海猫は空を飛ぶ

日常のちょっと違うと思ったことを書き連ねていきます。

原油価格、60ドル割れ

2008-11-12 12:48:58 | 社会
昨日から、60ドル割れを窺っていたWTIは、ついに終値で前日比3.08ドル安の1バレル59.33ドルとなった。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081112ATQ2INYPC12112008.html

巷のガソリン価格もどんどん下がり続けており、私が通勤の道端で見るスタンド価格は127ー8円が中心となっている。
この先、現在の原油先物価格が反映されてくるので、来月には110円台が平均となるだろう。

やっと、狂乱、高騰に惑わされ続けてきたガソリン価格も安定時期に入ったのかもしれない。

しかし、この安値は手放しでは喜べない背景を抱えている。
まずは、ロシアなど高コストで精製している産油国の政治経済が不安定になることだ。世界金融の崩壊とも言える混乱で、ただでさえ需要が減り経済が悪化している中、資源国の経済悪化はそのまま政情不安定につながるだろう。
国民の不満は一気に爆発し、内乱や戦争に発展しかねない。

また、投機マネーの流入や運用で好況を呈していた国々が破綻に陥ろうとしている。アイスランド、ハンガリー、そしてお隣韓国なども大変な状況に陥っているという。

アメリカでもGM、クライスラーがピンチだ。ガソリンがぶ飲みの大型車を作っていた反動、さらには自動車ローンの破綻などで両者とも倒産寸前まで追い込まれている。
アメリカ政府は、支援を表明しているが売れない車を抱えている企業に支援しても無駄とまでいうエコノミストもいる。

世界的に環境対応車に対する支援が中心になれば、一層のガソリン安につながる。資源国はますます苦しくなっていくという構図だ。

ガソリンがもっと安くなって、環境対応車の開発が停滞しても今度は温暖化防止に反するというジレンマも抱えることになる。

まあ、すべての原因はサブプライムローンにたんを発した、マネーの暴走にあったわけだ。

お金に狂ったアメリカは、今その高すぎる代償を支払っていくことになる。