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『ルパン対ホームズ』 モーリス・ルブラン

2008年02月18日 23時00分30秒 | ■読書
 「ルパン」シリーズの『ルパン対ホームズ』を読みました。
(創元推理文庫の正式なタイトルは『リュパン対ホームズ』です)


バール・イ・ヴァ荘に続く「ルパン」シリーズです。
本作、少年時代にも読んでいるはずなのですが、ほとんど記憶に残ってないので、初めて読むのと同じような感覚で楽しみました。

以下の二話で構成されており、いずれもパリを舞台に「ルパン」「ホームズ」の一騎打ちを描いています。
1.金髪の婦人 (La Dame Bronde)
2.ユダヤのランプ (La Lumpe Juive)
「コナン・ドイル」に配慮してか、「ルパン」「ホームズ」の勝負の結果は、
「公平に言って、勝者も敗者もなかった。どちらも等しく、勝利を主張できたのである」
と結論付けているものの、その経過や結果を鑑みれば「ホームズ」が自尊心を甚く傷つけられた形となっており、「ルパン」が優越感を味わえる内容となっていますね。

-----story-------------
百万フラン当選の宝くじの紛失とフランス王冠にまつわる伝奇的な青ダイヤの盗難に始まる一連の怪事件は、名探偵「シャーロック・ホームズ」が登場するに及んで、ついに「ルパン」「ホームズ」の一騎打ち、フランス対イギリスの決戦の様相を呈するにいたった。
自らを国民的英雄ナポレオン皇帝になぞらえ、トラファルガーの復讐戦を自負する「ルパン」は、「ホームズ」を向こうにまわして痛快無類、手に汗握る活躍を開始する。
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「モーリス・ルブラン」が作った物語だから仕方ないかもしれませんが、、、
「ホームズ」の短所がやたらと誇張されていたり、直感に頼り論理的な思考を疎かにしたり、「ウィルソン」に対する態度が尊大だったりして、原作の雰囲気を随分壊している感じするところは、あまり好感が持てませんでしたね。

ちなみに、邦訳では「シャーロック・ホームズ」という名前が堂々と使われていますが、、、
『遅かりしシャーロック・ホームズ』という作品において無断で「シャーロック・ホームズ」の名前を使ったところ「コナン・ドイル」から盗賊的行為として厳重な抗議を受けたらしく、本作品の原作では「エルロック・ショルメ」という変名になっているそうです。

"S"の位置をファーストネームに移動させると「シャーロック・ホームズ」になるんですよね。
("Herlock Sholmes"→"Sherlock Holmes")

でも、何故か「ワトスン」の変名「ウィルソン」「ウィルソン」のまま邦訳されていますけど…
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