コンサルタント伊藤のつぶやき

コンサルタント活動を振り返り

管理職が求められるマネージメント、リーダーシップについて

2018-10-01 16:28:25 | 日記
先日、管理職を対象に研修を実施させていただきました。そのなかで、マネージメント、リーダーシップについての考え方をお話しさせていただきました。

管理職になると部下に対する指導、特にコミュニケーションの取り方、さらには部下育成などリーダーシップの取り方が非常に重要になるとともに、
部下に対するマネージメントも当然必要になってきます。マネージメントの大きな役割は「現状を維持・安定 」させることにあります。
しかしながらリーダーシップでは「現状を変える」ことが大きな役割となってきます。

組織を動かす機能として、マネージメントとリーダーシップは欠かせないものとなりますが、マネージメントとリーダーシップは似て非なるものです。
この2つを理解し、状況に応じて使い分けなければいけないところに管理職の大変さがあると思うのですが、
この理解が経営者、管理職とも理解されていないところに大きな問題があるように思われます。
この研修の中で、優秀な営業マンについての事例を取り上げ、
マネージメントとリーダーシップについて受講生に考えていただきました。

(事例)
車のディーラーである営業職のAさん。Aさんは、セルフリ-ダーシップ能力が優れており、顧客思考・ニーズに対しての
コミュニケ-ションスキルをはじめ、人一倍、営業に対する情熱を持ち、数年で社内ナンバー1の営業マンに成長。
営業マンとして模範であったことから若くして営業部の管理職に昇格。
しかしながら昇格してからは、マネージメント能力である「管理調整能力」が発揮できずにいた。その理由とは如何。

(受講生からでた意見の概要)
①セルフリ-ダーシップ能力は優秀であるが、対人に発揮するリーダーシップ、集団に対して発揮するリーダーシップが欠けていた。
②管理職としてマネージメントとリーダーシップの理解が不足しており、状況に応じての使い分けがなされていなかった。
③管理職として、予算計画、進捗管理、経営資源の確保、組織能力の仕組み化、チームの最適人数の計算など論理的思考に基づいた
管理調整能力が求められるのもかかわらず、これらのスキルがなかった。
④管理職としての管理調整能力はあったが、当事者としての意識がなかった。
⑤当事者意識、管理調整能力はあったが、経営者との考え方の相違、組織風土、人事制度等により、能力を発揮することができなかった。

上記のようないろいろな意見が出ました。①~⑤いずれの可能性もあると思います。また、この他の可能性もあるでしょう。
これらの意見から見えてくることは、会社の経営方針の徹底、管理職としての役割、管理職としての当事者意識を持たせたうえで、
マネージメントとリーダーシップの理解をさせていくこと。保有能力を身につけ、如何に能力を発揮させる職場環境を作り上げていくか、
さらには、マネージメントとリーダーシップの使い分けなど、単にマネージメントとリーダーシップの研修を実施すれば、良いというものではなく、
このような考え方に基づき研修することが大切なことであるとあらためて私自身が気づかされました。

最後までお読みいただき、有難うございました。 
伊藤経営労務コンサルタント事務所 ito-hiko@mua.biglobe.ne.jp