コンサルタント伊藤のつぶやき

コンサルタント活動を振り返り

能力を伸ばす「教え方の基本」 ~俺の背中を見て仕事を覚えろ?

2020-02-04 11:54:23 | 日記
先日、顧問先の管理職の方から相談がありました。中高年社員と若手社員との間で、教育、育成についての考えにギャップがあり、
どうすればよいか、アドバイスがほしいとのことです。

7,8年ほど前から、毎年、この企業で新入社員研修を実施しています。研修内容はビジネスマナーをはじめ、
「キャリア教育」についても実施しており、
ここ数年、入社した若手社員は、自身の将来像等、キャリアについての意識は高くなっています。

一方、勤続年数が多い中高年社員は、未だに「俺の背中を見て仕事を覚えろ」という考え方を持っている人が大半です。
結果、若手社員と間で、教育、指導方法等でのトラブルが多くなってきているようです。

このような会社、皆さんの周りにまだあるのではないでしょうか。昔は当たり前の教え方でも現在では、通用しません。
お互い、コミュニケーションを密にしながら仕事を教えていく必要があります。

教え方については、以下の4つのポイントがあると思います。
1.なりたい将来像の把握
2.客観的な評価基準
3.自分自身に対する客観的評価
4.自立を促す

最初にまずは、教える側は、教わる側のなりたい将来像を把握することが必要となります。
憧れの人、対象をイメージ化させることです。なりたい自分を明確化することにより、モチベーションも上がります。
憧れの人、対象が教える側と教わる側で同じであれば、言うことありません。
「あのようになりたいよね。」「絶対、あそこに行ける」など、お互いが同じ方向、同じ情熱があればいうことなしです。
例えば、スポーツの世界、マラソン、ボクシング、野球等コーチと選手が一体となって、
目指すことが決まっていれば、成長の度合いは著しいものになります。

しかしながら企業内で教えていくことは、容易ではありません。教える側の情熱がある程度なければ、当然に上手くはいきません。
情熱もあまりなく、やむなく部下を持ってしまった人もいるでしょう。その時は、自分が好きなこと、得意な事を教えていくと良いと思います。
また、教える側が手本になる事が最良ですが、自分でない場合は、社内の誰かを憧れの対象にしていくよう指導、アドバイスが必要です。

人材育成を積極的に実施している企業では、階層別、年代別にロールモデルを作成しているところもあります。
具体的な行動や考え方の模範となる人物「ロールモデル」を選ぶことにより、その影響を受けながら人は成長していきますので、
ロールモデル、憧れを持つことは人材の成長に欠かせません。

次に、教える側は、教わる側のレベルを客観的に評価することができるかどうかが、非常に重要となります。
あくまでも好き、嫌いでなく、客観的な評価基準を設け、指導していくことです。

最近では、ヒューマンスキルとして「コンピテンシー」(高い業績や成果につながる行動特性と言われています。)等を用いた評価基準、
さらには知識・技能に対する客観的な評価基準を用いている企業が増加しています。

これにより、いろいろな観点から評価することが可能となります。ただ、「こいつはダメだ」ではなく
「どこが不得意」で「どこが良い」のかを具体的・個別的に判断していくことができます。

興味ある方は一度、厚生労働省で「職業能力評価基準」というツールを公開していますので、ご覧になってください。

評価は賃金を決定するだけでなく、相手を成長させるために評価することが重要です。そのために評価をします。
評価することで、相手の良いところまでダメにしてしまうことは、評価の意味をなくしてしまいます。
教える側は再度、評価の意味を考えてみてください。

そして、客観的な評価基準に基づき評価していく中で、良いところ、改善するところを見極めていきます。
良いところを伸ばし、悪いところを改善していくためには、教える側のコミュニケーション能力が問われます。

一番大切なことは教わる側が、客観的に自身を見つめることができるようなアドバイスを実施していくことです。
「この段取りは素晴らしいよ。」「ここは工夫の余地があるよね。」等具体的なコメントを発していくことで、
相手側が自身を客観的に評価する能力が培われることになります。

この積み重ねにより、レベルアップを図っていきます。どのレベルかにより、教え方も変わってきます。
レベルによる教え方については、部下のレベルを「開発レベル」でとらえるSL理論(状況対応理論)が参考になると思います。

また、相手のタイプによって、教え方、コミュニケーションの取り方も違ってくると思います。
相手によって教える側も言い方を考え、成長につながるための最適なコメントをすることが求められます。
対話を重ね「良いところ」「改善点」、さらには「悪いところの原因」を探り、
人を成長させることができる人は今後、貴重な人材に、企業にとって欠かせない人財になるはずです。

これができない人は企業にとって人罪となってしまいます。
 
最後に。人を育てる、能力を伸ばすには、教える側、教わる側の気持ち、伸びよう、伸ばそうとの気持ち、
お互いの感情を大切に、しっかりとした考えを持ち、接していくことが大変重要だと思います。

次回、残りのポイントについてお話をさせていただきます。

最後までお読みいただき、有難うございました。 
伊藤経営労務コンサルタント事務所 ito-hiko@mua.biglobe.ne.jp