Suさんの学球日誌

理科&日本語教師のSuさん(旧名SunQ)が、
国内・国外様々な学校を渡り歩き、
いろいろなチャレンジを試みます。

センターコート

2008年05月12日 | 卓球
 関東大会千葉県予選最終日,男子シングルス準決勝・・・フロア中央に2台だけ残されたコートの中に,なぜか我がチームのエース君と私がいた。夢の中のような風景だった。

 初日の団体はダメだった。優勝候補の一角の学校に対し,研究し対策練習を行い挑んだが0-3で跳ね返された。2日目のダブルス,ベスト4のペアになんとか1セットをもぎとったが,勝利には遠かった。そして3日目,もう少しだけでも食い下がりたい,一戦ずつ,いや一点ずつ力を出させるのみ,と臨んだシングルスだった。
 シード選手の中ではおそらく最弱と思われるエース君の山には,中学時代県代表の実績をもつ1年生やエース君が苦手とするおなじみの3年生選手まで曲者がずらりとそろった。はたして彼はこの難局を乗り切れるのか?

 試合が始まった。相手はカット型の選手。ふだんは気迫でプレーするエース君だが,今日は少しだけ様子が違う。「カット打ち楽しい!」自分で自分に言い聞かせ,笑顔でプレーしている。これは良い!優れたパフォーマンスを行うためにはりリラックスすることが最も重要だ。「楽しいぞ楽しいぞ」と暗示をかけることにより,力みの無い良いプレーが引き出されている。以前プレッシャーに負け,実力が出せなかった経験を十分活かしている。こちらもそれに乗り少しゆったりしたペースで応援の声を飛ばす,快勝。

 天が味方することも時にはあるのだろう。春風を背中に受けながら自転車をこいでいくような不思議な感覚だった。マークしていた選手が次々に敗れていく,勝ち上がってきた選手はもちろん強いのだが,エース君は過去の苦戦・敗戦の経験を活かし勝ち抜いていく。小柄で球威が無いにもかかわらずエースを張っている男だ。工夫は人一倍している。同じような負け方を繰り返したりしない。 かくして,笑顔の勢いは16シード確保に留まらず,ベスト8入り,さらに準々決勝でも勝利し,このセンターコートにやって来たのだった。

 団体で完敗したチームの選手に立ち向かっていくエース君の後姿を見守りながら,私は共に県代表を目指し歩んだ過去の教え子たちを思い出していた。
「きみたちの時に叶わなかった夢のうち,やっと一つ叶ったよ」
「先生,まだ夢が完全に叶ったわけじゃないんだから油断しないで下さいよ」生意気なアイツが言いそうなセリフが思い浮かんだ。そうだね,そのとおりだ。
さあ,次のセット間で言うアドバイスを考えなきゃ。次の目標へと進むのだ。




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3 コメント

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Unknown (蜂 吾郎)
2008-05-12 21:49:00
私が好きな人生訓のひとつを紹介します。


夢は夢にあらず
叶えるものなり
夢あれば苦も楽なり
夢は新たな夢を呼ぶ
    
    -作者不明-


頑張って下さい。


 
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Unknown (旭ジュニア)
2008-05-13 07:13:47
おめでとうございます。努力すれば夢は叶うのですね。次の夢に向かって頑張りましょう。
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Unknown (sunQ)
2008-05-13 09:59:23
蜂さん,旭ジュニアさんありがとうございます。これを励みにまた頑張っていこうと思います。
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