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『追憶の殺意』 中町信

2021年05月14日 21時36分00秒 | ■読書
「中町信」の長篇ミステリ小説『追憶の殺意(英題:The Fugue of Memory)』を読みました。


模倣の殺意に続き、「中町信」の作品です。

-----story-------------
自動車教習所の配車係が川土手で頭を強打して死んでいた。
さらに技能主任が密室状況下で殺され、続いて指導員が自分の車の中で殺されているのが発見される! 
指導員と教習生を巻き込み、複雑に絡み合った人間関係の中から、捜査線上に浮かんだ一人の容疑者。
だが、その人物には、二重三重に仕組まれたアリバイが!? 
著者がミステリの正統(密室+アリバイ破り)に挑んだ傑作!
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1979年(昭和54年)に第25回江戸川乱歩賞の最終候補作に選ばれた『教習所殺人事件』を、1980年(昭和55年)に『自動車教習所殺人事件』と改題して出版… その後、2013年(平成25年)に『追憶の殺意』に改題された作品、、、

「中町信」の作品って、改題されている作品が多いようですが、本作品は3つもタイトルを持っているようですね。

 ■プロローグ
 ■第一章 憎悪の牙
 ■第二章 檻の中の羊たち
 ■第三章 密室の死
 ■第四章 情事の果てに
 ■第五章 駐車場の死体
 ■第六章 ドアの解明
 ■第七章 死者からのメッセージ
 ■第八章 追尾の国道17号線
 ■第九章 偽造の背景
 ■終章 殺意のライセンス
 ■解説 三浦大


年も押し迫ったある日、埼玉県岩槻市の川土手で、自動車教習所の配車係「石川梅夫」が死体で発見された… 「石川」には職場の同僚「小笠原則夫」「新部進」と悪質なギャンブルを行なっていた疑いが浮上する、、、

そして年が改まったとたん、教習所の技能主任「金野健作」が密室状況下の建物の中で撲殺される… さらに指導員の「大淵正夫」が自宅マンションの駐車場にカバーをかけて駐めてあった自分の車の中で殺されていた!! 

自動車教習所に通う教習生と指導員――その絡み合いの中からあぶり出される複雑な人間関係… やがて捜査線上に浮かんだ容疑者、教習生の「設楽秀夫」には、二重三重の鉄壁なアリバイがあった……!?


謎の解明が、次の謎を誘発… そして、密室トリックに自動車の入れ替えトリック、さらにアリバイ作りのための年賀状(消印)トリックや時刻表トリック、ドライバーの入れ替えトリックという贅沢な構成、、、

本格ミステリを愉しめる展開でしたね… 唯一、気になるのは、感情移入できる魅力的な登場人物がいないことかなー 巧いし、愉しめるし、面白いんですけどね、そこがちょっと物足りませんでしたね。

でも、自動車教習所の雰囲気… とても懐かしく感じながら読めました、、、

もう30年以上も前ですけどねー



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