発達小児科医の館

障害児医療理解を求めるために!!小児神経学会社会活動委員・/富山大学医学部診療指導医・臨床教授)

自閉症の発症原因となる遺伝的要因を新たに2つ発見した

2007年03月14日 | Weblog
過去最大規模の自閉症研究において、国際的な研究班が、自閉症の発症原因となる遺伝的要因を新たに2つ発見した
Caroline Cassels
Medscape Medical News


過去最大規模の自閉症研究において、国際的な研究者らが、自閉症の発症原因となる遺伝的素因を新たに2つ発見した。

この自閉症ゲノムプロジェクト(AGP)では、1,496家族(7,917人)から遺伝子試料を採集し、「遺伝子チップ」技術を用いて自閉症スペクトラム障害(ASD)患者間の遺伝子の類似性を検索した。

その結果、マクマスター大学(オンタリオ州ハミルトン)のPeter Szatmari, MDを筆頭とする研究者らは、別の自閉症遺伝子の存在も疑われている第11番染色体の未特定領域と、神経伝達物質であるグルタミン酸の放出に関連し脳の初期発達に重要な役割を果たすニューレキシン1(NRXN1)遺伝子を発見した。

この研究は『Nature Genetics』オンライン版に2月18日付けで掲載されている。

「今なお登録が続けられている過去最大規模のASD家族コホートのゲノムを探索して得られた今回の研究結果から、この複雑な疾患の遺伝的要因に関する新たな知識が示されている」と、著者らは述べている。

著者らによれば、自閉症様行動にはグルタミン酸の異常な挙動が関与しており、脆弱X症候群や結節性硬化症など、無秩序なグルタミン酸シグナル伝達が生じる疾患の患者に自閉症の診断が下されることが多いという。

このAGPプロジェクトの第2相研究は開始されたばかりであるが、第1相研究の成果を足掛かりに進められることになっている。研究者らは特に、自閉症に関与していると考えられている第11番染色体領域の遺伝子の特定に力を注ぐことにしている。

3年間に1,450万ドルが投じられるこの研究では、民間団体と公共機関が共同して、臨床医と科学者の合同研究組織を支援している。




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