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ちょっとした小話
森元総理の大失言
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森先生
普段ツイートしない私が、ツイッターに写真も何もつけずに以下のようなツイートをしましたが、反響はほぼゼロ。拍子抜けしました。説明不足だったのでしょうか?
Mori said: Who are you?
Clinton answered: I'm Hillary's husband.
Mori said: Me too!
Clinton remained silent. ????
(Mori should have to say: "How are you?" Expecting an answer: "I'm fine, and you?")
クリントン大統領
たまたま今日の午後、ヨーロッパの名門銀行の元東京代表だった友だちの女性(森さん、こんな女性もいますよ)から電話がありました。フェイスブックにAPUの学長さんが入院していると出ていたから電話してみてくれないか、という依頼でした。(私たちは、昔、渋谷の小さなサロンの常連でした。)
その電話のついでに、軽い冗談のつもりで上の話をしたら、彼女、一応 (⌒▽⌒) アハハ!とお義理で笑ってくれましたが、「それって有名な話よね!」と言われて、またがっくり。なんだ、特ダネかと思ったら知らなかったのは僕だけ?人口に膾炙した古い話だったのか。さては、そのころ私は日本に居なかったか?
ヒラリー夫人
「私もこの女性の夫です」と本物の夫の目の前で堂々と見栄を切った総理大臣がいる
実は、今日、覚悟を決めてかかりつけの歯医者さんのところに行きました。ちょっとした大工事になりそうな気配に緊張していたら、麻酔を打つ前にリラックスさせようとしてか、先生がこの笑い話をしてくれて、痛く感動したのでした。先生に勧められて、喜び勇んでツイッターに書いたのに、古いネタを蒸し返してまた赤恥をかいたかと、さらに落ち込みました・・・
しかし、私の世代のお爺さん、御婆さんには、まだ初耳の人もおられるかもしれないと気を取り直して、こうしてブログに解説する次第です。
事の真実を証言した日本語ペラペラのスリランカ人タレント、ウイッキーさん
森総理の英語の家庭教師だったとか・・・
私の敬愛する優秀な技術を持った若いデンタルドクターは、上のスキャンダルが流行ったころ、ご自身は出来すぎた話だと思って、事の真偽を疑っていたそうです。こんな話、ふだん私もそう軽くは信じません。まして、大勢が知っている古い話とわかっていたら、わざわざブログに書いたりしません。
ところが、先生がスリランカから帰国の時、たまたま機内の隣の席に乗り合わせた人が、タレントのアントン・ウイッキーさん―森元首相の英語の家庭教師―だったので、この時とばかり「あの話はほんとうのことですか?」と聞いたところ、「あれは本当の話ですよ」と言われたので、先生は本当の話に違いないと確信した、と言うことでした。だから、私もまじめを絵に描いたような先生の話を信じます。この点に新し味を感じたもので・・・つい。
まだ話に霧がかかった感じの人のために、蛇足ながら、上の会話を翻訳すると、
森元総理は(クリントン大統領に向かって)「あなたは誰ですか?」(Who are you?) と聞いたとさ。
クリントン氏は、これは凄い冗談だと思って、「私はヒラリーの夫です」とウイットを効かせて答えた。すると、森氏は "Me too!" と言った!「私も (ヒラリーの夫です) !」と言う意味になる。
クリントン氏、絶句して、ユーモアで切り返す余裕を失って固まってしまったのだろう。無礼に対する怒りを超えた絶望がそこにあったに違いない。これが日本を代表する総理大臣の正味の姿か、と改めて日本に対する認識を新たにしたことだろう。
これは悪い冗談を通り越して、クリントン氏に対する最大の侮辱でなくて何だろう。クリントン氏は森氏が何故、どういう意図を込めて、そんな酷いことを言ったのか全く理解できなかったにちがいない。
しかし、日本人の我々は森氏がなぜそんな馬鹿馬鹿しい誤りを、何の意図もなく犯したかよくわかる。その無教養ぶりが露呈した瞬間だった。これは、今回の女性蔑視発言と同根だと言わざるを得ない。森氏の外交的な大失敗を通り越して、米国に対する侮辱、日本の赤恥、日本国民に対しても弁解の余地のない大失態だった。
ウイッキーさんは、森氏は英語がからっきしダメだから、今どき幼稚園児でも知っているような最も簡単な英語だけを教えたのだろう。
クリントン氏に会ったら、ただ、”How are you?”(ご機嫌いかがですか?) とだけ言いなさい。そうすれば、”Fine, thank you. And you?”(お陰様で!あなたは?)と返って来るから、”Me too!” 「私も!(元気です)」と答えればいい。もうそれ以外のことはしゃべっちゃダメ。すぐ襤褸が出るから・・・。
これがウイッキーさんの森総理に対するアドバイスだったのだろう。
それが、あろうことか、初っ端から "How are you?" が "Who are you?" に化けてしまった。とっさに、頓智をきかせて、クリントンがユーモアたっぷりに「私はヒラリーの夫ですが」と切り返したのに、森氏の耳にその意味が入らない。 そして、鸚鵡返しに “Me too!” (私も彼女の夫です)とやってしまったものだから・・・!この時、失態の引責で総理を辞めていたら、今頃JOCの会長を辞めなくても済んでいたかもしれないのに・・・、と思うと、悔やまれてならない。恥の上塗りとはまさにこのことか。
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どうです、この小話、笑えましたか?
それとも、顔が引きつりましたか?
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