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なでしこジャパン、および、ヤングなでしこは一度解散すべきだ

2013年10月21日 14時59分08秒 | すぽーっの話題



サッカー女子、日本のフル代表チーム「なでしこジャパン」の妹分、「ヤングなでしこ」がU-20W杯出場権を逃しました。これが、昨日のアジア大会、AFC U-19女子選手権大会(AFC U-19 Women's Championship 2013)の最終戦、北朝鮮と引き分けた結果のその現実の結果。

これで今回の、AFC U-19女子選手権大会の最終順位は、1位韓国、2位北朝鮮、3位支那。と、ここまでがW杯出場権を獲得し、日本は3位の支那と勝ち点では並んだものの得失点差(1点差!)で4位となり、U-20W杯出場権はその掌中からこぼれてしまった。

最終戦で北朝鮮に勝っていれば・・・。間違いなく日本(ヤンなで)が北朝鮮よりも、そして、贔屓目ではなく、韓国よりも、もちろん、支那よりも技術水準は上だったのに・・・。「1勝」が「1点」が悔やまれます・・・。そんな声が巷には溢れているような気もします。

けれど、「北朝鮮に勝っていれば」あるいは「日本が北朝鮮よりも韓国よりも、もちろん、支那よりも技術水準は上だった」。てなことを弊ブログは金輪際考えません。弱いから負けるのです。弱いから勝てないのです。それだけのことでしょう。今回のヤンなでの全試合を反芻するに、私は、北京で開催された2007年のワールドカップ以前のなでしこジャパンみたいなイメージを持ちました。うまいんだけど、勝てない、と。





それはね、つまり、
要は、やっぱ、


日本は「弱い」んですよ。比喩ではなく、フィジカルが、そして、(弱いフィジカルをカバーするほどには)技術も組織力も備わっていない。つまり、日本は「弱い」上に「下手」なんですよ。畢竟、決定力不足というのは、結局、技術がないということですから。

もちろん、決定力不足を解消する「技術」とは、ボールコントロールや瞬時の状況把握能力--数秒後の状況の瞬時の予測能力--という意味の狭義の技術だけではなく、90分+αのピッチ上に流れる時間に耐え続けられる集中力の持続であり、そのための体力であり、また、そのための--要は、真剣勝負の90分+αの修羅場を想定した練習を日々積み重ねることのできる--ディスシプリンの血肉化なのだと思います。

昔、長嶋茂雄氏が「練習できるのも才能のうち」と言ったとか伝えられますが、その「練習量」とは、--体罰全盛時代の大昔でもあるまいに--名物鬼監督の率いる高校の部活の練習の如き、単なる物理的な時間や回数で計れるアホゲなものではないでしょう。

大阪でも最も荒れている地域の、しかし、荒れるほどの元気もなかったしょぼい公立中学校を、その独自のメソッドとカリスマ的指導力で陸上の全国大会の強豪校にした元・天理大学の原田隆史さんは--この記事のコンテクストに引き付けて私なりの言葉で意訳すれば--、<練習>とは、心技体、三位一体の強化であると語られている。

すなわち、①体力強化、②技術強化、そして、③メンタル面の強化--練習をやらさせられているのでもなく、時計で練習量を計るだけではなく、何が今の自分に必要かを自分で考え自主的に記録し常に反省する、その練習と記録と反省を怠らない習慣を身に着けること、更には、そのような習慣の獲得を可能にする生活態度と価値観をも身に着ける営み--の総合が<練習>である、と。


私が好きな松井秀喜氏が高校時代の恩師から送られた言葉であり、他方、私があまり好きではない野村克也氏も、しかし、しばしば講演で口にされるヒンズーの箴言も、上の原田さんや長嶋氏の知見と通底している、鴨。すなわち、

心が変われば、態度が変わる。
態度が変われば、行動が変わる。
行動が変われば、習慣が変わる。
習慣が変われば、人格が変わる。
人格が変われば、運命が変わる。
運命が変われば、人生が変わる。








要は、「ヤングなでしこ」は--そして、残念ながら「なでしこジャパン」も--個々の選手の技術は素晴らしいけれど、<技術>は世界のライバルと比べた場合、相対的に落ちているのではないか。そう私は危惧しています。そして、その原因は<練習>不足である、とも。

確かに、男子に比べれば、澤選手や宮間選手等の数少ないプロ契約選手でも冗談みたいな報酬しかもらえておらず、まして、大部分のなでしこ達はアルバイトしながら練習し試合に臨んでいる。確かに、それは「ハングリー」と言えなくもない。

けれど、女子サッカー選手を取り巻く環境は、アメリカとドイツとフランスのごく一部のスター選手を除けば(あるいは、これに加えて、あくまでも国際大会で活躍した前提ではあるのでしょうが、北朝鮮の一握りの選手を除けば)世界中どこも似たようなものです。実際、昨年のロンドンオリンピック前まで、ブラジル代表も女子チーム自前のユニフォームが購入できなかったのは有名な話でしょうから。

ならば、2011年のサッカー女子ワールドカップの優勝以降、端的に言えば「ちやほや」されてきた、日本の女子サッカーは、世界的に見れば相対的に<ハングリー>ではなくなっているかもしれないという感想も、満更、私の意地悪な見方ばかりとは言えないの、鴨。

ならば、文字通り、「ハングリー」な境遇から世に出て、そして、世間的にはハングリーではない/ハングリーである必要がなくなってからも、その道のプロとして最高のパフォーマンスを発揮すべく<ハングリー>であり続けている、ほしのあきさん、中島みゆきさん、キムヨナ姫の後姿には、幾らか学ぶべきことが<なでしこ>にはあるのではないかしら。と、そう私は思います。

昔、渋沢秀雄氏が、久保田万太郎翁の句会で、謙遜をまじえて「俳句なんて、いくらやっても進歩しないものですね」と言ったところ、万太郎翁は即座に「いえ、いえ、 あなたの場合は退歩しておられます」と返されたとか。蓋し、ヤンなでもなでしこも、もちろん、2011年の時から更にうまくなっているかもしれないけれど、世界的に見れば相対的には「退歩」しているの、鴨。そう危惧しています。





では、どうすればいい。

ならば、どうするか。


ヤンなでの選手も、なでしこの選手も今後はTV出演や雑誌取材禁止。
CM出演なんかもってのほか・・・、って?
そいでもって、恋愛禁止、ってか?

あほな、AKB48じゃあるまいに。
いずれにせよ、禁断の果実を一度食べた以上、
後にはもどれませんよ。選手も世間もね。


ならば、どうする。

では、どうするか。



蓋し、前進あるのみ。
畢竟、更に「強く」一層「うまく」なるのみ。

と、そう私は考えます。そして、そのためには、女子サッカーのナショナルチームは一旦解散するのが早道、鴨。すなわち、ヤンなでも、なでしこも、リトルなでしこも監督・コーチの総入れ替えが一番効果的ではないか。加之、世界中から、ドイツからもアメリカからも、イングランドからも、タイやベトナムからも、否、台湾どころか韓国や北朝鮮、そして、支那からさえも才能と健全な野心溢れる選手を帰化させることが早道ではないでしょうか。もっとも、帰化に関しては、その少女達が、日本は「皇孫統べる豊葦原之瑞穂国」であるというイデオロギーが公的イデオロギーである国であることを了承することが、当然の前提であることは言うまでもないことでしょうけれどもね。

畢竟、なでしこも、ヤンなでも、リトルなでしこも、監督を外国人の女性監督にして--できればドイツ人の監督とコーチで指導陣を固めて--、そいでもって、文字通り、世界中から「サッカー好きの少女」を集め--予定調和の雰囲気が覆っている選手間の競争に文字通りの競争原理を導入すること、而して、この二重の方策によって--世界レベルの<ハングリー>さを選手・指導者と世間の双方に注入することが必要なのではないか。そうとでもしない限り、日本の女子サッカーにはもう先はない、鴨。と、そう真面目に危惧しています。


頑張れ、なでしこジャパン!
頑張れ、ヤングなでしこ!
頑張れ、リトルなでしこ!



尚、<なでしこ>を巡る私の基本的な認識については下記拙稿をご参照いただければ嬉しいです。


【なでしこジャパン関連】
・なでしこジャパンの主将<宮間あや>に見る女子サッカーの無限の未来と乏しい現実
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/44bbe2495f726d918808786337208aad

・なでしこの澤選手が引退撤回-続けるのは自由だけど、日本代表入りは自制して欲しいかも?
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/7ba7270e37eb0074c503d0153ed30245

 


・海外報道紹介☆世界が称賛する<なでしこジャパン>!
 --以下、この記事を含め12本の連載
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/643740ec23042d51ef43b1db4dbe4bf1


【ヤングなでしこ関連】
・ヤングなでしこ-自信と課題をつかんだ黄金のようなU-20W杯銅メダル(上)(下)
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/3d65909e97f1f9bc08ddb5f4c67fcae3









 


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