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『レンブラントをとり返せ―ロンドン警視庁美術骨董捜査班―』 ジェフリー・アーチャー

2023年01月02日 16時15分07秒 | ■読書
イギリスの政治家・作家ジェフリー・アーチャーの長篇ミステリ作品『レンブラントをとり返せ―ロンドン警視庁美術骨董捜査班―(原題:Nothing Ventured)』を読みました。
ここのところ、イギリスの作家の作品が続いていますね… ジェフリー・アーチャーの作品は2年前に読んだ『嘘ばっかり』以来です。

-----story-------------
大物名画窃盗犯を追え! 
手に汗握る美術ミステリーは緊迫の法廷劇へ。
警察小説の快作!!

本物のレンブラントには右下隅に〈RvR〉と署名があるんです――。
ロンドン警視庁の新米捜査員ウィリアム・ウォーウィックは大学で学んだ美学を武器に、警察が押収した絵画を即座に贋物と見破り、捜査班のメンバーとなる。
追うのは稀代の大物名画窃盗犯。
二転三転の攻防の末、ついに決着は法廷にもつれこむ! 
一筋縄では終わらない結末に、名ストーリーテラーの技が冴える美術ミステリー。 
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2019年(平成31年)に発表された作品… ウィリアム・ウォーウィック・シリーズの第1作です。

1979年。一流の法廷弁護士サー・ジュリアン・ウォーウィックは、息子のウィリアムが母校のオックスフォード大学に進み、ゆくゆくは自分の後を継いで弁護士になってくれるものと信じていた… しかしウィリアムはこともあろうに警察官になるという、、、

サー・ジュリアンの弁護で数多くの大物犯罪者が自由になり、その報酬で自分が何不自由なく生活しているということは、正義感の強いウィリアムにとって受け入れがたい事実… そこで母マージョリーの提案により、ウィリアムはとりあえず自分の選んだ大学で好きな学科を学び、そのあとで人生を決めることになる。

結果、ロンドン大学で美術史を専攻し、欧州で芸術鑑賞にあけくれたのち、帰国した彼は警察学校に入学… 大学出で、しかも著名な弁護士を父に持つことを隠し、実力で素晴らしい成績を勝ち取ったウィリアムに、地域のパトロール警官として新しい日々が始まる、、、

コンビを組んだのは、引退間近のベテラン巡査フレッド・イェーツ… 生まれも育ちも年齢も全く違う二人だったが、新米のウィリアムとってフレッドは理想の師匠だった。

ランベス署で地道に勤めあげたウィリアムは、ある悲劇を経て、ついに念願のスコットランドヤードで働くことに… 所属は美術骨董捜査班、高価な美術品の窃盗や贋作の他にも、所有権の確認や詐欺など、特殊な事件が次々に舞い込むが、捜査班が抱える最大の難問は7年前のレンブラントの盗難事件だった……。

後に警視総監へと昇り詰めるウィリアム・ウォーウィックの成長を描いた物語… 警察小説でもあり、美術ミステリでもあり、リーガル・サスペンスとしても愉しめる作品でしたね、、、

レンブラントの作品『アムステルダムの織物商組合の見本調査官たち』の盗難事件における知能犯とその弁護士との駆け引きが主軸ですが、アポロ11号が持ち帰った「月の砂」の小瓶や、チャーチルのサイン入り初版本の偽造犯、17世紀の沈没船とともに海に沈んでいたお宝銀貨の模造等の、複数の事件・エピソードが同時並行で進むし、後半は恋人で美術館の調査助手ベス・レインズフォードの父親の冤罪事件の解決まで絡んできて、やや混乱しつつ読み進む感じですが… それでも、それぞれの事件がキチンと終息する展開で、読後はスッキリでしたね。

続篇… ぜひ読んでみたいなー 

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