CW(電信、モールス通信)のクラブに『退会届』を提出した。『CWに挫折した』とか、そういう次元の低い話ではなく『和文電信保存会的』、もっといえば『地域のお祭り保存会』的な雰囲気が『どうも馴染めない』と感じたからだ。私にとってCWや和文電信は『交信を成立させるための「ひとつの手段」でしかない』。特に負担を感じたのは『ロールコール(点呼会)』という行事だ。入会当初からも、幹部局の多くから『いずれお試しキー局をやってほしい』とか言われ『面倒くさいなぁ』と感じていたのである。
【写真:せっかく習得したCWなので、私は続けていく】
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◆得意なコトを磨き上げる方が楽しい。
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お試しキー局・・・なるほどなぁ、と、当初は思ったりもした。
しかし、キー局となれば『どんな局の、弱い信号も、癖の強い符号も、
「どんと来い」』のような気構えで『そこそこの自信』をつけないと、
いくら『上達しますよ』とか三味線を弾かれたとて、
私は『あぁ、そうですか。わかりました。引き受けましょう』とはならない。
キー局が務まるくらいに腕を上げるには、相応の時間を要する。
・爆速で打ってくる『ジコチュー商事・代表取締役』タイプ
・ゼロインどころか1kHz以上もズレて呼んでくる『わがまま大学名誉教授』タイプ
(スプリットか!と思うくらいズレている)
・個性的な癖の強い符号で打ってくる『俺様銀行・頭取』タイプ
(バグキーユーザーに多い。ストレートキーユーザーにも頭取タイプがいる)
まぁ、いろんな局がいるものだからキー局のハードルは想像以上に高い。
昨年の4月末頃からCW再開デビューの練習を始めた。
目標は『1か月でCWデビュー』である。
もう、必死のパッチで受信訓練を毎日15分ずつ重ねて、
40年ほど前に取得した電信の免許試験を思い出し、
『意外と、欧文符号は覚えていた』のには、自分でもびっくりした。
周囲への公言どおり、きちんと1か月でCW再開デビューを果たした。
せっかくなので、和文符号もチャレンジしてみたが、
どうも欧文と和文の『脳内切り替え』が『あいまい』になるので、
当面は『こんなもの、PCで解析してカンニングすればいいや』と、
和文の受信訓練は『棚上げ』にしたのである。
私は、周囲の怪訝な顔もヨソに『送信8割、受信2割』に、
練習比率をひっくり返した。
当たり前だが『送信は、意外とラクにできるようになった』のだ。
予め『送信電文原稿を用意して符号をなぞる』だけである。
もちろん、想定外の『問い』があれば『符号表』を見ながら、
あたふたして、ゆっくり答えるなり『次回に・・・』でごまかした。
案の定『電信は符号をなぞるのではない』とか言う人も出てきた。
体育会系根性論なら『受信練習』も大事だ。
しかし、実際の和文交信は『ほとんど定型文』で片付く。
この程度なら、何度か送信電文原稿を見ながら打っていたら、
おおかたの定型文の受信もカンニングしなくてもわかるのに気づいた。
いわゆる『成長』だと思う。
習得モノは、やはり毎日最低でも15分はやるべきだ。
しかし、心の中で『なんか面倒くさいなぁ』とネガティブ思考があれば、
そんな調子で練習したとて『時間の浪費』にしかならない。
多くの人が『苦手を克服しよう』と努力して、がんばっている。
確かに、何かに夢中になって打ち込んだりするのは素敵だと思う。
しかし、『なんで、こんなことに時間を割くのか?』とか考えると、
『もうちょっと、肩の力を抜いて、テキトーにやってもいいのじゃないか』と思い始める。
昔から『仕事は、段取り八分』というではないか。
つまり、段取りが80%できたら、
その仕事は『ほとんどできたも同然』という意味もある。
真面目な人は、完璧を目指して『受信:8/送信:2』の比率で訓練する。
こんなことを、ちんたらぽんたらとやっていたら、
いつになれば『成功体験が得られるのか』と思う。
打電(送信)できなければ絶対に交信につながらないから、
受信訓練ばかり重ねても一向に成功体験を得られないのだ。
どうして、こんな『あほでもわかること』を、
くどくど書かないといけないのか・・・。
極論だが、コンテストに出たら腕がメキメキ上がる。
『JF3TBM』
『599(5NN)001 TU』
これさえ打てれば、たいていは交信が成立する。
肝心なのは『相手のコールサイン』と『送られてくるコンテストナンバー』だ。
ここに『全神経を集中させる』こと、
そして、まずは100局との交信をクリアするのを目標にする。
たったこれだけで『段取り八分』は済んだも同然で、
やってみれば、『やったぜ!』と『成功体験』が積みあがる。
やってみて、成功体験を積むのが『いかに今後のモチベーションにつながるか』だ。
面倒くさいコトを『がんばる人』は、おしなべて『まじめな人』だ。
『すべてにおいて高い能力を身につけないと評価されない』とか、
いい歳こいだオッサンやオバハンがヘンテコな思い込みにハマる。
がんばってやるのは、20~30歳代でやっておくものだ。
心がけとしては悪くはないが、脳みそも老化しているのだから・・・。
・職人さんタイプ
・学者タイプ
概ね、この2つのタイプの人が、
スマホ全盛のこの時代に『物好き、酔狂』な電信にハマり、
受信練習に精を出し、送信は『仲間うちのなぁなぁ』でお茶を濁す。
こんなことを続けていたら、次の免許更新まで、
モチベーションが保てるのだろうか。
多くのハム仲間が『仲間うちのなぁなぁ』で無線界を去っていった。
▼私の感覚だが・・・。
・得意なコトは、10の努力で100の成果を得られる(かも)
・面倒なコトは、100の努力でも10の成果しか得られない(かも)
そもそも論に至るが、
社会人として、そこそこの経験値が備わっているならば、
いくら『趣味だから』だの、周囲が『楽しいですよ』と、
三味線を弾こうが、笛を吹こうが、太鼓を叩こうが、
いい歳になれば、面倒くさいことや苦手なことは、
『避けたほうがいい』と思うし、貴重な時間の浪費が避けられる。
面倒くさいコトに時間を費やしても、成長速度が著しく遅い。
・10歳代、20歳代は『いろんなこと』にチャレンジする
・30歳代は『得意分野』を見つける
・40歳代は『得意分野』を伸ばす
・50歳代は『得意分野』で楽しみ、後継者育成をする
・60歳代以上は『得意分野で人生の思い出作り』をすればいい
アマチュア無線界も高齢化している上、社会人引退組が無線界に復活している。
もちろん、これも悪くはない。
そもそも、かつては先進的な趣味だったアマチュア無線も、
今や『オワコン』と揶揄されるくらい『物好き』の道楽に成り下がった。
そこに、60歳を過ぎた復活組が『浦島太郎』のように湧いてきて、
先端的なデジタルモードでもやってくれればいいのだが、
何を思ったのか、懐古趣味的に『電信』にハマっていくものだから、
どんどんオジン、オバン臭くなってくる。
私は、事務処理が意外と得意なのに気づいた。
ならば、交信局数を伸ばし(増やし)、
そこから得られるアワード認定の申請など、
割と地味ながら、目標を立てやすいコトに軸足を戻すことにした。
やはり、得意なことを磨き上げるのは楽しいものだ。
はっきり言って、アマチュア無線の醍醐味は『いろんな国の局との交信』だし、
DXだの、DXCCにしても『多少のカネと時間と工夫』があればアホでもできる。
もっと、いえば『面倒くさいコトは、それが好きな人に任せればいい』のだ。
どうあれ、自分の残り時間から逆算すれば、
そんなに悠長に構えて、無駄な時間の浪費をやっている場合ではない。
アンチ・ロールコール&クラブ嫌いだったので、
もとの状態に戻しただけである。
ロールコール自体にチェックインしなくなり『あぁ、些事だったな』と実感している。
面倒なコト、苦手なコトから、自分を解放してあげましょう。
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