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『運命のボタン』 リチャード・マシスン(著),伊藤典夫・尾之上浩司(翻訳)

2024年03月21日 20時19分48秒 | ■読書
アメリカの作家リチャード・マシスンの短篇集『運命のボタン(原題:The Box:Button,Button and Other Stories)』を読みました。
リザ・スコットラインの『最後の訴え』に続き、アメリカの作家の作品です。

-----story-------------
訪ねてきた見知らぬ小男は、夫婦に奇妙な申し出をする。
届けておいた装置のボタンを押せば、大金を無償でご提供します。
そのかわり、世界のどこかで、あなたがたの知らない誰かが死ぬのです。
押すも押さないも、それはご自由です……究極の選択を描く表題作をはじめ、短篇の名手ぶりを発揮する13篇を収録。
スピルバーグ、キング、クーンツら世界中のクリエイターたちに影響を与え、彼らに崇拝される巨匠中の巨匠の傑作集
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1951年(昭和26年)から2004年(平成16年)に発表された13篇を収録……スリルとサスペンスが詰まった短篇集です。

 ■運命のボタン(原題:Button, Button)
 ■針(原題:Needle in the Heart)
 ■魔女戦線(原題:Witch War)
 ■わらが匂う(原題:Wet Straw)
 ■チャンネル・ゼロ(原題:Through Channels)
 ■戸口に立つ少女(原題:Little Girl Knocking on My Door)
 ■ショック・ウェーヴ(原題:Shock Wave)
 ■帰還(原題:Return)
 ■死の部屋のなかで(原題:Dying Room Only)
 ■小犬(原題:The Puppy)
 ■四角い墓場(原題:Steel)
 ■声なき叫び(原題:Mute)
 ■二万フィートの悪夢(原題:Nightmare at 20,000 Feet)
 ■解説 尾之上浩司

無名時代のスティーヴン・スピルバーグが監督したテレビ放送用の作品『激突!』の原作者であり、スティーヴン・キングらにも影響を与えたリチャード・マシスンの短篇集だけあって、テンポの速い会話と視覚的な表現が映画のように鮮明なところが特徴で、『世にも奇妙な物語』的な何とも言えない不思議な余韻を残す作品が多かった印象ですが……想像力が足りないのかなー 個人的には、あまり好みではなかったですね、、、

そんな中で印象に残ったのは、

押すと大金が手に入るが、見知らぬ誰かが死ぬボタンを巡る物語で、夫婦のすれ違いが結末の皮肉さを際立たせている『運命のボタン』、

戦争をテーマにしたこの物語で、魔女という非現実的な要素を通して、人間の残酷さを描き出している『魔女戦線』、

旅の途中で立ち寄った砂漠の安レストランでトイレに行った夫が姿を消し、客たちもだれも夫を見ていないという、突然の失踪というシチュエーションを扱った緊迫感あふれるサスペンス『死の部屋のなかで』、

飛行機恐怖症の男性の心理を巧みに描き出し、高所からの恐怖と幻覚の境界を探る『二万フィートの悪夢』、

の4篇かな……映像化されている作品もあるようなので、そっちで観た方が愉しめたかもしれませんね。

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