ジュルのしっぽ-猫日記-

おっとりネコ・ジュルとのほげほげした毎日。

スズメのひな(その5)

2007-05-21 | ほげほげ日記
さて、どうしよう。元の場所には戻せそうもない。
こんな時、どうすればいいんだろう?


ジュルが入ってどうするの

そこで、日本野鳥の会や鳥類保護連盟のホームページを調べてみた。
「巣がみつからない、親鳥がもどらない場合は、      
各都道府県の鳥獣保護担当部署に連絡してください。」

とのこと。東京都23区では自然環境部計画課というところらしい。
ということは、月曜まで待たなくてはいけない。
日曜日も2時間ごとに餌を与え、飛行訓練にリビングを開放。



月曜の朝。早速、鳥類保護担当部署に電話をしてみたけれど、
都内には野鳥の保護施設はないとのこと。
なんとなく予想はしていたので、調べておいた野鳥公園に電話して相談してみた。
「飛べないようにみえても、ケガさえしていなければ、ちゃんと飛べるようになりますし、
生きていけるものです。できるだけ早く、安全で自然があるところに放してあげるのが、
ヒナのためになりますので、場所をみつけてあげてください。」
とのこと。
「放すなら、●●公園はどうかなと思っているんですけれど。」というと、
「都内なら一番いいんじゃないでしょうか。」とのことでひと安心。

念のため、いつも公園ネコでお世話になるツバメ先生に診てもらったら、
診察室を飛び回ったぐらい元気で、ケガはないとのこと。
先生の話でも、すぐ立派に飛べるようになるから、外にいた方がいいとのこと。
巣立つと親がしばらく子のところに通って餌をあげたりもするけれど、
親が来ない時でも、花の蜜や落ちた木の実を食べて生きていくのだそうだ。



ということで、野鳥がたくさん生息しているということで有名な公園に放すことにした。
天気もいいし、きれいな公園なので、散歩にもちょうどいい。
でも、ちゃんと無事に仲間のところに戻せるかが不安で、
散歩を楽しめる余裕はまったくなかった。
だいぶ探し歩いても、満足なところがみつからず、あきらめかけはじめた時、
黒っぽく湿りがちでやわらかそうな地面を、スズメやほかの鳥がいっしょになって、
何かをついばんでいる一角が目に入った。意を決して近寄ると、
スズメたちは飛んでいってしまったけれど、日陰になっている木の枝に、
そっとヒナを乗せてみた。離れてしばらく様子を見ていたら、ヒナが枝から降りて…、
というよりも落ちて、その場で一生懸命チュルチュル鳴きはじめた。
それから1時間近く見守っていただろうか。
またスズメたちが戻ってきて、ヒナの周りでついばみはじめたので、ひと安心。
あとはこの子次第。そう自分にいい聞かせて、帰路に着いた。

交通事故なんかで、命を落とさないで。
自然の中で 生を全うできますように。



スズメのひな(その4)

2007-05-21 | ほげほげ日記
雨は通り雨だった。お昼前にはすっかりあがり、
涼しくきもちいい陽気になったので、親ドリを捜しにいくことに。
ティッシュを詰めた編みかごで おとなしくしているヒナを、
カバンの中に入れて電車に揺られること30分。保護した所に到着。


次から次に車が通る。
これじゃ放っておけないよね・・・。


スズメの鳴き声に耳を澄まし、巣を探すけれど、やっぱり見当たらない。
電線にとまっていたスズメの声に反応して、ひなが何度か鳴いた。
けれど、スズメは遠くに飛んでいってしまい、親が来るのを待ったけれど、
ひなが思ったように鳴いてくれないので、どうにもならない。



そこで思いきって、アパートの玄関にいた方や交番のおまわりさんに、
巣がこの辺りにないか聞いたけれど、誰も心当たりはないらしい。

裏路地にまわって観察していると、スズメがたくさんいるマンションの屋上をみつけた。
誰でも入れてしまうマンションで、屋上ではガーデニングをされているようで、
たしかにスズメはいるけれど、巣らしきものはなにもなかった。

一角をぐるぐると歩きまわり、スズメがいると鳴くのを待って、ひなの反応をみたり、
首が痛くなるほど上を向いて歩いて、結局3時間ちかく探し回った。
ひなには2時間ごとに餌をあげなければいけないので、
もう限界だと判断して帰宅することに。


おっとっと。。。

帰り道。かばんの中のひなの様子はわからなかったけれど、
ガックリと落ち込んでいるのが伝わってきた気がした。
駅にある天気予報の掲示では、夕方から一時雨とのこと。
もう一晩、保護することに決めた。

スズメのひな(その3)

2007-05-21 | ほげほげ日記
翌朝。
「ひなは想像以上に弱いから、あしたの朝には死んじゃってるかもしれないよ。」
縁起でもないことをいうダンナには、実際に何度か残念な思い出があるのだそうで、
だから理屈よりも現実的で、小屋を開けるときはドキドキした。


ピ?

無事でいてくれた♪しかも、食べっぷりがだいぶよくなった気がする。
「プリっ。」
歯みがき粉の最後のひと絞りが出たときのようなちいさく弾けた音がした。
ダンナの手の上に、いかにも雑穀食べましたという粒々が混じったフンが落ちていた。
ティッシュでつまんでもプルプルしていて崩れない。これが健康なトリのフンなのだそうだ。
笑いながらフンをプルプルと振って、喜んでいるダンナは、かなり滑稽。。。



食べ終わると、おぼつかないけれど、パタパタと床を這うように飛びはじめた。
思いのほか、はやく元気になってくれて、よかったよかった。
多少は飛行訓練をしておいた方がいいでしょうなんて思っていたら、
やっぱりネコ、しかもノラだっただけあって、ジュルがヒナめがけて猛ダッシュ!
無理もない。おとなしく動かないヒナは遊びの対象にはならなくても、
飛びまわるヒナは、ジュルにとっては本能をくすぐられる遊びの対象になる。


飛ばないときは、なかよしだよね♪

これには夫婦して慌てた。うまくソファの下に逃げ込んてくれたヒナを追って、
ジュルも潜りこもうとしたところをわたしが抑え、ダンナがヒナを救出して事なきをえた

元気になったことだし、さっそく保護した場所に戻って、親ドリを捜しにいこうとした矢先・・・、
朝方ジュルとベランダに出たときは晴れていたのに、雨がザーっと激しく降ってきてしまった。

* * * つづく * * *

スズメのひな(その2)

2007-05-21 | ほげほげ日記
間に合わせでダンボール小屋を作成。
ジュルのあんかを拝借して保温。
足に絡まない程度に細く裂いたティッシュを
編みかごに敷きつめ、ひなをのせた。



鳥を育てていたことのあるダンナがいうには、
フンがほぼ透明で水分しか出ていないので、
巣から離れてしばらく経ってしまっているのではとのこと。
要は下痢してしまっているわけで、小さい生き物ほど、
下痢とかカゼが命取りになるのだそう・・・。

餌は、お湯でふやかしてやわらかくした十穀米をすりつぶし、
親ドリのくちばしに似せて、先端を斜めにカットしたストローにすくって与える。



見ているこちらがオェッとしてしまいそうなほど、のど奥まで挿しこむと、
んぐんぐと首を上下させながら、飲みこむ飲みこむ。
これを2時間おきにあげる。たいへんだぁ~。

餌をあげるとき以外は、小屋は一切いじらず、そぉっとしておくことに。
できるだけ早く、親ドリか巣を探し出して返してあげなければ。

ところで、ひと言も鳴かない。
わたしがちいさい頃、母が育てていた文鳥のひなは、
しきりに鳴いていた記憶があるのだけれど・・・。


早くあの空に、返してあげたいね。。。

* * * つづく * * *