母を待つ桜

この頃になって、いろんな思いが、こみ上げてきます



この写真は、入院していた母に外泊許可が出て、帰る前の日
雨と風で、家の前の桜が、散り始めました

どうか、もうこれ以上、散らないで
明日、どうしても、母に、この桜を見てもらいたい
そう願いながら、撮ったことを思い出します



玄関脇の水仙も、母の帰りを、一緒に待ってくれているように見えました



先生も、家族も、ぎりぎりの選択
命を懸けての外泊

母も、わかっていたのでしょう
父に、「生きて帰ってきたよ」と、言いました

介護タクシーから、ストレッチャーで降りてきたとき
この桜を見て、うれしそうな笑顔を浮かべました



母が、白く塗ったベンチ
よく、ここに座って、景色を見たり、話をしました
一人で座っていると、さみしいね

外泊から２週間後、母を見送ることになるとは
私には、想像すらできませんでした

「泣かなくてもいいよ」と、言ってくれていた母
その母が、旅立って３か月
今頃になって、涙があふれて仕方がありません


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