JMのバレーボール観戦記

テレビのバレーボール解説では触れられない戦術面や選手個人の特徴について、「全員応援」の立場から語ります。

S1対策 韓国男子の場合

2012-09-18 13:19:03 | 用語解説
韓国男子は、韓国女子と同じく、フロントオーダーです。ライトには守備免除で左利きのパクチョルウ選手を入れているので、韓国女子でファンヨンジュ選手をライトで起用したのと同じ形になっています。

つまり、

S1
-----
R L C
C L S

S6
-----
C R L
L S C

の2回のローテで、レフトとライトが反転してしまいます。

・S1の問題点
レフトとライトが入れ替わり、さらにライトは左利きでレフト打ちが無いため、ライトに戻らざるを得ません。また、レフトはサーブレシーブに入るため、動きを封じられることがあります。

・解決策1 ライトのパクチョルウ選手のダッシュと助走
ライトのパクチョルウ選手は、サーブレシーブ免除なので、サーブが打たれた瞬間にライトにダッシュします。S1でも前衛レフトはセンターでサーブレシーブするため、パクチョルウ選手もセンター付近にいます。そのため、走る距離は4.5mです。無理な距離ではありません。また、パクチョルウ選手は、長い助走で体重を乗せるタイプではないため、十分に開かなくてもブロックを利用した打ち方をできます。

・解決策2 前衛レフトのセンターセミや時間差
本来なら前衛レフトはサーブレシーブ後にレフトの端までダッシュして戻るものですが、S1とS6では前衛レフトはセンターセミに入ります。打つ場所は、ロングBセミ、Bセミ、Aセミ、Cセミの4箇所もあり、ブロッカーからすると絞りにくくなります。それが、センターのクイックとうまく時間差になっています。

・解決策3 S6ではバックレフトも使う
前衛レフトがセンターセミに入ってレフトが空になるので、その時には後衛レフトがバックレフトを打ちます。これは全日本女子のS1で裏レフトがバックレフトを打つのと同じです。ただ、このバックレフトの効果率には疑問もあります。

韓国男子の試合はあまり見ていないので、もしかすると他にも対策をしているかも知れません。その場合はお知らせください。

まとめると、フロントオーダーはごちゃごちゃした動きの原因になる悪いオーダーだが、それを逆手に取った時間差などで相手を攪乱できる、ということです。韓国女子の場合、キムヨンギョン選手という大砲がいるので、その他の選手はごちゃごちゃ動いても有効な攻撃になります。ただ、韓国男子は大砲が不在なので、ごちゃごちゃ動きすぎると全員が苦しくなることもあるようです。

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