気の向くままに junne

不本意な時代の流れに迎合せず、
都合に合わせて阿らない生き方を善しとし
その様な人生を追及しています

(‘75) 7月5日 Woman Pianist

2022年08月05日 | 日記・エッセイ・コラム
Woman  Pianist 山城キヨコ
6月29日の午前中、何故かエレクトーンが運ばれて来た。誰もが不思議がっていた。夕方近くになってオーナーからの説明が有り、ようやくみんな納得した。それは当然飾りなどではなく、エレクトーンの演奏で雰囲気を盛り上げる効果を狙うと云うものであった。確かにいい思いつきだとは思う。でも肝心のピアニストは?この石垣島にいるのだろうか…と、(失礼ながら)一瞬考えてしまった。ところがピアニストは既に決まっていて、今日から始めるとの事。どんな人が来るのだろうか…というのが正直なところだった。

やがてそのピアニストと称する少しばかり老けた感じの男の人がやって来て演奏を始めた。私の気持ちの中では、
『え〜、これでもブロなの?!』
という思いしかなかった。どの曲もそれらしくは弾いているけど、感情が伝わって来ない。『俺はブロのピアニストだ』という高慢な態度が音に出ている様なのが私にも判る。
しかし翌30日、昨日の高齢で高慢なピアニストは姿を見せなかった。『遅刻じゃないの〜』と話しをしているところに、
「こんにちは」
と挨拶をして中年ぐらいの男の人がやって来た。彼もピアニストで今日からだという事だ。
まあまあイケてる音で、ブロらしさは感じた。昨日のオジサンよりは遥かにいい。
その翌日、二日目の31日にも時間通りに来たので、この人で落ち着くのかな…と思っていたら、次の8月1日は姿を見せなかった。二人共何が問題だったのだろう。

8月2日    3人目のピアニストがやって来た。今度は女性だった。前の二人とは異って明るく感じの良い人だ。何となく期待をしながら聴いていた。彼女は本物だと直ぐに判った。JazzyでBluesyな響きは私を虜にした。休み時間に話しをした。山城キヨコ、彼女は那覇で生まれ、長い間米軍キャンプで弾いていた為か、音は確かなWoman  Pianistだった。私より10歳上のせいか、今迄にない暖かさを感じた。ずっといてくれたらいいな…と思わせるものがあった。

8月5日  そして彼女は居付いた。今日で四日目。共に同じ世界にいる為か、私達は不思議な感覚で仲良くなれた。
沖縄に来て以来、こころを許せる島の人は、泉屋のオヤジに次いで二人目の人となった。この石垣島で。山城キヨコ、Woman  Pianist.

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