたいですが、衰退にむかっている証券会社を志願するより、こういう会社で腕をみがけばいいのにね。
大学生レベルなら必読の書です。
☆☆☆
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私はこの本を読むまでは頭の上にでっかい?が浮かんでました。
第1章はレアメタルとは何か?、どこにあるのか?、なぜその心配をしなければならないのか?実例をもとに説明してくれます。
この本によればその用途はLCDに使われたり、2次電池の電極・電解質に使用されたり、LEDに使われたりするそうです。
そして、世界中で資源を買い漁る中国の話も出てきます。
アフリカやキューバ、南米にアプローチして資源を獲得していると。
また、2006年にはレアメタルの委託加工禁止令をだし、08年にはタングステンを10%、モリブデン、クロム、インジウムを15%、希土類は25%と輸出税を上げているのだそうです。
当然、連動して、市況は暴騰します。
リーマンショックまでに4倍から5倍に値上がりしたそうです。
また、北朝鮮にも莫大な資源が眠っていると。
第2章は市況の特殊性。つまり、市場の参加者の紹介です。
ロンドンで活躍するメタル・トレーダーと呼ばれる人たちの話は面白いです。
どうやら非常に小さいマーケットのようなのです。
そこで、おなじみの名前を発見!
松藤民輔氏のブログで頻繁に名前が登場するエリック・スプロット氏です。
07年当時、エリックはキング・オブ・モリブデンと呼ばれるほどモリブデンで財をなしていたそうです。
ところが08年1月に暴落に見舞われ、33ドルから8ドルまでさがり7割の損失を出したそうです!
著者はエリックのことをバッサリと切り捨てます。
「エリックは商品ファンドを通じてトレーダー的なパフォーマンスに挑戦した初めての金融資本家といえるだろう。
しかし、決してトレーダーにはなれなかった。儲かる話ならなんでもよかったのである。
レアメタルに対する「愛と哲学」がなかったのだ」
否定的ですね。
でも、愛と哲学があればだれでもトレーダーになれるの?
他にも、ジム・ロジャーズやソロスの話もでてきます。
外さないわけにはいかないから取り上げただけといった感じですね。
別に著者の知り合いではなさそうです。
大した内容じゃないです。ウィキにでものってそうなレベルです。
書評では割合好意的に描かれていますが、私はちょっと違います。
レアメタル採掘の現場を訪ねたときの話や交渉は面白いと思います。
しかし、この本の読者がなんらかの収穫を得ようとおもったら投資、という視点は外せません。
ですが、著者は自分もトレーダーでありながら、その点には言及していません。
プロの市場に素人が顔を突っ込むな!という視点です。
古くからいるメタルトレーダーについてはよく書かれていますが、エリックやジムロジャーズ、ソロスについてはとおり一遍の説明のみです。
おそらく、相手にされていないのでしょう。
そりゃそうです。彼ら(ソロスやジム・ロジャーズ)からしてみたら分散の一つです。
多くの人にとってはリターンがすべてです。
「愛と哲学」は家に帰ってから実践すればいいと。
トレーダーとしての著者中村氏はおそらく、急速に過去の人になっていくのだろうなあと感じました。
業界の第一人者であるからには旧来の玄人市場と金融市場との橋渡しをすればいいのに。。。
それにしても、思い出すのは松藤氏の講演で繰り返し話された、銅鉱山買って、会社を上場して、一時金持ちになる。
でも、自分の持ち株を売り切る前に同の市況が暴落して文無しになってしまう友人の話。
その類似話を、松藤氏の尊敬するであろうエリック・スプロットの失敗談から聞けるとは皮肉だなあと思いました。
ちなみにエリックの会社は上場してます。
トレーダーを目指す勘違い大学生が相も変わらず多いみたいですが、衰退にむかっている証券会社を志願するより、こういう会社で腕をみがけばいいのにね。
大学生レベルなら必読の書です。
☆☆☆
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