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じゅうのblog

こちらでボチボチ更新していく予定です。

『鏡の迷宮』 E.O.キロヴィッツ(著),越前敏弥(翻訳)

2024年11月30日 21時44分41秒 | ■読書
ルーマニアの作家E.O.キロヴィッツの長篇ミステリ作品『鏡の迷宮(原題:The Book of Mirrors)』を読みました。
ルーマニアの作家の作品を読むのは初めてですね。

-----story-------------
ある日、文芸エージェントのピーターのもとに届いた一篇の原稿。
迷宮入りした殺人事件の真相を告げるといいながら、後半部分は送られてきていなかった。
ピーターは残りの原稿の行方を、そして事件のことを調べ始めるが…。
エージェント、記者、元警察官と次々に交錯する語り手とそれぞれの視点。
全てのピースが揃ったとき、あり得ない真実が浮かび上がる!
世界中が騒然、ルーマニア出身の著者が贈る眩惑ミステリー。
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2017年(平成29年)に刊行された作品……本国ルーマニアではベストセラー作家であるE.O.キロヴィッツが初めて英語で執筆したミステリです。

 ■第一部 ピーター・カッツ
 ■第二部 ジョン・ケラー
 ■第三部 ロイ・フリーマン
 ■エピローグ
 ■謝辞
 ■著者からの短信
 ■訳者あとがき

文芸エージェントに送りつけられた小説の原稿……それは20年前に迷宮入りした殺人事件の真相を告白するものだった、、、

アメリカの文芸エージェントであるピーター・カッツは40代の男リチャード・フリンから原稿を送りつけられる……1987年に殺害された心理学教授ジョーゼフ・ウィーダーと当時学生だったフリン自身との交流を描いた回想録のようだ。

学生時代つきあっていた年上の女性ローラや彼女につきまとっていた元カレのティモシーのことなど興味深い内容であるものの、殺人事件に至る肝腎の後半原稿が欠けており、興味を持ったカッツは残りの原稿を求めてフリンと連絡を取ろうとするのだが……視点と思い込みの違いで読者をミスリードする異色のミステリー、呆然のラスト!

チャード・フリンが30年もの歳月を経てから突然回想録を綴ったのはなぜなのか? 彼が綴った内容は果たしてどこまで真実なのか? その謎を追って、文芸エージェントのピーター・カッツ(第一部)、フリージャーナリストのジョン・ケラー(第二部)、そして元警察官のロイ・フリーマン(第三部)へと真相究明の役割が引き継がれていくという興味深い展開……エピローグで、一応の決着をみるのですが、『藪の中』的な構成で一部の謎が解き明かされないことにモヤモヤ感が残り、気持ちが完全に晴れることがなく結末を迎えてしまうので、消化不良な印象でした。
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ボデガス アルベロの『エスパナチュレ カベルネ ソーヴィニヨン オーガニック』

2024年11月28日 21時57分08秒 | ■飲食
暑い季節が過ぎ去ったと思ったら、一気に晩秋……もう冬支度ですね、涼しくなってくると赤ワインが飲みたくなります、、、

ということで、スペイン産のワイン……ボデガス アルベロの『エスパナチュレ カベルネ ソーヴィニヨン オーガニック』を飲みました。

果実の芳香とカベルネのスパイシーな風味、オーガニックならではのいきいきとした口当りが特徴の辛口の赤ワインでした。

某HPの紹介文です。
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ボデガス アルベロの『エスパナチュレ カベルネ ソーヴィニヨン オーガニック』

オーガニックならではのいきいきとした口当たり。熟した果実の芳醇な風味と柔らかな渋みが調和したバランスの良い味わいが楽しめるオーガニックワインです。

英字名:Espanature Cabernet Sauvignon Organic
ワイナリー名:ボデガス アルベロ
内容量:750ml
アルコール度数:13.5%
葡萄品種:カベルネ・ソーヴィニョン
色:赤
産 地:スペイン・カスティーリャ イ レオン
カテゴリー:IGP
タイプ:中重口(ミディアムボディ)
種類:スティルワイン
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『みんなの怪盗ルパン』 アンソロジー

2024年11月27日 17時41分31秒 | ■読書
アンソロジー作品『みんなの怪盗ルパン』を読みました。
小林泰三、近藤史恵、藤野恵美、真山仁、湊かなえ、といった人気作家達が描く、怪盗ルパンのオマージュ小説アンソロジーです。

-----story-------------
江戸川乱歩生誕120年を記念して刊行され、テレビや新聞など様々な媒体にも紹介されて話題にもなったアンソロジー『みんなの少年探偵団』。
だが、数々の人を魅了したのは「少年探偵団」だけではない。
ポプラ社の歴史において、「少年探偵団」と双璧を成す「怪盗ルパン」シリーズもまた、多くの人の読書体験に強い影響を与えてきた。

世界一華麗な怪盗〝ルパン〟を現代を代表する作家が描くと、どのような世界になるのか――
子供時代、怪盗ルパンに胸を躍らせた過去を持つ作家陣が集結し、「怪盗ルパン」のオマージュ小説に挑む!
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2016年(平成28年)に刊行されたアンソロジー作品… 以下の5篇が収録されています。

 ■最後の角逐 小林泰三
 ■青い猫目石 近藤史恵
 ■ありし日の少年ルパン 藤野恵美
 ■ルパンの正義 真山仁
 ■仏蘭西紳士 湊かなえ

多くの人の読書体験に強い影響を与えてきた、怪盗ルパン・シリーズ……弱きを助け、強きを挫く、世界一華麗な怪盗アルセーヌ・ルパンの活躍に憧れた子供たちも数多いことだろう、、、

今作では、子ども時代に怪盗ルパンに胸を躍らせた過去を持つ作家陣が集結……怪盗ルパンと5人の人気作家が華麗に競演! 懐かしくて新しい、極上の作品ぞろいの怪盗ルパンのオマージュ・アンソロジー!

怪盗ルパン・シリーズは、大好きで小学生の頃に夢中になって読んだ作品なんですよねー どの作品も愉しめましたが、その中でも印象に残ったのは、

ホームズなのか、ルパンなのか、モリアーティなのか、それともワトソンなのか……最後の最後まで会話をしているお互いの正体がわからない、ルパン対ホームズ系の展開が愉しめる小林泰三の『最後の角逐』、

若手画家が初恋の人と再会するが彼女には許嫁が……ルパンが粋なキューピッド役として活躍する近藤史恵の『青い猫目石』、

日本を舞台に、危機に瀕した美女姉妹を助けるために、姉妹の父親を殺害した犯人を探り出し、冤罪で逮捕されている姉の恋人を救うためにフランスのレニーヌ公爵が活躍する湊かなえの『仏蘭西紳士』、

の3篇かな……怪盗ルパン・シリーズに熱中していた子どもの頃の熱い思いが蘇ってきましたね。
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『アラスカ戦線〔新版〕』 ハンス=オットー・マイスナー(著),松谷健二(翻訳)

2024年11月26日 17時17分56秒 | ■読書
ドイツの作家ハンス=オットー・マイスナーの戦争冒険小説『アラスカ戦線〔新版〕(原題:Alatna Duell In Der Wildnis)』を読みました。
ドイツの作家の作品は、3年前に読んだザーシャ・アランゴの『悪徳小説家』以来なので久し振りですね。

-----story-------------
【壮絶なサバイバル戦を描く冒険小説の名作が新版で登場! 】

1944年、アメリカ本土爆撃作戦を進める日本軍は、爆撃機の針路にあたるアラスカ上空の天候を知るため、精鋭部隊を原野に潜入させた。
この動きを察知した米軍も部隊を送り込み、追跡を開始するが……苛酷を極める大自然の中で知力と体力の限りを尽くして戦う男たちを描く戦争冒険小説の名作。
解説/関口苑生
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1964年(昭和39年)に刊行された作品……第二次世界大戦下のアラスカの原野を舞台に、日本軍とアメリカ軍の精鋭が死闘を繰り広げるというユニークな設定の作品で、その作者がドイツの作家という異色作です。

第二次世界大戦中、極寒の地で展開される男と男の対決。冒険小説の名作が新版で登場! 1944年、日本軍は占領地アッツ島で飛行場の建設を開始した……この地から爆撃機を飛び立たせ、米本土を攻撃しようというのだ、、、

だが飛行ルートにあたるアラスカ上空は天候不順で、出撃には多大な危険が伴っていた……かくて日高遠三大尉以下11名の精鋭はアラスカ山中に潜入、気象情報を送り始める。

が、これを米軍が察知、アラスカを知り尽くした男たち14名を送り出した! 苛酷な大自然を舞台にしたサバイバル戦を描く冒険小説の名作。

満州の関東軍で特別任務に就いており、先祖は武士で親子代々軍人の家系に生まれ、オリンピックの十種競技で銀メダルを獲得するほどスポーツ万能なうえに英語も話せ、少年時代から荒野の生活を好み樺太などで生活しており豊富な野外生活経験のある日高遠三大尉、

自然と動物を愛するアラスカの自然保護局の役人、森林生活と狩りの名手で根っからの狩人であることから日本軍の精鋭を探し出して捕らえるという、いわば「人間狩り」に興味を抱いているアラン・マックルイア、

過酷な自然の中で生き抜く力を持ったサバイバルのプロ同士が、酷寒のアラスカで生死を賭けた必死の追跡と逃走劇を始め、壮絶な闘いが展開……極北の原野で互いに罠をかけあい、相手の出方を読み、裏をかき、死力を尽くして闘う、、、

そこには、人間の敵だけでなく、獰猛な獣、全てを凍りつかせる寒さと強烈なブリザードといった大自然、飢餓感、自身の内部に生ずる焦りと絶望感……それらが脅威となって襲い掛かってきて、次々と生じる危機、二転三転する状況の変化に対応しながら生き抜いていこうとするという展開でしたね。

自分は絶対に死ぬわけにはいかない、自分が死なないためには、相手を斃さなければならない、そのためにはどんな手を使ってでも、最大限の努力を傾けなければならない……敵でありながらお互いにリスペクトしているというプロ同士の闘い、国家、民族、思想の違いを超えた、個人対個人、男同士の熱い思いがひしひしと伝わってきて、冒険小説の魅力、醍醐味が存分に味わえました、、、

途中から登場して日高らと行動をともにするアラトナというアラスカ少数民族ヌナムイト族の娘が物語に爽やかなロマンス的色彩を与えているところも印象的でしたね……本来なら自由の立場にある彼女たちの身にも否応なく戦争の渦が襲い掛かってくる現実も描かれていた良作だったと思います。
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『散歩のとき何か食べたくなって』 池波正太郎

2024年11月25日 22時11分08秒 | ■読書
池波正太郎のエッセイ集『散歩のとき何か食べたくなって』を読みました。
池波正太郎の作品は2年前に読んだ『剣客商売(四) 天魔』以来ですね。

-----story-------------
映画の試写そ観終えて銀座の〔資生堂〕に寄り、はじめて洋食を口にした四十数年前を憶い出す。
今、失われつつある店の味を克明に書留める。

映画の試写を観終えて、銀座の〔資生堂パーラー〕に立ち寄り、はじめて洋食を口にした40年前を憶い出す。
外神田界隈を歩いていて、ふと入った〔花ぶさ〕では、店の人の、長年変らぬ人情に感じ入る。
時代小説の取材で三条木屋町を散策中、かねてきいていた〔松鮨〕に出くわす。
洋食、鮨、蕎麦、どぜう鍋、馬刺から菓子にいたるまで、折々に見つけた店の味を書き留めた食味エッセイ。
貴重な写真を多数収録。
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平凡社の発行するグラフィックマガジン『太陽』に連載されたエッセイを収録して1977年(昭和52年)に刊行された作品です。

 ■銀座・資生堂パーラー
 ■室町・はやし
 ■神田・連雀町
 ■三条木屋町・松鮨
 ■外神田・花ぶさ
 ■藪二店
 ■大阪ところどころ
 ■京都・寺町通り
 ■横浜あちらこちら
 ■近江・招福楼
 ■渋谷と目黒
 ■京都・南座界隈
 ■銀座界隈
 ■信州ところどころ
 ■浅草の店々
 ■深川の二店
 ■名古屋懐旧
 ■京にある江戸
 ■フランスへ行ったとき
 ■あとがき
 ■索引
 ■解説 佐藤隆介

食味エッセイなのですが、単なるグルメ本ではなく、持続するものの美しさへの賛歌であり、商人道や職人気質という現代では失われつつある時代、昔ながらの流儀への挽歌……というような印象のエッセイでしたね、、、

もちろん、稀代の食いしん坊であることが、このエッセイの原点なので……銀座・資生堂パーラー、室町・天ぷらはやし、神田・洋食松栄亭や甘味処竹むら、京都三条木屋町・松鮨、外神田・料理屋花ぶさ、御堂筋かやくご飯・大黒、法善寺横丁・夫婦善哉、京都三条・イノダコーヒーやバーサンボア、寺町通り・洋菓子村上開進新堂、横浜弁天通り・カフェスペリオ、中華街・徳記、渋谷・ちゃんぽん長崎、目黒・とんかつとんき、京都南座界隈・おでん蛸長や御釜飯・由良之助、銀座界隈・天ぷら天國や寿司幸、菊鮨、洋食・煉瓦亭 等々の池波正太郎が愛した数々の店や場がふんだんに紹介されていて、むちゃくちゃ食欲をそそられましたねー 空腹時に読むのは辛い作品でした。

生きている限り、食べて排泄するという行為は続きますからね……せっかくなら美味しいモノを食べたいですね。
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『魔女―エリカ&パトリック事件簿〈上〉〈下〉』 カミラ・レックバリ(著), 富山クラーソン陽子(翻訳)

2024年11月24日 21時12分07秒 | ■読書
スウェーデンの作家カミラ・レックバリの長篇ミステリ作品『魔女―エリカ&パトリック事件簿〈上〉〈下〉(原題:Haxan、英語題:The Girl in the Woods)』を読みました。
カミラ・レックバリ作品は、先月に読んだ『獣使い―エリカ&パトリック事件簿』以来ですね。

-----story-------------
〈上〉
また少女が消えた──バリィ家の娘ネーアが行方不明になったという報を受けたパトリックの頭を、30年前の事件が過ぎった。
当時4歳のステラ・ストランドは行方不明後、惨殺死体で見つかった。
バリィ農場は元ストランド農場で、ネーアも4歳。
しかも、ステラ事件のときに未成年だったため逮捕されなかった容疑者マリーは、つい最近女優として撮影のため町に戻ったばかり。
大人気シリーズ第10弾!

〈下〉
4歳のステラを殺した犯人は、後頭部を執拗に殴っていた。
30年前の事件の資料を集め、本を書く準備をしていたエリカは、今回のネーアの消息不明とステラ殺害との関連を直観した。
折しも町にはシリア難民が流れ込み、元からの住民との諍いも頻発、そして解決しない事件に苛立つ何者かが移民の住居に放火し、町は大混乱に……。
現代社会を映すミステリシリーズ、ついに怒濤のクライマックスへ!
(解説/福田和代)
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2017年(平成29年)に発表されたエリカ&パトリック事件簿シリーズの第10作目です。

農場に住む4歳の少女ネーアが森で惨殺遺体となって発見された、30年前に起きた4歳の少女ステラ・ストランドの殺人と全く同じように……北欧発大人気シリーズ第10弾。

フィエルバッカ郊外の農場で4歳の少女リネーア(ネーア)・バリィが行方不明になり、警察、地元住民有志等による捜索の結果、ネーアは森の池で死体となって発見されるが、そこは30年前に4歳の娘ステラ・ストランドが惨殺死体で発見された場所だった……ステラ事件では、ステラのベビーシッターを頼まれていた当時わずか13歳の少女マリーとヘレンの2人が容疑者となり、当初は犯行を自白するが後に否認、未成年だったこともあり逮捕されることはなかった、、、

2人の少女のうちマリーはハリウッド女優として成功し、新たな映画撮影のためにイングリッド・バーグマン役としてフィエルバッカに戻って来たばかりだった……もうひとりの少女ヘレンは父親の友人だった年上の軍人ジェームス・イェンセンと結婚し、地元で園芸店を営んでいた。

パトリックをはじめとするターヌムスヘーデ警察署の面々は、30年前の事件を本にするために取材を進めていたエリカも巻き込んで、ネーアとステラの2つの事件の類似性に悩まされながら捜査を進めるが真相解明は遅々として進まなかった……そんな中、シリア難民の犯行だと断言するものたちが現われ、難民収容所が放火される事件が発生し、捜査はさらに混迷する……。

4歳の少女ネーア殺害事件の犯人探しを中心に据えつつ、現在の事件だけでなく、30年前のステラ殺人事件の解明や17世紀の魔女狩りまでが絡んでくる重層的な展開……それに加えて、外国人排斥、親子の断絶、学校での虐め、民間人による銃の乱射事件等の社会問題も重要なテーマとなっており、重苦しくなりそうな要素が多いのですが、、、

相変わらずの読みやすさや、主人公をはじめとする登場人物の私生活が丹念に描かれており感情移入しやすいこと、そして物語が進むにつれて過去の事件と現在の事件が結びつき、バラバラと思われたエピソードがひとつに収斂していく堪らない展開が愉しめ、上下巻で1,000ページを超える大作なのですが、長くは感じなかったですねー どっちかというと、まだまだ終わらないで! という印象ですね。

本作は終盤に巻き起こる惨禍……虐められた子どもたちによる復讐、巻き込まれた子どもたちの惨劇、子どもたちを救出しようとした移民の悲劇が強く印象に残りました、、、

その惨禍の後、哀しくて辛い真相が明らかに……加害者も被害者なんだと思うと、切なくて、やるせなくて……何が善で、何が悪なのか……考えさせられました。

本シリーズは、硬派な社会問題を縦軸、エリカとパトリックを中心とした家庭的な事件を横軸とした絡む合う作風が魅力で、まだまだ先を読みたいのですが……現時点で邦訳されているのはこの作品まで、、、

本国では出版されているのかな? 続篇を期待しています。
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『阿川佐和子のこの人に会いたい〈8〉』 阿川佐和子

2024年11月23日 21時08分42秒 | ■読書
阿川佐和子の対談集『阿川佐和子のこの人に会いたい〈8〉』を読みました。
阿川佐和子の作品は今年の2月に読んだ『い女、ふだんブッ散らかしており』以来ですね。

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週刊文春の長寿看板連載「阿川佐和子のこの人に会いたい」傑作選第8弾です!
長嶋茂雄、綾小路きみまろ、白鵬、マツコ・デラックス、由美かおる、大橋のぞみ、池上彰、団鬼六、西田敏行、梶芽衣子に加え、故・藤田まこととの特別対談に、「うちのお父ちゃん」阿川弘之まで登場(敬省略)。
豪華メンバーと語り尽す極上会話の宴。
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文藝春秋の発行する週刊誌『週刊文春』連載されている対談『阿川佐和子のこの人に会いたい』の傑作選第8集です……2009年(平成21年)から2010年(平成22年)に掲載された対談の中から選び抜かれた傑作に、1998年(平成10年)の故・藤田まこととの特別対談(1998年)を加えた一冊です。

 ■長嶋茂雄(読売ジャイアンツ終身名誉監督)
  ~また監督をやりたいかって?もう年だから。それより選手がいいね~
 ■綾小路きみまろ(漫談師)
  ~若者向けのネタ?やりませんよ。なぜなら、彼らもいつかは中高年~
 ■白鵬翔(第69代横綱)
  ~相撲がなくなればこの国は終わるのでは-そういう強い気持があるんです~
 ■福田衣里子(衆議院議員)
  ~厚労省の官僚とも力を合わせていきたい。官僚と結婚するかもしれませんし~
 ■野口聡一(宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙飛行士)
  ~日本人が日本のロケットに乗る時代にしなければ~
 ■大橋のぞみ(子役・歌手)
  ~『ポニョ』で紅白、今から緊張してます!~
 ■さだまさし(歌手)
  ~借金35億。毎日死にたいと思った。でも、死のうと思ったことは一度もないですよ~
 ■由美かおる(女優)
  ~『黄門』の入浴シーン撮影のとき、なぜか人が増えていた。困ったもんですね~
 ■西田敏行(俳優)
  ~もともとよく泣く方ですけど、一番号泣したのは85年、タイガース優勝の時でした~
 ■タモリ
  ~『いいとも!』27年。全てを超越しちゃって、意気込みも意気消沈もないです~
 ■半藤一利(作家)
  ~昭和日本に外交らしい外交はなかった。外交下手は今に始まった話じゃないんです~
 ■団鬼六(作家)
  ~渥美清さんに「SM小説だけを書け」と言われた。それで迷いは吹っ切れたんです~
 ■梶芽衣子(女優)
  ~『さそり』の頃は松島ナミな感じで不機嫌だったから、皆に迷惑がられました~
 ■三國連太郎(俳優)
  ~今の人は芝居が小手先ばっかりで。それは(佐藤)浩市も然りです~
 ■マツコ・デラックス(コラムニスト)
  ~テレビをつけたらこんなのが出てるなんて、ダメよ!そんな国~
 ■林真理子(作家)
  ~あと20年くらいは連載頑張ろうかなと。70周年でまた対談呼んでください~
 ■池上彰(ジャーナリスト) ゲスト受講生 室井滋(俳優)
  ~税収37兆で予算92兆。そんな赤字でなぜ日本は「まだ大丈夫」なの?~
 ■財津一郎(俳優)
  ~撮影所で藤田まことさんと会った。映画が最後に僕らを会わせてくれたんです~
 ■[特別収録] 藤田まこと(俳優)
  ~借金が増えたら楽に仕事ができるようになりました~
 ■阿川弘之(作家)
  ~父「何を喋ればいいのか目算ないんだよ」娘「大丈夫、なんとかしますから」~

週刊文春の長寿連載、文庫化第8弾! 週刊文春の人気連載『阿川佐和子のこの人に会いたい』傑作選第8集……大橋のぞみ、綾小路きみまろ等、旬の人々が登場する文庫オリジナルです。

錚々たる対談相手に驚きますねー そして、話の引き出し方が巧い! 一筋縄ではいかない対談相手ばかりですが、本音と思われる部分をしっかり聞き出していますからね……阿川佐和子の聞き手としての力量に驚きました、、、

そして、それぞれの対談者の人生観を垣間見ることはとてができて、とても勉強になりましたね……そんな中でも印象に残ったのは、俳優として大好きな西田敏行、梶芽衣子、三國連太郎、藤田まこと、昭和を語らせたらこの人しかいない歴史探偵の半藤一利、あとは長嶋茂雄、マツコ・デラックスかなー 阿川弘之との親子対談も良かったですね。

このシリーズ、なかなか面白そうなんで、機会があれば別な作品も読んでみたいですね。
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『アズ・ユー・ワー』 リアム・ギャラガー

2024年11月20日 20時16分15秒 | ■音楽
著者 :
WARNER BROS. RECORDS
発売日 : 2017-10-05
2017年(平成29年)に発表されたリアム・ギャラガーのソロ・デビュー・アルバム『アズ・ユー・ワー(原題:As You Were)』を聴いています……オアシス解散後およそ3年の沈黙を破ってリリースされた作品です、、、

ストレートなギターロックの"Wall Of Glass"で幕を開ける印象的なアルバムです……イイですねー 聴いているだけなら、ほぼオアシスですね。

ゆったりしたナンバーで、アコギ一本の弾き語りから段々楽器が増えて盛り上がっていく構成の"Paper Crown"、

ほとんどアコースティックギターとパーカッションだけで進んでいく素朴な曲"Chinatown"、

ミドルテンポでノリの良い"Come Back To Me"、

メロディの良さが抜群の"Universal Gleam"、

等々、佳曲ばかりですねー クルマの中で1か月以上リピートしています……まだまだ飽きずに聴けそうです。

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1.Wall Of Glass
2.Bold
3.Greedy Soul
4.Paper Crown
5.For What It's Worth
6.When I'm In Need
7.You Better Run
8.I Get By
9.Chinatown
10.Come Back To Me
11.Universal Gleam
12.I've All I Need
13.Doesn't Have To Be That Way
14.All My People / All Mankind
15.I Never Wanna Be Like You
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『女王ゲーム』 木下半太

2024年11月17日 19時45分24秒 | ■読書
木下半太のサスペンス作品『女王ゲーム』を読みました。
木下半太の作品は先月読んだ『GPS:沖縄県庁 幽霊の告白』以来ですね。

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『悪夢のエレベーター』の鬼才が描くババ抜き勝負!

女王ゲームとは命がけのババ抜き。
優勝賞金10億円、イカサマ自由、但し負ければ死。
裏をかきあい知力を尽くす死亡遊戯の開始だ!
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2013年(平成25年)に刊行された女王シリーズの第1作です。

賞金10億円、敗北すれば死、それが女王ゲーム、命がけのババ抜き……参加者は美女と奴隷のペア、イカサマ自由、細工したカードの持ちこみ可、、、

主催する謎の美女に挑むのは、イケメン東大生と美女教師、都知事と女子中学生、崖っぷちアイドルとオタクの3組……策略とイカサマの果てに勝利するのは? 驚異のドンデン返しギャンブル・サスペンス!

勝てば賞金10億円、負ければ死んで剥製に……そんな死のゲームに挑む男女の戦いを描いたサスペンス、、、

女王ゲームの勝負の方法は単純だけど、命懸けのババ抜き……美女と奴隷の男のコンビ4組がゲームに勝ち残るために、それぞれイカサマを仕込んで激突するという展開で、逆転につぐ逆転、ドンデン返しの連続が愉しめる物語なのですが、そもそもギャンブルに興味が無いせいか、作品に入り込めなかったですねー 続篇を期待させるようなエンディングで、それなりに愉しめたんだけど、ぜひ続篇を読みたいなー と思うほどではない という印象でしたね。
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『われは歌えどもやぶれかぶれ』 椎名誠

2024年11月16日 20時34分43秒 | ■読書
椎名誠のエッセイ集『われは歌えどもやぶれかぶれ』を読みました。
椎名誠の作品は先月読んだ『おなかがすいたハラペコだ。』以来ですね。

-----story-------------
ピロリにコロナに熱中症 もう、怖いものはありませんな
やぶれかぶれなシーナの日常

モノカキ人生も40年を過ぎると体のあちこちにガタが出てくる。
おかげで長旅はおっくうになるし草野球では長打が打てないし、極悪ピロリ菌や不眠症のせいで若い頃は無縁だった通院が日課に……と、こぼしつつも痛飲はやめられず、シメキリ地獄に身を委ねてせっせと原稿を量産し、食が細くなったことを自覚しながらつい大盛りを頼んでしまう、やぶれかぶれのシーナの日常がみっちり詰まった一冊。
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までの期間、毎日新聞出版発行の週刊誌『サンデー毎日』に2016年(平成28年)8月から2017年(平成29年)10月に連載されたエッセイを収録して、2018年(平成30年)に刊行された作品です。

 ■極悪ピロリ完全掃討戦記
 ■標高二万七〇〇〇メートルの山
 ■こんな話でいいのだろうか
 ■サスペンストイレ
 ■あとがき
 ■文庫版あとがき
 ■文庫解説と暴露と告発 竹田聡一郎

〈このタイトルは室生犀星が「純文学誌」に書いた小説をぼくが高校生のときに授業中に読んでいて──小便がでなくて苦悩するこの小説に首をかしげていたものだ。尿が出ない苦悩、なんて高校生には意味がわからなかった。今は前立腺肥大によるものと理解できる。そのときの犀星は72歳でいまのぼくがそれと同じだ〉。

極悪ピロリ菌掃討作戦を決行するも、思いもかけぬ困難が待ち受けたり、昔の旅のアレコレも「もう二度と行かないだろう」という苦い述懐になったり……シーナさんの日常と非日常。

人間ドック受検時の不安や、食が細くなったのについつい大盛りやセット物を注文したりすること、新幹線や電車、バス等の隣の席の客問題、エアバッグへの不安 等々、やぶれかぶれなシーナさんの経験は、自分の日々の体験と重ね合わせながら読めて面白かったですねー 美味しそうな麺類の話題も印象的でした……美味しいワンタンメンやソバを食べたくなりました、、、

忘れられないのは……中国での壁、床、天井がウジ虫だらけのトイレ事情のエピソード、恐ろしすぎて頭から離れませんね。

相変わらずですが……シーナワールド全開のエッセイで愉しめました、、、

肩の力を抜いてリラックスして読めるんですよねー 気分転換にもってこいですね。
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