コンサルタント伊藤のつぶやき

コンサルタント活動を振り返り

起業に挑戦する若者。日本の明るい将来を夢見て。

2011-05-26 14:08:28 | 日記
皆さん、こんにちは。

今回は、先日、事務所に来た起業に挑戦したいと夢を持つ28歳の若者についてお話しをさせていただきます。
若者曰く。ネットカファを開きたく、そのための融資、助成金についてアドバイスをしてほしいと事務所を訪ねてきました。
簡単に融資、雇用関連を中心とした助成金の概要を説明した上で、
まずは、なぜ、ネットカフェをやりたいのか、そのための自己資金調達方法、起業してからの損益分析など、多くのことについてお話を聞きました。

お話のポイントはこんなところだと思います。
動機は、父上のコンビニ経営のお手伝いから卒業し、今までの経験を生かし、起業へ挑戦したい。居ぬきでの商売を考えており、多額の赤字は回避できそう、
さらには従来のネットカフェではなく、リピート客を増やすためあらゆる発想、想像力で自分なりに勝負したいとのことでした。
損益分岐点については関係者から詳細についてアドバイスされているようでした。
 
私としては、ネットカフェへの思い、従来のネットカフェとの相違、顧客集客力、経営者としての覚悟など、もう少し、聞きたいことはありましたが、
時間の問題もあり、多くは聞けませんでした。

ただ、私が素晴らしいと思ったのは、誠実な態度のほか、「目が輝いていた」ことです。
最近、若者と出会う機会もありますが、「目に輝きがない」若者が増えているような気がします。
久々に活気ある若者と話すことができ、本当に気持ち良かった。
こんなご時勢だからこそ、一人でも多くの若者が夢、希望を語ってほしいな、と切に感じます。

コンサルタントとして最近は、お客様の倒産、経営不振に関連した従業員解雇、失業、多額の負債、さらには精神的な病等の相談が非常に増えています。
こんなとき本当に人生の厳しさを感じてしまいます。

夢を持ち、何かに挑戦する若者。頑張ってほしいですね。
最後に、若者が言った言葉、非常に印象に残りました。
「社会に役に立ちたい。社会に貢献したいのです。」
まだまだ日本はいけるぞ。
なんだか、自分が元気をいただいたような1日でした。

(参考)
起業に関する助成金
 受給資格者創業支援助成金 雇用保険の受給資格資格者が自ら創業した場合・ハローワークで申請
 高年齢者等共同就業機会創出助成金 高齢者等が共同で創業した場合・・・・高齢・障害者雇用支援機構 都道府県センターで申請
 中小企業基盤人材確保助成金 中小企業が創業、異業種へ進出した場合・・・雇用・能力開発機構    都道府県センターで申請(今後変更になる予定)

起業に関する融資
 各金融機関、都道府県、市区町村の融資窓口で相談。起業する県、市区町村等で独自の融資を実施しています。
 開業計画、自己資金、損益分岐点、顧客集客方法。最後に融資してほしい金額、理由等しっかりと説明、記入できるようにすること。
 あとは熱意、情熱です。強い気持ちをもって起業することが大切。

 



能力不足、協調性を理由に解雇?

2011-05-10 15:14:29 | 日記
皆さん、お元気ですか。
震災から早2ヶ月経ちました。ゴールデンウィークも終わり、心をあらたに、頑張っていきましょう。

以前は、5月になると新入社員の「メンタルヘルス」問題の相談が多かったのですが、最近は新規・中途採用の「能力不足」などに関連する相談も増えてきました。
さらに言えば、中小企業では4月採用に限らず、中途採用者を1年を通して採用していますので、「能力不足」「解雇」等の相談は1年中あり、増加傾向にあります。

なぜ、増えているのか・・・。
インターネットの普及で、働く人の「労働基準法」「労働契約法」等に関する知識、さらには「労働基準監督署」への相談、「行政機関」による斡旋、調停、「労働審判」「簡易裁判」等の申し立ての情報が簡単に入手できるようになったことが大きいと思います。

私が最近相談された、ある会社で中途採用した社員に対する「能力不足」「協調性」等による解雇の有効性について今回、事例を紹介させていただきます。

社長「最近、中途で採用した男性社員についての相談です。採用後、1ヶ月経過したのに仕事に対する責任感、やる気が全くみられないのです。おまけにもっと仕事ができると思ったのに全く期待外れでした。先日、彼の上司が仕事のことで注意したところ、逆切れし、大きな声で上司批判し、止めた周りの社員とも口ケンカになったものだから、私が先日、社長室に呼び、注意をしたんですよ。」

私 「どんな注意をしたんですか。」

社長「君はもう35歳で、家庭も持っている大人なんだからもっと冷静に仕事ができないのかね。仕事に対する責任感も少し足りないぞ。君はまだこの会社に来て1ヶ月なんだから周りの者に謙虚に仕事を教えてもらいなさい。上司や周りの社員と協調して仕事をしなさいと言ったんです。」

私 「反省したんですか。」

社長「それが、最初は大人しく聞いていたのですが、次第に上司や他の社員の悪口を言いだし、しまいには、会社の方針や私に対する批判を口にしたものだから、私もつい、そんなにいやならすぐ辞職しろ。と言ってしまいました。」

私 「その後、その社員はどうしたんですか。」

社長「分かりました。と言って次の日から出社しなくなりました。1週間後に内容証明の手紙が届きまして、過去、勤務した給料とは別に1か月分の給料を請求されました。払わない場合は、労働基準監督署に相談することや労働審判所への訴えも考えているとの内容でした。今まで働いた給料は払うとしても、働いていない1か月分の給料を払う必要はないですよね。試用期間中でもありますからね。」

私 「社長から辞職を勧めた場合は、試用期間中といえども「解雇予告手当」として1か月分の給料は払う必要はありますね。また、最悪の場合、手当の問題とは別に「能力不足」「協調性」の無効を主張し、裁判になる可能性も頭に入れておく必要性があります。」


今回、会社は「解雇予告手当」として1か月分の給料を彼に支払いました。

ただし、これ以上の問題に発展することはありませんでした。

参考までに
相手の事情とは別に、会社側からの解雇の申し出は、原則、「解雇予告手当」が発生します。
労働基準法では、採用後、14日を超えると「解雇予告手当」の支払いが義務づけられています。

さらに最近の労働審判を調べますと
「能力不足」や「協調性」の理由による解雇についてはほとんどが調停によって決着しています。
 決着は金銭による解決となります。

「能力不足」「協調性」は会社の感情的な判断でなく、客観的、具体的な理由が必要です。

抽象的な「能力不足」「協調性」を如何に具体的に証明、説明できるかが大きなポイントになるでしょう。

日頃から問題となった社員に対するコミュニケーションや教育、能力評価制度の整備も必要でしょう。

簡単に労働審判や行政機関へ申請できる今日において、会社側もそれなりのリスク管理が求められてきます。
労働基準法などの知識のほか、就業規則の会社独自の整備も絶対必要となってきます。

このような事が起きる前に対策を忘れずに。