『文藝春秋』8月号「中国と靖国どっちがおかしい」では、上坂冬子が加藤紘一、古賀誠ら政治家と靖国参拝について対談している。このふたりの政治家はご存知の通りもとは宏池会同士である。
上坂はあいかわらずのしゃべりだが、ここではいつもながらの靖国神社についてのくだくだしい議論の蒸し返しの紹介はしない。
印象的なのはすでに政治家としての長老の域に入る加藤紘一の戦争観が80歳過ぎの体験者に拠らざるをえなくなっている事実である。また韓国の盧泰愚大統領が国会本会議で創氏改名を強いられた民族の心の痛みに触れながらも「それを阻止できなかった私たち自身の弱さを反省」する必要性について述べたとの話や、現在の中共政府要人の発言は以前とは違い、風格のないものになっているとの加藤の指摘が印象的だった。
一方、古賀氏は「ウルトラC」といえる「靖国神社の国家護持」=神社を脱神道化(国営化)して鳥居を撤去=を提案しているが「頭の体操」として面白い。
上坂氏は最近は新しい追悼施設建設の可能性についても論及しているらしく、靖国神社前宮司と靖国神社の敷地内に神道以外の宗教を包括する追悼施設の建設を一案と述べているのは新鮮だった。
このほか、「白州次郎 プリンシプルの男」では個人的に親交のあった細川護煕(元首相)の語るエピソードが興味深いし、「何で小学校で英語やるの」では、小学校の人材不足が反対の大きな根拠として挙げられており現実論として説得力があった。もうひとつの理由は「日本語もできないのに英語ができるわけない」というおきまりの理屈である。私は「じゃあ、いまの中高生や大人は日本語が満足にできるようになっているのか」と思っているが、今ここでは論じないことにする。
「団塊はフリーターと連帯せよ」ではごくごく当たり前の論が展開されている。政治家諸氏は一読すべきだろう。
上坂はあいかわらずのしゃべりだが、ここではいつもながらの靖国神社についてのくだくだしい議論の蒸し返しの紹介はしない。
印象的なのはすでに政治家としての長老の域に入る加藤紘一の戦争観が80歳過ぎの体験者に拠らざるをえなくなっている事実である。また韓国の盧泰愚大統領が国会本会議で創氏改名を強いられた民族の心の痛みに触れながらも「それを阻止できなかった私たち自身の弱さを反省」する必要性について述べたとの話や、現在の中共政府要人の発言は以前とは違い、風格のないものになっているとの加藤の指摘が印象的だった。
一方、古賀氏は「ウルトラC」といえる「靖国神社の国家護持」=神社を脱神道化(国営化)して鳥居を撤去=を提案しているが「頭の体操」として面白い。
上坂氏は最近は新しい追悼施設建設の可能性についても論及しているらしく、靖国神社前宮司と靖国神社の敷地内に神道以外の宗教を包括する追悼施設の建設を一案と述べているのは新鮮だった。
このほか、「白州次郎 プリンシプルの男」では個人的に親交のあった細川護煕(元首相)の語るエピソードが興味深いし、「何で小学校で英語やるの」では、小学校の人材不足が反対の大きな根拠として挙げられており現実論として説得力があった。もうひとつの理由は「日本語もできないのに英語ができるわけない」というおきまりの理屈である。私は「じゃあ、いまの中高生や大人は日本語が満足にできるようになっているのか」と思っているが、今ここでは論じないことにする。
「団塊はフリーターと連帯せよ」ではごくごく当たり前の論が展開されている。政治家諸氏は一読すべきだろう。