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サドル派閣僚の辞任

2007年04月21日 15時04分11秒 | Weblog
http://www.ft.com/cms/s/2fb173f4-ebf7-11db-a12e-000b5df10621.html
イラクの急進シーア派閣僚辞任(4月16日FT 電子版)

急進シーア派のサドル師は6名の閣僚の辞任を命じた。
ある意味この動きはマリキ政権にとって福音になるかもしれない。同政権では以前から軍事勢力と関係のあるサドル派の追い出しを望んでいたからだ。しかし一方で平和プロセスからの同派の脱退にもつながりかねず不吉な前兆でもある。.この辞任は背景はマリキ政権との溝、特に先週の米軍駐留反対のデモはサドル派の計画によるもので、マリキが米軍撤退のタイムテーブルはないと述べたことが決定的となった。
サドル派の議会リーダーアル・ルバイエは「6閣僚は即座に辞任、閣僚ポストは政府に返還し、人民の意思を代表する独立した人物に供されることを希望する」と表明した。
サドル派の閣僚ポストは厚生、農業、自治、運輸、観光、市民社会組織の6つ。
マリキはとりわけシーア派軍人があてられていた厚生相ポストの返還を策していたという。
 しかしサドル派の草の根組織の基盤はマリキのアル・ダワ党よりも格段に広範である。
サドル派はまた、米軍とイラク政府の取り締まりはシーア派に集中していることにも不満を表明している。一連の爆弾テロがシーア派市民を狙ったものになっていることもサドル派の怒りをあおった可能性がある。
現在サドル師は同派の米軍およびイラク政府軍への反抗を禁じている。このことに同派の軍人はいらだっており、閣僚辞任が攻撃へのゴーサインになる可能性がある。そしてサドルの軍事的反対派リーダーとしての地位も高まることを意図した可能性もある。
昨年11月、マリキ、ブッシュ会談への抗議からサドル派議員の登院停止はあったが閣僚は辞任しなかったため、今回の辞任は実質的に最大規模のものとなる。
(以上FT記事要約)
参考 http://www.iht.com/articles/2007/04/16/africa/iraq.php(IHT=NYT紙)
   http://www.sankei.co.jp/kokusai/middleeast/070416/mda070416006.htm(産経新聞)