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西尾維新×JOJO (小説ネタバレあり)

2012-01-25 00:04:17 | JOJO
西尾維新が書いたジョジョ小説。

ジョジョ小説は、乙一の「The Book」を読んだことがある。これはなかなか良かった。

ジョジョ小説は、よくある「原作マンガや原作ドラマを小説にしました」ではなく、
「ジョジョの舞台でジョジョの登場人物を出せば、後は作者が自由に書いていい」というスタイル。


化物語の西尾維新が、ジョジョをテーマに小説を書く。しかも、主人公はジョジョ史上屈指の人気キャラ、DIO様。
期待せざるをえない。


一方で、不安もあった。


DIOでストーリーが作れるのか。


これまでのジョジョ小説は「原作ジョジョが終わった後」を書いていた。The Bookなら、吉良事件が終わった後の杜王町。恥知らずのパープルヘイズなら、ジョルノがボスを倒してギャングスターになった後のイタリア。

だが、DIOは本編ですでに死んでいる。必然的に、生前を描かざるをえない。で、DIOは承太郎たちが来るまで、ずっとエジプトの館に潜んでいた。

物語の作りようがないではないか・・・・


果たして西尾維新はどんなストーリーを描くのか、と期待と(多くの)不安を抱きながら読んだわけだが・・・。

感想は、まあやっぱりこうなるよな、って感じ。

まさか、DIOがひたすら日記をつけていて、それを読む形になろうとは。
「タワーオブグレーが倒された」
「ダービーが敗れた」とか。
いつどこで誰がやられた、とかそんなん原作よんでりゃ分かるのに、いちいちそれを日記の形で読まされてもねえ。


まあ、「肉の芽を埋め込まれると本来の力がダウンする」という新説は良かったけど。

あと、ジョジョファンの間でも話題になった
「なんで第1部のディオは、棺桶に逃げられたの?エリナが棺桶つかっちゃったのに」
という疑問。まさかこれを解決してくれるとは。

物語の前半で徹底的に描かれた「DIOの母親=聖母=自己犠牲をいとわない」という扱い。
それが伏線となり、「エリナも母親同様、聖なる存在=実は1部のラストで、ディオを助けていた」
という新説。
これは見事。

今までファンの間で出ていたのは「用心深いディオは、実は棺桶を2つ用意していた。1つはエリナが使い、ディオはもう1つのほうに隠れていた」っていうメチャクチャな説だったからな。



でもまあ、良かったのはそこくらいかな。


ただ、The Book同様、装丁は豪華。ファンなら机に飾っておいていい本ですw