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主夫の徒然なるままに

毎日の夕食作りに奮闘する主夫の独り言

「中国共産党暗黒の百年史」石平著

2023年01月27日 | 世界と日本
 「禁断の中国史(百田直樹)」を読んで現在の中国共産党について読んでみよと「中国共産党暗黒の百年史(石平)」を手にしてみた。


 北方健三の水滸伝、楊令伝、岳飛伝と読んでいくと「国家」というものの恐ろしさをひしひしと感じた。国家を維持すること、国家が衰退し、新しい国家の誕生、その裏にうごめくおぞまし過ぎる権力闘争、つまりは「殺し合い」、それが現在の中国においても行われていることに唖然とした。

 この本の「はじめに」に書かれているように私が学んだ近代中国史は、「阿片戦争以降、中国人民は帝国主義と国内の腐敗勢力との二重の抑圧に喘いでいたが、中国共産党は、人民を率いて革命を起こし、帝国主義と悪の勢力を打ち破って人民を開放し、人民のため素晴らしい新中国を建設した」というものであった。著者は、これこそが、中国共産党のでっち上げた嘘八百の「革命史観」と断言している。この本を読むことで、そのでっち上げを打ち消すことが可能となる、と述べている。

 

 中国には1980年代から何度も観光旅行に訪れたが、見えざるところの中国にはほとんど無知であった。行くたびに経済発展する中国を見て驚いていたが、日本のメディアは、その当時から、中国共産党の暗部には、深入りを恐れていたようにも感じる。毛沢東、江青、周恩来、江沢民、習近平、鄧小平など表面的なお付き合いですましていたように感じる。

 権力を取り、維持することがどれほどおぞましいことか。この本を読むと恐怖を感じつつ、気持ちが悪くなってくる。 

 「一村一焼一殺」から始まる粛清と言う名の大量虐殺が、延々と続く中国共産党の歴史に唖然とする。

 第二章 繰り返される血まみれの大量虐殺史
 第三章 侵略と虐殺と浄化の少数民族弾圧史
 第七章 日本人をカモにした対日外交史と反日の系譜
  
  などが強烈に印象に残った。
  
 隣国である日本、日本人として読む必要のある一冊にちがいない。


(以上の写真は1980年代の風景から)
 
 




「今こそ韓国に謝ろう」百田尚樹

2022年12月15日 | 世界と日本
「禁断の中国史」を読んで初めて「百田尚樹」を知った。「海賊と呼ばれた男」をTV映画で見たが、作者までは記憶になかった。この「禁断の中国史」は、今までの自分の中の常識を覆すものが多くあり、とても参考になった。そこで次に韓国について読んでみようと思った。


 「謝ろう」という表現に違和感を覚えたがとにかく読んでみた。
 この本では日韓併合の時代に行った様々な行為が皮肉たっぷりに描かれているのが面白く、また詳しい。韓国時代劇なども多く見たが、そこにある両班や奴隷制度、中国との関係など新しい視点で考えることができた。ただし、「~の中国史」でも感じたことだが、読めば読むほど納得するも、気持ちの悪さが増幅する。人間の価値が低いアジアの汚くも恐ろしい歴史。

 ただ、韓国では、「朝鮮戦争」を「韓国戦争」とし、日本と戦ったと戦後長く教えていたと聞く。これほどの歴史の曲解を当然のように教える韓国教育界の恐ろしさもつくづくと感じてしまう。

 よく知られているように台湾は親日である。日本統治時代、アヘンの吸引・纏足(てんそく)・辮髪(べんぱつ)の「三悪」を台湾から追放したり、下水道を整備するなど社会の公衆衛生などを発達させたことによい印象をもっている。韓国とは真逆である。また、反共として台湾と韓国の連帯も1992年に台湾を捨て中国側についた歴史もある。その両国に日本に対する対応がこうも違うことに驚くが、やはり、この本「~謝ろう」を読んでみて知りえることが多かった。 

 筆者百田尚樹氏は同志社大学(中退)の経歴で、私と同じ世代なので、もしかしたら大学の中ですれ違ったかもしれないと思うと何故かワクワクしてしまう。当時の同志社大学が少し懐かしい。





<主夫の作る夕食>
カマス 一夜干し & 牛肉と野菜の蒸し焼き











「禁断の中国史 百田 尚樹 」読んでみた

2022年12月07日 | 世界と日本
 北方謙三の『水滸伝』『楊令伝』『岳飛伝』全51巻を読み終えて、国家の残虐さを改めて知ったつもりでいた。現実の中国は、日本に紹介された中国古典翻訳にない恐ろしい世界であることをこの本で知ることになる。中国のウイグル族への弾圧、ホロドモール と言われる旧ソ連のウクライナへの300万人以上のスターリンによる人為的な飢餓など権力者によるおぞましい事実は、あまりにも日本人に知らされていない。

 

 さて、この本では、「読むのが怖い!」と思わせる事実が続々と登場するが、大阪弁の軽いタッチの文章なのでスラスラと読んでしまう。時に気持ち悪くなるほどにスラスラと。

第1章 虐殺 - 中国史は虐殺史

第2章 刑罰 - 最も残虐な処刑方法 凌遅刑=肉を百回切って殺す

第3章 食人 ー 読むのに覚悟が必要

第4章 宦官 ー 遣隋使や遣唐使では、凌遅刑や宦官を日本に取り入れず

第5章 科挙 ー 壮大な無駄

第6章 纏足 ー みるのもおぞましい普通の足の半分の姿

第7章 謀略 ー 騙される方がバカだ。現代の日本も大いに騙されてる。

第8章 共産党の暗黒史 ー 虐殺に寄る虐殺、数十万、数百万、数千万の虐殺の積み重ね

 読むだけで気分の悪くなるところの多い本だが、現実はもっと恐ろしい。だが、この「禁断の中国史」は、中国古典を楽しんでいる人が、避けて通れない一冊だと思う。

 ところで、元塾講師として「科挙の無駄」が特に印象に残る。科挙のような形の入試制度を日本も持っているが、古典のみの勉強を10年以上、20年以上も勉強する無意味な科挙制度を日本は取り入れなかった。そのため江戸時代から西洋の学問を取り入れ、明治以降も急速に近代的科学的学問を吸収することができた。逆に言えば、無駄な古典ばかりを勉強する制度が、中国や朝鮮の近代化を遅らせ、植民地化を容易にした原因だとも述べている。

 同じようなことかどうかはわからないが、日本がこの30年停滞している原因のひとつが、東大理3を最高とする風潮、医者であることが最高の職業であるという幻想。TVドラマも医者をヒーローとするものが多いが、優秀な人材がみな医者を目指すのはどうかと思う。優秀な人材が、もっと日本を発展させる人材であってほしい。もともと東大は、日本の官吏を育てるための学校であると聞いている。優秀な人材の誰もかれもが医者を目指すのは、「科挙」と同じ歩みに近いのではないかと考え込んでしまう。

 次は、百田尚樹の韓国についての本を読んでみよう。




<主夫の作る夕食>
やまかけごはん と ほっけ










大国の戦い方の残忍さ

2022年04月18日 | 世界と日本
 
 ウクライナの戦争で、ロシア側の戦闘について考えさせることがあった。
 戦争の前面に立たされる戦闘員が、当初の楽勝ムードの中、ロシアの若い兵士であったようだ。苦境に陥ってからは、チェチェン人やシリア人の傭兵を大挙、動員していたとニュースできいた。
 個人的に思い出すのは、陳舜臣著の「阿片戦争」である。当時、世界の最大国家であり、一流国家である英国が、誰がどう考えても汚いやり方としか思えない戦争をなぜ断行したのだろうか。アヘンという非人間的な物質を使ってまでもなぜ戦争をしたか知りたくて読んだ。
 その中で、英国が、清との戦いに備えて、貧しい中国人を高額な給料で募集する。当初は、見張りなどの役割であったが、戦闘が始まると最前線に投入される。背後に英国兵がいて逃亡もできない。前線で中国人と戦い死んでゆくのである。その犠牲の上に英国兵が進撃し、近代的な装備のもと勝利し続けていく。すべての中国人を殺戮し、幼女から老婆まで性暴力を与えて行く。中国人と中国人を戦わせ、汚い勝利を得る。その有り様が、ウクライナの戦いに二重写しになってしまう。自国の兵士を温存し、場合により捕虜にしたウクライナ兵を前線に出したり、貧しい外国兵を利用できる限り利用するという戦い方、驚くべき残忍さである。
 20世紀は、戦争の世紀だと言われた。それ故、21世紀にはこれほどの戦争が起きるとは思わなかったが、21世紀の人類はいまだに戦争を続けることになるのだろうか。次世代の平和と幸福を祈りたい。

<思い出の一枚>
表題の写真はカンボジアの地雷博物館

以下、ベトナムの戦争博物館より






「戦略の地政学」を読んで

2021年10月19日 | 世界と日本
ひと月前、偶然本屋で見つけた「新地政学(長谷川敦著)」を読んで、初めて地政学という学問を知った。塾で地理を教えていたにもかかわらず、地政学というものを知らないことにちょっと恥じた。そこで、地政学についてググってみると「戦略の地政学(秋元千明著)」が基本中の基本であることを知り、読んでみた。
 やはり、現代の世界を考えるとき、地政学的視点を持たずに各国の総体としての世界を語ることはできないことがよくわかった。アメリカであり、ロシアであり、中国、ヨーロッパ、そして日本の関係は、歴史的地理的範疇をこえ、人間の営みの宿命、「戦争」を外しては考えられないことを理解した。
 子供たちに日本国憲法を教えるとき、平和主義についての違和感、つまり武力をもってはいけない日本をどう説明するか、考えさせられたものだった。日本が、武力を持てなくなった歴史的背景、武力を持たないことでの経済的発展、武力を持つことになった世界の状況。ここまでは、説明できても、ここからの日本のあり方を上手く説明することは難しい。子供たちに日本の未来を投げかけるだけで終わることになってしまった。

「戦略の地政学」では、戦略というからには、やはり、戦争という視点を外さない。「平和」「武力のない平和」「九条を死守」といったところで、本日(2019/10/19)北朝鮮が、日本海に向けて2発のミサイルを発射した事実をただ見て見ぬふりをするだけでいいのだろうか。「遺憾である」と言っているだけで、この問題に真摯に向き合っているのだろうか。日本の戦略についてやはり、きちんとした道筋を見つけたいものだ。「戦略の地政学」には、その基本的な考え方や今進んでいる世界の各国の戦略をわかりやすく解説している。特に同じ島国であるイギリスとの関係には、なるほどと思える部分が多かった。新しい「日英同盟」の締結に大きな可能性がありそうである。興味深く読ましていただいた。




<主夫の作る夕食>
骨付きチキンを焼いてみた。結構おいしいできあがり、ゴボウもいい食感で満足。



<想い出の一枚>
コロナも一段落。ホテルで会食後の一枚。

本屋で3歳の孫が、私に買ってと持ってきた本、笑っちゃいました。