『倒れる時は、前に倒れたい』

2012年7月20日、TBS『情熱大陸』で桂三枝さんの『桂文枝』襲名までのドキュメンタリーを放送していた。

桂三枝として45年間芸能一筋でやってきたが、古希を迎えての再チャレンジだ。

『倒れる時は、前に倒れたい』と語ることばが、心にしみた。

三枝さんの業績は語るに及ぶまい。
芸人とは、三枝さんのような人をいうのだろう。

そう言えば、30年前、三枝さんと桜田淳子さんの美女対談があったが、三枝さんは、『隠れ淳子』だと告白していた。

ヤングOH!OH!などで一緒になることが多かったと記憶しているが、今なお、色あせない三枝さんを見ていると、嬉しくなってくるのは、私だけだろうか。

お笑い芸人の人を見る目は、厳しい。

淳子ファンには、通な人が多いことが改めて思い起こされる。

お笑い以外でも、長谷川一夫さんしかり、渥美清さんしかり、『名人は名人を知る』と言われるが、淳子さんの才能の片鱗を見抜いた人は実に多い。

逆に、淳子さんの才能が開花するのを恐れた人が多いのも事実だろう。

堀プロの堀氏もその一人だと聞く。
山口百恵さんの武道館引退コンサートが行われた同じ月に、淳子さんの『アニー』の公演が行われことが、記憶に重なる。

淳子さんの才能ゆえに、その道のりが平坦でないことを思うと、心が痛む。

三枝さんは、番組の中でこう語る
『しんどいことをやるのは、
運命、宿命、使命』だと。

淳子さんが芸能界を去った胸中は、察するに余りあるが、せめて、私なりに、淳子さんの持つ『美』を感じていたいと思う。

『倒れる時は、前に倒れたい』

淳子さんに導かれるように、前のめりになった青春時代が走馬灯のように蘇る。


追伸 25年5月7日加筆しました。
動画のUP主様に感謝します。