自燈明・法燈明の考察

日蓮の御書に関すること

 昨日は春の嵐でしたね。今日は天気もよく、そこそこ暖かい陽気で助かります。テレワークしていても冷え込んだ日は暖房点けるので電気代がかさんでしまいますからね。

 さて、何でも創価学会では「池田先生監修の新版御書」とやらを出すようですね。日蓮生誕八百年に引っ掛けた取り組みの様ですが、さしずめ新たなお金儲け(会員からの搾取)の為のプロダクトなんでしょう。アクセンチュアにでも言われたんですかね?

 私の手元には、日蓮の御書が二冊あります。一つは編年体で、もう一つは大石寺版御書全集です。編年体は昔、池田会長から「お小遣い」を貰った事があり、それで購入したもので、もう一つは母親から譲り受けた年代物です。こちらは法華講や顕正会との対論で使用していたもので、付箋やらメモ書きが書き込まれていて、ボロボロになっています。男子部時代には、常にカバンの中に入れていて、会合や部員と語らう為に使っていました。

 今は「ネット版御書」を利用しているので、ほぼ御書は本棚に入れっぱなしの状態になっていますが。

 この日蓮の御書ですが、日興師が日蓮亡き後に集めたという話もありますが、日興師だけてはなく、身延系や中山法華経寺等にもご真筆があるので、後世の志ある人たちによりまとめられたと考えるべきでしょう。まあ真書あり偽書ありで、どれが真書でどれが偽書なのか、そこは明確には分類されていませんけどね。

 日蓮の御書には、例えば立正安国論や観心本尊抄の様な論文的なものもあれは、いわゆる遺言書的な開目抄があったり、回顧録的な種々振舞御書があったり、また亡き師匠への追悼的な報恩抄があります。また他には門下に当てたお手紙などもあり、そこには「平仮名」で読みやすく書かれたモノも多数存在します。鎌倉時代の僧侶というのは、今で言えば大学の学者であり、文化人に相当する立場です。だから通常は漢文で書くところ、平仮名で手紙を書いていたのですから、門下の僧侶の中には「偉大な師匠の恥」と捉えてしまった人もいるらしく、スキ返しして再利用する紙にしたり、焼却されたモノも多くあったようです。

 平仮名とは女性が使う文字でしたから、尚さらそういう事もあったのでしょう。

 この御書ですが、日蓮正宗あたりでは「血脈付法の御法主猊下の指導の元で読まなければ我見謗法にあたる」と指導している向きもあるようで、不自由な事だと思いますが、このあたりも統一された見解では無いようで、同じ法華講でも自由に読み下しをしている人もいたりします。

 以前に私が男子部時代、法華講の幹部と対論した時に、「貴方は誰の指導により御書を読んでいるのか?」と詰め寄られた事がありました。「池田大作の解釈で読んでいるのか?」「創価学会教学部の解釈で読んでいるのか?」としつこく言われました。その事については「私は私の解釈で読んでいる」と答えたら、「それこそ驕慢謗法だ!我見の極みではないか!」なんて言うので「では聞くが、御書の多くは門下への手紙である。日蓮大聖人はお手紙を書く度に三位房だなんだと弟子の僧侶も同行させて講義をしたのか?」と聞いたら黙ってしまいました。

 御書なんてフランクに読んで、学べは良いだけではありませんか。時々によって解釈や受け取り方は異なりますが、様々な言葉から思索することで、教学の理解も深まるというものでしょう。ただ大事な事は、日蓮から手紙を与えられた人の当時の状況、また社会的な背景を加味して読む事が大乗であり、内容も前後の文脈を踏まえて読む事でしょう。よく宗門や創価学会では「切り文」として、一部だけ抜き取り解釈する事がありますが、それは間違いの元にもなります。だから読むには十分気をつける必要があります。

 また御書は古文で書かれていますので、読むからには高校生レベルの古文の読解力を必要としますので、そこはしっかりと勉強する必要があるので、留意が必要です。

 今から数年前、当時の理事長の正木氏は、とある大きな壮年部の会合で「日蓮大聖人の御書は難しいから、私達は池田先生のご指導を学べは良い」と放言していましたが、せめて御書くらいは読める様になって欲しいものですね。確かに真書や偽書はありますが、それを語るにも読めなければ日蓮を語る事なんて出来ないでしょう。最近では同時中継参加だけで、教学部の教授になれるようですが、宗教をやっているなら、教学にも真摯であるべきではありませんか?

 果たして今回の新版御書。いったいどの様な内容となるのでしょう。どうせなら偽書疑い濃厚なものは外していただいて、他に重要なモノがあれば差し入れし、間違いの部分なんかは差し替えして欲しいものですが、いまの創価学会にそれを求めても無理でしょうね。

 ただ単なる商売道具として、御書を認識すべきではありません。だから真摯な取り組みであってほしいものですが、それは無理かな。




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