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『獣使い―エリカ&パトリック事件簿』 カミラ・レックバリ(著), 富山クラーソン陽子(翻訳)

2024年10月05日 15時02分24秒 | ■読書
スウェーデンの作家カミラ・レックバリの長篇ミステリ作品『獣使い―エリカ&パトリック事件簿(原題:Lejontamjaren、英語題:The Ice Child)』を読みました。
カミラ・レックバリ作品は、7年ちょっと前に読んだ『死神遊び―エリカ&パトリック事件簿』以来なので久し振りですね。

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誰がこんなにおぞましいことを?
―極寒のスウェーデン。
森の中から裸同然の少女が現れ、道路へ踏み出して轢死した。
面影は失われていたが、4か月前から行方不明だった乗馬クラブ生徒ヴィクトリアと判明。
検死の結果、生前に眼球はくりぬかれ、鼓膜は破られ、舌も切り取られていた。
捜査に当たったパトリックは、周辺で同年代の少女の失踪事件が相次いでいると知り…。
震撼の人気シリーズ第9弾!
(解説/大矢博子)
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2014年(平成26年)に発表されたエリカ&パトリック事件簿シリーズの第9作目です。

極寒のスウェーデン、森の中から突然現れ、通りがかった車に轢かれて死んだ少女……その目はくりぬかれ、鼓膜は破られ、舌も抜かれていた、、、

世界で2000万部超の人気シリーズ第9弾!

本シリーズを読むのは7年ちょっと振りですが、第1作目から第8作目まで順番に読んでいるので、エリカ・ファルクやパトリック・ヘードストルムを中心とした登場人物に出会うと懐かしいような、嬉しいような、そんな感情がこみ上げてきましたね……面白かったです、、、

本作は、行方不明だった少女ヴィクトリア・ハリバルが発見される場面で幕を開け、交通事故に遭って運び込まれたヴィクトリアには事故以前に激しい拷問を受けた形跡があり、その日のうちに命を落としてしまう……他にも行方のわからない少女が複数おり、パトリックたちは事件を追うことに。

一方エリカは、夫を殺したとして刑務所に収監されているライラ・コヴァルスカの取材に取り組んでいた……ずっと断り続けられて面会を、なぜか急にライラが承諾したのだが、肝心の事件のことについては何も語ってくれない、、、

物語が進むにつれて、全く無関係と思われた少女行方不明事件とライラの一件が結びついてきて思いもよらぬ真相が明らかになる……しかも、終盤にはどんでん返しに次ぐ、どんでん返しが用意されているという、堪らない展開でしたね。

過去の事件と現在の事件が関係してくるパターンや、エリカが個人的な興味から捜査に乗り出し、好奇心まる出しで自己中心的で不用意な行動に出ちゃう……という定番的な展開も相変わらずで愉しめましたね、、、

本シリーズの魅力は、主人公をはじめとする登場人物の私生活が丹念に描かれており、家族の問題だけでなく、ターヌムスヘーデ警察署の面々との関係も理解しながら読み進められる群像劇の一面もあり、感情移入しやすく、生活感をリアルに感じながら読めることかな……次作も早く読んでみたいですね。
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