発達小児科医の館

障害児医療理解を求めるために!!小児神経学会社会活動委員・/富山大学医学部診療指導医・臨床教授)

注意配分機能、転換機能の発達について

2012年08月18日 | Weblog

http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0005307861.shtml

子どもの脳は男女とも小学6年から中学1年にかけて、2種類の作業を同時にする「注意配分機能」と、注意の対象を柔軟に切り替える「注意転換機能」の働きが急速に発達することを、理化学研究所分子イメージング科学研究センター(神戸市中央区)と兵庫教育大(加東市)などのグループが突き止め、日本小児神経学会総会で発表した。子どもがこの時期に複雑なコミュニケーションを図れるようになり、社会性を身に付ける理由を機能面から解明した。

 一方で、中学生は疲労度が高いほど「注意配分機能」と「注意転換機能」が低下することも確認した。子どもの慢性疲労は、睡眠障害や不登校などとの関連性が指摘されており、二つの機能をチェックすることで予防につなげられる可能性があるという。

 小学6年から中学1年にかけ、脳にどのような変化が起きているかは、これまで明確には分かっていなかった。

 同グループは兵庫県内の小学4~中学3年の計317人に、記憶力など12種類の認知機能テストを実施。うち、平仮名の文章を読んで母音に丸印を付け、内容も理解する「注意配分機能」と、パソコン画面上でばらばらに表示された数字と平仮名を、順番に従って交互に見つける「注意転換機能」の両テストで、中学1年生は小学6年生と比べて成績がいずれも3割程度高かった。

 二つの機能には主に脳の前方にある「前頭葉」が関わっていることも、血流を画像化する機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)で確認。これらの機能を高めるには、家族団らんのような複数の人との会話が有効なことも判明した。

 同センターの水野敬基礎科学特別研究員は「二つの機能テストを教育現場で活用し、睡眠不足や慢性疲労、不登校を防ぐための生活指導に役立てたい」と話す。(金井恒幸)


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