『高気密高断熱で自然素材の家が好きな一級建築士のブログ』

茨城県取手市 シンク設計事務所 辰野峻也のブログです
これから家づくりをされる方の役に立つ情報をお届けします

気密測定C値0.16、高気密高断熱の家づくり

2021年08月11日 20時10分29秒 | 気密測定
今日は土浦市の現場にて気密測定を行いました。
測定結果としましては、C値0.16㎠/㎡。
かなりいい数字が出ましたね^^嬉しいです。

C値は良い数字が出ると嬉しいのですが、今回は条件もいいかなという認識がありましたのでほっとしています。
今回もコンフォートの室さんが測定してくれています。

測定結果から、家の相当隙間面積は25㎠でした。
この家全体の隙間が5㎝×5㎝ほどの隙間ということで、テープで表すとわかりやすいですね。↓



こちらの建て主様は、やはり断熱・気密には重点を置かれています。

サッシについても、高性能トリプルガラス樹脂サッシのAPW430を使用しました。
トリプルガラス樹脂サッシについては、冬の日射取得を考えると賛否ある窓なのですが、気密について考えると、かなり有効の窓に感じます。
予算が許すのであれば僕としてはお勧めの窓です。
理由は、
通常仕様の樹脂窓APW330、南側や景観の良い方向によく使用する大開口窓には、『引違いテラス戸』という窓があります。よくある掃き出しの引違い窓です。
LDKメインの窓として気持ちが良いので積極的に取り入れていますが(気密重視にするのであれば小さい窓が有利です)、気密を考えた場合は、引違い窓というのは構造上わずかですが上下に隙間ができてしまうんですね。
(わずかな隙間ですので家を建ててから気になるかはわかりません。あくまでも気密に関してはわずかに隙間があるよということです。『引違いテラス戸』は使いやすい性能の良い窓ですのでこれからもお勧めしていきます。)
当然ですが引違い窓の多い家ほど気密には不利です。
↓以前のブログ参照

こちらの建て主様は、気密性に優れた大開口窓を使ってみたいというご希望で、南側の窓にAPW431『大開口スライディング』という25622の大開口の窓の仕様となりました。
この窓が、気密測定時、実際に隙間風を感じることのない窓で、優れていると感じましたよ。
2階の大開口にも、同じくこちらの窓種を使っています。


↑大開口スライディング窓
窓の開け閉めの際、タテすべり、ヨコすべり出し窓のようにしっかり気密が取れます。
グッと閉める際に「気密取れそう」という感触でグッドです^^




↑その他の窓もタテすべりや組み合わせ窓の仕様として、引違いの窓は1カ所のみとなっています。




気密測定時は、一気に建物の空気を屋外に排出していきます。建物内部は負圧になりますね。
このとき、玄関ドアを開けようとするとなかなか開きません。気密の体感ができるんですね。
家の隙間が小さい建物ほど、開きにくくなります。(外部から誰かが押さえつけているような感じです)
内部の気圧が屋外よりも低いため、外開きの扉が開かないのです。 

今回も大工さんは鍵がかかっているのかと確認するほどでした。笑顔
結構な力で体重をかけて強めに押さないと開きません。
玄関脇の窓を少し開けて隙間を意図的に作ってあげると、玄関ドアを開けることがかなり楽になります。
気密のある家ほど、気密測定時、窓や玄関ドアが開けにくいというのも性能の見える化で面白いところです。


今回も、C値 目標値の0.3㎠/㎡を達成できました。
大工さん、断熱屋さん、建て主様、ありがとうございます。

気密に優れているということは、夏の冷房時、冬の暖房時、エアコン等の熱を逃がさないということです。
また、気密に優れているということは、家の24時間換気について、しっかり計画換気できるということです。

ストローを思い浮かべてください。途中に穴が開いているストローではしっかり吸うことができませんよね。
家も同じで、隙間があるところから空気が入り込み、思うような計画換気ができません。
しっかり24時間の計画換気ができるということはそういうことです。

冬に床が冷たくなるのは、床暖が入っていないからではありません。家全体のわずかな隙間から熱が逃げてしまいます。隙間の多い家では、暖気は上に行く性質ですから、下のほうの隙間から冷気が入り込み、暖房で暖められた空気は建物上部の隙間から逃げていきます。


今回の建物、所在地は茨城県土浦市になり、地域区分でいうと6地域になります。(2021年8月現在)
茨城県はほとんどが5地域に該当しますが、県南地域ですと土浦市、守谷市、龍ヶ崎市だけが6地域になります。

家の性能は、Ua値0.46、C値0.16となりました。
断熱性能は、HEAT20 G2グレード。
大事な構造は、長期優良住宅の耐震等級3になります。

本物の高気密高断熱の家をつくるシンク設計事務所です。
分離発注により原価で家づくりができるシンク設計事務所です。





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