コンサルタント伊藤のつぶやき

コンサルタント活動を振り返り

年金の支給開始年齢が68、70歳? 冗談もほどほどに。

2011-10-26 17:18:56 | 日記
最近、どこの企業に行っても年金について話題が出てきます。

「冗談じゃない」
「なぜ企業ばかりに年金の負担を押し付けるのだ」
「70歳までの継続勤務は無理だ」
「100年安心、もう破綻かよ」
「年金はあきらめた」
「国家的な詐欺だ」
こんな内容の話がほとんどです。

私も正直言って、こんな無茶苦茶な改悪が本当に実施されるとは現在のところ思っていません。許されないことだと思います。
こんな混迷した、不透明な時代だからこそ、政府は「年金の支給開始はどんなことがあっても遅らせない」と断言すべきです。財源は消費税を使ってでも絶対に65歳から実施すべきです。
こんなことをしたら国の信用はなくなります。ますます保険料を支払いない人が多くなるでしょう。
お金も使わなくなるでしょうね。
平成12年に厚生年金の支給開始年齢を60歳から65歳に段階的に引き上げすることに変更しました。
平成16年には、「100年安心」として「年金は現役時代の収入の50%を割り込ませない」と断言しました。
これによって実質、年金は物価が上がっても簡単には支給金額が増えないしくみとなり、若い人ほど年金支給金額が少なくなるという制度に変更しました。
今度は68歳ですか、70歳ですか。その後は80歳でしょうか。

かなり熱くなりました。冷静に。冷静に。
年金のことを冷静に考えてみましょう。
企業にとっては、
なんとか65歳までの完全雇用は可能だと思います。厚生労働省の調査でも現在、50%程度の企業で65歳まで希望者全員継続雇用(あるいは65歳定年)しています。全体の50%という数字を完全に信用することはできませんが、なんとかいけるのではないでしょうか。
70歳まで多様な勤務形態、働ける職場環境づくりは今後も絶対必要です。
ところが、70歳までの完全雇用は問題が多い。若手の雇用にも影響し、法律での義務化は問題が多いと思います。
国民にとっても70歳年金支給となると「またか」との思いが強く、年金不信、未払い、国をだれも信用しなくなるでしょう。私もそうです。
   
人は生まれて20年前後の準備期間、教育を経て職に付きます。
約40年働き、残りの人生、20年前後は会社とのしがらみを一旦、開放させてあげるべきです。
一旦、開放し、自由な意思で、会社と思いが一致すれば、働けば良いのです。無理に働かせるような法律、発想には大反対です。これは人間の尊厳にも関わる大切なことだと思います。


  政府に言いたい。年金の支給開始年齢のまえにもっとやるべきことはあるのではないでしょうか。
雇用対策として、少子高齢化が進行していくなか、高齢者の継続雇用、若年者の雇用、育成とともに女性の活用も非常に重要です。
ところが、専業主婦と週30時間未満のパート労働は年金保険料を支払っていません。これはフルタイムで働いている女性と平等ではありません。働かない女性、時間を制限して働くことを奨励していいのでしょうか。

第3号被保険者の優遇廃止など女性の年金はもっと公平にすべきです。

年金制度の理念、方針はどうなっているのでしょうか。
私は、年金というのは完全に家族単位から個人単位として考えるべきと思います。
いつも言うことですが、年金制度の理念、方針を明確にせず、支給年齢のことばかり、議論になるのは、ナンセンスです。

今の年金制度を改正するか、新しい年金制度をつくるか、どうなっていくかわかりませんが、年金は公平、信用が一番大切なことだと思います。